表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺様天使の溺愛  作者: すいか姫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/84

イサヤの目覚め

今回はイサヤ目線です

……


なんかよくわかんねぇけど、すっげぇ苦しくて辛い思いと、すっげぇ気持ち良くてすっきりした思いをした気がしてふっと目が覚めた。


そこは天井も壁も真っ白な、見慣れない部屋だった。


「お、やっと目が覚めたかい?」


と聞き慣れた声がした。声がした方に顔を向けると、エイリが呆れたような顔をして俺のことを見ていた。


「ここどこだよ?なんで俺はここにいる?」


状況が飲み込めなくて不機嫌に聞く俺に、エイリは呆れたような顔のまま答えた。


「あれ?覚えてない?

仕事から帰ってきたかと思ったら、ゲートの近くで血を吐いて倒れたんだよ。

ったく、メイちゃんから聞いたけど、むちゃくちゃにもほどがあるだろ?」


最後はちょっと咎めるように言う。


「何のことだ?」


俺が素知らぬふりで答えると、


「とぼけちゃって…まぁいいけどね」


エイリはそう言うと、それ以上は追及してこなかった。こういうとこ、エイリには敵わねぇなぁって思う。


ってゆーか、俺がこんなことになってるわけだし、あいつ相当困ったんじゃねぇか?

でっかい瞳に涙をいっぱい浮かべているメイの顔が浮かんできた。どこかで一人で泣いているかもしれないと思うとものすごく気になってきた。


「そういえば、メイは?」


エイリに聞いたら、ちょっと目を細めて俺を見た。一瞬、なんでそんな目で見られなきゃなんねーんだよ!?と思ったけど、次のエイリの言葉にそんなこと吹っ飛んだ。


「メイちゃんなら、隣のベットで眠ってるよ」


「なに!?」


まさか、あいつの身になんかあったのか!?


慌てて起き上がりながら隣のベッドを見てみると、メイが静かに眠っていた。


「あいつ、どうしたんだ!?何かあったのか?どっか怪我してるとか?」


「違うよ、落ち着けって…。別に怪我もしてないし何か異常があるわけではない。ただちょっと…」


「ちょっとなんだよ?」


「まぁなんというか…。刺激が強すぎだというか、なんというか…」


言葉を選んでるのかなんなのか、歯切れの悪いエイリにイライラした。


「なんだよはっきり言えよ」


ややキレ気味に言ったら、やっと返事が返ってきた。


「まぁなんというか、イサヤの体の中で暴れまくってた闇の力を浄化するのに、いろんな力を使い切っちゃったってところかな?」


「まじかよ…。あいつが俺の中の闇を?あいつ、闇祓いなんてできたんだな…」


「そうだよ。それはもうすごかったんだから…。いろいろと、ね」


「なんだよ?なんか含みのある言い方だな?」


俺の知らないメイのことを知ってるエイリにますますイライラした。


「でも、ここってもしかしなくてもゲートの近くにある医療棟じゃねーの?だったら、闇祓いを専門にやってる悪魔がいるだろ?」


わかっているけど、突っかかるような言い方になるのを止められない。


「そうだよ。だけど、途中で倒れちゃったんだ。だから仕方なく続きをメイちゃんが引き受けたってわけ」


「ふーん…。よくわかんねぇけど、とにかくあいつに迷惑かけちまったんだな…」


イライラをぐっと抑えつけて言うと、


「そう思うなら、まずはゆっくり療養して。それと、たくさん出しちゃった血を元に戻して早く元気になりなよ」


やっとエイリがいつもの感じに戻ったので、俺も気持ちを切り替えることにした。


「俺ってそんなに血、失なっちゃったわけ?」


「それはもう結構な量をね」


エイリがやれやれとため息をつきながらそう言ったから、結構危なかったのかもしれねぇな、と思った。


それにしても、隣で眠るメイはピンク色の頬をしていて、スヤスヤと気持ちよさそうだったりする。俺は、またこいつに助けられたってことか…。


相変わらずスヤスヤ眠るメイを横目で見ながら、俺はそんなことを考えた。その後、エイリと今後のことについて話し合った後、さすがの俺も疲れを感じたので、もう一眠りすることにした。



いいな、と思ったらポチっとお願いします。感想も心よりお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ