緊急事態
第六話 緊急事態
俺とノワールは喫茶店でオレンジジュースを飲んでいた。疲れていたせいか、それとも達成感なのか、いつもよりおいしく、甘く感じた。「いや~お疲れ様!」「お疲れ様です!」そういえば詳しくは聞いてなかったが、ノワールが使った闇消失ってどういうものなんだ..「ノワール、一つ聞きたいことがあるんだがいいか?」俺は彼女に真剣な目で語りかけた。「いいですけど、いきなりどうしたんですか?そんな真剣な目で..」「ノワールが使った闇消失あれってなんなんだ?」俺は単刀直入に言った。「そうですね..」彼女はオレンジジュースを飲むのをやめてこっちを見た。「あの魔術はですね..私が生まれながらに持つ、特殊魔術なんですよ。俗に言う禁忌魔術です。」禁忌魔術..名前は聞いたことがある。禁忌魔術とは、生まれながらにして持つ謎の魔術。誰にもまねができず、特定の人しかできないものだ。さらには、威力が高すぎで、使用を禁じられている。そんなものが彼女にあったのか..「よし、これからはあまり禁忌魔術は使うなよ?王様にばれたら処刑だぞwでも命の危険がったら使えよ。」俺は優しくそう言った。「はい!わかりました!晴彦さんのその魔術?も禁忌なんですか?」俺は返答に困った。どうすべきか..迷走者ということは言えなし,,「そうだな。お前みたいな感じだ。でもこの力は無力だから使用を許されてるんだ。」「そうなんですね!」なんとかごまかせた..「おいお前ら!うちの新商品食わねえか?」エドワルトがそう言った。「食べたいです!」「俺もだ。」そうして出てきたのはケーキだ。「どうだ、俺得性の新商品その名もケーキだ。」あ、この世界にもケーキあるんだw「いただきまーす」うm..日本のケーキとは少し違ううまさだな。甘いというよりは少し酸っぱいな。「おいしいじゃないか!」「だろ?」そう会話していた矢先..ガラン!扉が開く音がした。女性がやってきたようだ。ハァハァ息を切らしている。「ここに事件を解決してくれる人がいるって本当かしら?」「はい。我々がそうです。」「助けてほしいの!お願い!」かなり焦っているな。とりあえず話を聞くか。「わかりました。では話をしましょう。」そう言い、椅子に座り、話をした。「ここから少し行ったところのお店が今、立てこもり事件にあってるの。助けてあげて!」なるほど..彼女はちょうど通りかかってヤバいと思ってこちらに来たようだ。「よし、ノワールいくぞ!」「もちろんです!」そう言い彼女にお店までの地図を描かせた。俺たちはすぐに喫茶店を出た。「ノワール。どうやって人質を解放するか?」俺はそこが一番心配だった。下手をすれば全員殺されるからだ。「そうですね..私の風の魔術で眠らせるのはどうですか?」こいつ風の魔術も使えるのか?化け物すぎる..「よし決まりだ。俺が先に行って侵入できそうなルートを探る。」「能力、発射!」そう言い俺はすぐさま現場に到着した。一応そこには、国の軍隊がいた。「なるほど..こういう場合は軍が動くのか..」俺はあたりを見回した。「おっ。いいのがあるじゃん」発見したのは屋根の下の隙間だ。屋根の下にダクトのようなものがあった。きっと雨水を流すためにあるんだろう。そう考えていたらちょうどノワールが来た。「どこか侵入できそうなところはありましたか?」「ああ、あのダクトはどうか?」俺は指さした。「いいですね!私行ってきます。」そう言い、彼女は軽々と屋根までジャンプし、その屋根にぶら下がるようにして、ダクトの中に入っていった。「中は、だいぶ暗いなー。どこかつながっているところは..あった!」ちょうど出口らへんに穴が開いていた。「よし!風の神よ、我に悪人たちの心を浄化する風と、眠らせる力を恵み、悪を眠らせてください風眠死!」「お、唱え終わったかっと..え!」彼女は眠らせる魔術の上位互換を使っていた。この魔術は、相手が危害を加えないと神が許した時、眠りから解放されるものだ。「総統!中のものたちが寝始めています!」「なに!?いまだ総員突撃ーーー」軍は突撃した。その時ノワールは帰ってきた。「晴彦さん。こんな感じでいいですか?」首をかしげて聞いてきた。「ちょっとやりすぎだったかもな。」「そうでしたか。」彼女は少し、不満そうだった。「別に怒ってるわけじゃないぞ。」そう言ったとたん彼女は嬉しそうになった。
「ただいまー。エドワルト―オレンジジュース!」今回はリンゴとは言わなかった。「はいよ!ちょいとまってな!」そう言いノワールとオレンジジュースを飲んだ。「初日で2個はきつかったな」「そうですね。少しきつかったです。」「もう疲れたし今日は終わりにするか。」「そうですね。また明日頑張りましょう!」「一つ質問していいですか?」ノワールが言った。「おおいいよ。」さあなんて質問してくるのか..「晴彦さんあなた....」