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オレ様王子とルゥ ~王子が主役の物語、前編~

オレ様王子とルゥ ~ルゥが主役の物語~ の王子が主役のお話です。

 オレ様はイフリート王国唯一の後継者。

 イフリート王国の王子だ。 

 

 この前はベリス王子に邪魔されたからな。

 今日こそ魔王の娘に謝るぞ。 

 前ヴォジャノーイ王がいないといいな……

 あいつ怖過ぎるんだよ。


 ジャバウォックに乗り上空から見おろすと、死の島に霧がかかって幻想的になっている。

 最近は幸せの島って呼ばれているらしいな。

 赤青クラゲが海の中で光って霧に色をつけている。

 

 魔王が作ったクラゲか……

 魔王が死んだ後も娘を守っているのか……

  

 誰にも見つからないように静かに島に降りる。

 

 霧で包まれたガゼボの中に魔王の娘がいる。

 よし、一人だな。

 前ヴォジャノーイ王がいなくてよかった!

 

「綺麗……」


 魔王の娘が海を見ながら呟いた?

 

 ……!

 初めて会った時と同じだ。

 シルバーの髪に青い瞳。

 この前は茶色い髪と肌だった。

 どうして見た目が変わっているんだ?

 ……綺麗だ。

 胸がドキドキする……?

 こんなの初めてだ。

 これが恋か……?


「あぁ……綺麗だな」


 思わず口から出た……

 胸のドキドキが止まらない。


「うわあ! びっくりした!」


 突然聞こえてきたオレの声に魔王の娘が叫んだ?

 驚かせたか……

 悪い事をしたな。

 

 魔王の娘がオレを見て嫌そうな顔をしている。

 やっぱり嫌われているのか。 

 当然だ。

 家を燃やしたんだからな。


「グゥルル」

  

 ジャバウォックが早く謝れって言っている。

 分かってるよ!


「あぁ……あの……この前は、その……悪かった」


 うぅ……

 上手く謝れない。


「とりあえず、ガゼボに入って。そっちの小さいドラゴンもおいで」


 少し考えて、魔王の娘が口を開いた?

 ずぶ濡れになっているから心配してくれたのか?


「「……」」

  

 無言の時間が続く。


 魔王の娘……

 綺麗だ。

 気持ちを伝えたい……


「あの……オレ……いや、その……」


 でも気持ち悪いとか言われたら……

 

「魔王の娘は……その……」 


 ダメだ。

 言えない……


「「……」」


 また沈黙の時間が続く。


「具合が悪いの? パパに頼んで薬を作ってもらおうか?」


 え?

 心配してくれるのか? 

 嬉しい!

 

「え? いや、具合は悪くない。どうしても言いたい事があって来たんだ」

 

 よし。

 今しかない。

 頑張れ!

 オレ!


「オレ……好きだったんだ。ずっと……だから、その……手離したくないんだ。だから……イフリート王国に、その……」


 ダメだ。

 言葉に詰まる。


「うん。分かった」


 え……?


「え? いいのか?」


 パートナーになってくれるのか!?


「重くて大変だから後でじいじに送ってもらうね」


 ジャバウォックは二人くらい平気で運べるから大丈夫だ。


「お前軽そうだからな。ジャバウォックは平気だぞ?」


 前ヴォジャノーイ王が来る前に連れて行こう。


「早速行こう!」


 魔王の娘を抱き上げる。


 ずいぶん軽いな。

 それに、柔らかくて温かくていい匂いだ。 


「自分で歩けるから平気だよ?」

 

 しまった。

 匂いを嗅いだのがバレたか?

 ん?

 歩いて行くつもりなのか?


「え? イフリート王国まで歩くのか?」


 あれ?

 オレの言葉に魔王の娘がキョトンとしている?


「「……」」

 

 お互い無言になる。

 もしかして話が噛み合っていなかった?

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