父と子と母とメイ
イサヤの家族〜
食事は和やかなムードでスタートしたけど、食事中の会話が心臓に悪すぎ。特に私の斜め向かいに座るヨフィ様からピュアな瞳で見つめられての質問が…。
「そう言えばイサヤの闇祓いの後に倒れたと聞いています。それなのにこんな風にお食事に誘って大丈夫だったかしら?」
っていうのから始まって。
私が、
「体はすっかり元気で疲れも出ていません」
ってお答えしたら次々に質問が。
「イサヤは仕事中はどんな感じ?」
とか、
「メイさんの前と、他の方達との前では、この子はどんな風に違うのかしら?」
とか。
おまけにだんだん質問が際どくなってきて。
「迎えに用意した馬車が、後から聞けば婚礼用だったらしいのだけど、嫌じゃなかった?」
とか、
「馬車の中ではイサヤとなんの話をしていたの?」
とか。
『そう言えばイサヤの闇祓いの後に倒れたと聞いています。それなのにこんな風にお食事に誘って大丈夫だったかしら?』
えぇ、倒れましたとも!息子さんのものすごいキスに意識がぶっ飛んで倒れましたとも!!
『イサヤは仕事中、どんな感じ?』
仕事中だろうとなんだろうと俺様で強引でフェロモンだだ漏れで。それなのに仕事はデキるから、結構腹が立つんですけど!
『メイさんの前と、他の方達との前では、この子はどんな風に違うのかしら?』
どんな風に?それはこっちが聞きたいくらいです。他の方達の前でのイサヤが違いすぎて今のところ把握できていません!
『迎えに用意した馬車が、後から聞けば婚礼用だったらしいのだけど嫌じゃなかった?』
嫌かどうか?
そんなの嫌に決まってるじゃないですか!乗る時にどれだけ勇気を振り絞ったことか!!
だいたい、どうしてミカエル様はあんな馬車を!?
他にも馬車なんていっぱいあるでしょっ!!
『馬車の中ではイサヤとなんの話をしていたの?』
話!?
結婚だの何だの、それはもう突然すぎてわけがわからない会話と……会話と…。。。
うわぁ〜〜〜〜ん!!
もう思い出したくないよ〜〜〜!!!
最後はじんわり涙が浮かんで、助けを求めようと隣に座るミカエル様のお顔を見ようとしたら…。
あれ?何だか様子がおかしい。ちょっとうつむいてらして、表情が見えない。ふと私の向かい、ヨフィ様の隣に座るイサヤを見ると、ミカエル様と同じようにうつむき加減だけど、表情は明らかに笑いをこらえてる感じ。
ってことはもしかして!!
「ミカエル様。まさかとは思いますけど、笑いをこらえてらっしゃいます?」
すると、今度はミカエル様の肩がプルプル震えだした。
そして一呼吸置いた瞬間、
「ぷっ!」
と噴き出す声がイサヤから。
キッとイサヤを睨みつけると、今度はミカエル様が大笑いを始めた。
「アハハハ!イサヤ、笑っては失礼だよ!」
「そういう親父は爆笑じゃねぇかよ」
ククク、と笑いながらイサヤが反論する。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
「この腹黒父子!!!」
思わず私が叫んだら、
「「アハハッ!ハハハハハッ!!」」
って2人揃って大爆笑。
「さすがにあの馬車はねーわ」
「いやー、そうは言っても何か手違いがあったみたいで…」
「手違いって…ククク、どんな手違いだっての」
「そういうお前だって、馬車の中ではずいぶん楽しそうだったらしいじゃないか。アハハハハ!」
えー!
馬車の中の事までミカエル様に筒抜けなの!?
会話だけ?
それともそれ以外のことも!?
もうやだ〜〜〜〜〜〜!!!
神様!哀れな私に救いの手を〜〜〜〜〜!!!!!
腹黒親子なんか嫌いだっ(T-T)
イサヤは外見は母親似ですが、中身は父親似ですね。




