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俺様天使の溺愛  作者: すいか姫
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初めての仕事

2人が初指令を受けます

イサヤ少尉はリール大佐から受け取った書類をちらりと見ると、またため息。


「はぁ〜。もしかしなくても、お前って今日が仕事初日の()新人だよな?」


今度は私の方をちらっと一瞥して冷たい声で聞かれた。


「は、はい…」


私は次に何を言われるのかと思ってビクビク。でも、イサヤ少尉はリール大佐に向き直って言った。


「リール大佐。初仕事にこれを選ぶなんて性格悪くね?」


「な、大佐にむかってなんて口を…」


仕事をするにあたって天使は悪魔の、悪魔は天使の世界についての講義を受けなくちゃいけない。


それなりに行き来はあるから、お互いの世界のことはだいたい知ってるけど、キチンと学んで、お互いより良い関係で仕事に臨みましょー、って。

なんでも昔、天使と悪魔のお偉方が集まって決めたことらしい。天使はもちろんだけど、悪魔もけっこうマジメでしょ?


もちろん私も受けたんだけど、悪魔は「階級」より「家柄」重視なのにたいして天使はその逆。どんなに家柄が良くても「階級」の方が優先されるらしい。

それでいったら、少尉が大佐にむかってタメ口…。

それも「性格悪くね?」ってやばくない!?


おまけに思い起こせば、さっきからずっとそんな感じの口の利き方してたような…。


「まったく…イサヤ、メイさんが驚いているじゃないか。仕事のときはちゃんとしなさい」


「え、仕事のとき?え?え???」


私が混乱していると、リール大佐が説明してくれた。


「私は彼の叔父なんだ。私の妻が彼のお父上の妹でね」


そう言ってリール大佐はまた微笑んだ。


あ〜、この笑顔、癒されるかも♪


「私たち夫婦には子供がいなくてね。それもあってか、妻はイサヤを彼が幼い頃から自分の子供のように可愛がっていてね。プライベートではとても親しくしているんだよ」


なるほど…。私がウンウンと頷いていると、


「行くぞ」


「え?」


「だから、仕事に行くぞ」


「あ、はい!」


なんだか怒った感じのイサヤ少尉…。私なんかしたかな?心当たり…ありすぎて怖いデス。


「それじゃ」


ひらひらとリール大佐に手を振って、イサヤ少尉が部屋を出て行こうとする。


「あの、失礼しました!」


私も大佐にむかってぺこりと頭を下げると、大急ぎで部屋を出た。私たちを見送るリール大佐は、とても優しい目をしていた。

それなのに!この怖い天使ときたら!!


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