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Prologue
「王様万歳!アル=ゼノイド!王様万歳!」
そんな歓声に包まれながら、俺たち旅の一行は大通りを凱旋していた。
何が何だかわからないだろう?
あいにく、物語は終わっちまったものでね。
単刀直入に言えば、魔王はもう倒したよってことさ。
時はそれから、2年が過ぎた。
夜の森の中、目の前にいるのは、顔も忘れかけていた旧友だった。
ボロボロになった彼女の手を取り、肩に抱えて自宅へと向かう。
世界を跨いできた先駆者である僕の、当然の義務だった。
ここからは、僕1人の物語だ。