女性向けの作品が人気になったのは必然だった……?
男性向けに特化した作品の人気は、急速に萎んでしまったと思います。
いえ……供給される作品数は今でも多いのですが、人気が分散することもあって、女性向けの作品と比較して劣勢になっていることは否めないでしょう。
少なくとも、なろうにおける人気は、主に女性向けだった「恋愛」に圧倒されてしまいました。
一般的に人気とされるアニメなどの作品についても、女性の人気が高い作品に制圧され始めています。
ただ、それで男性が楽しめる作品が無くなったわけではありません。
なぜなら、女性が楽しんでいる作品の中に登場する女キャラは、男性から見ても好ましい女性であることが少なくないからです。
むしろ、あざとくないために、男性にとっても好ましい方向に行っている可能性すらあると言えるでしょう。
そもそもの話として。
アニメやラノベが、男性の需要を意識して「萌え」や「エロ」で勝負を始めた時点で、女性向けの作品に敗北する結末しか存在しなかったと評価してしまっても良いでしょう。
というのも、女キャラから得られる、男性が喜ぶ刺激には「上限」があるからです。
まず、男性向けの作品に登場する萌えキャラというのは、多数派の男性が喜ぶキャラであるために、似通ったキャラになりがちです。
代わりに捻ったキャラを登場させたとしても、多数派の男性が喜ぶキャラではなく、一部の男性が喜ぶキャラにしかなりません。
そこで、女キャラを多数登場させます。
様々な性格のキャラを混在させることで、より多くの男性の需要に応えられるからです。
しかし、いずれ限界がくるのは明らかでしょう。
男性であれ女性であれ、好ましい人間の性格なんて、無限にあるわけではありません。
そのため、女キャラを入浴させたり、水着姿にしたり、下着姿にしたり、全裸にしたりします。
ですが、残念ながら、全裸になった女性は脱げないため、そこが終着点であるわけです。
最後に、肉体関係に及んで、終着点を延長します。
しかし、ここが新たな終着点になるだけであり、これ以上の刺激を与えようとしても難しいでしょう。
ニッチな需要に応えようとすれば、多数派の男性の需要からは外れてしまいます。
一部の方々が、倫理的な観点から、女性を性的な対象として消費することを問題視しています。
それについては、様々な意見があるでしょう。
しかし、そんな意見とは無関係に、性的な消費には重大な問題があることは間違いありません。
すなわち、性的な刺激には上限があり、しかも慣れられてしまうために継続性もないということです。
それは、既に消費し尽くした性的な刺激を利用しても、商業的に成功するのが難しくなってきているということを意味します。
ただし、性的な刺激の強い作品は、これからも生み出されていくでしょう。
なぜなら、「儲からない」と判断されて供給が減れば希少価値が高まるので、商品価値も向上するからです。
今までは大量に存在していた供給が減少することによって、露骨な「萌え」と「エロ」で満たされた作品に人気が集中して爆発する可能性も否定できません。
さらに言えば、今までほとんど刺激されてこなかった性癖を刺激できれば、目新しさは強烈になるでしょう。
いずれ、「暴力ヒロイン」や「ヤンデレ」といったものがブームになったのと同じように、新たなブームが生み出されるのかもしれませんね……。