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俺様天使の溺愛  作者: すいか姫


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イサヤのところへ

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ラウン少将に連れられて入った部屋には、天使や悪魔の医師や看護師が数名ずつ待機していた。部屋の中ほどにはベッドが二つ置かれている。手前のベッドは、そばにミカエル様が立っていた。ミカエル様の体で顔は見えないけれど、そのベッドにはイサヤが寝かされているんだろうな、と思った。


奥のベッドには多分女性かな?って思える悪魔がうずくまっていて、ついている天使の看護師さんが、気の毒そうな表情を浮かべながらうちわで扇いでいる。

なんでうちわ?あれが倒れちゃったっていう闇祓い??

頭にハテナマークがいっぱい浮かんだけど、そんなことを気にしている場合じゃなかった。

今はイサヤを!!


エイリさんに背をそっと押されて、ベッドの上に静かに横たわるイサヤのそばまで歩いて行った。イサヤは見たこともないくらい青白い顔をしてベットに静かに横たわっていた。

とっさに呼吸は!?と思ったけれど、よーく見ると、胸が小さく上下しているのがわかった。ちゃんと息してる…。ものすごくほっとした。


って当たり前だよね。息をしていなかったら、みんながもっと大騒ぎしてるよね。私ってばまだ動揺してるのかも。落ち着かなくっちゃ!

そっと深呼吸をして心を落ち着けようとしている私に、ミカエル様がここまででわかったことを話してくださった。



イサヤの体の中では、今、死神の闇の力とイサヤの光の力がせめぎあっているそうだ。


どうやらイサヤは、死神から受けた傷をその場しのぎで簡単に塞いだだけだったらしい。その時にきちんと闇の浄化をしておけばこんなことにはならなかっただろうに、闇祓いもせず体の傷だけ治して私の目をごまかしたみたい。


その後、さらに魂を体の中に入れるっていう大それた…ほぼ禁忌に近いようなことを行ったために、自分の防御力が極度に低下してしまった。


やっぱり!どうりで学校で教えてもらわなかったはずだ!


闇祓いをしなかった上に防御力を極度に落としたせいで、イサヤの体の中は先ほどまで闇の力が暴れ回っていて・・・危うく命を落とすところだった、と。

優秀な医療チームのみなさんが何とか体内の出血を止め、ミカエル様が暴れ回る闇を一時的に鎮めてくださったので、命を落とすには至らなかったみたい。


でも闇の力はまだ体の中に眠ったまま。この闇の力を完全に彼の体の中から消してしまわない限り、またさっきまでのような事がいつか起こる。今回はなんとか踏みとどまったけど、次に闇の力が体内で暴れ回るようなことが起これば、イサヤの命を救える可能性はとても低い…。


「それはメイさん、あなたにも想像がつくでしょう?」


ものすごく深刻な状況の説明だというのに、ミカエル様には全く緊迫感がない。単にやれやれ、といった様子で一息。


「そこでお願いです。あなたに闇祓いを行って欲しい。

あなたの話から察するに、おそらく彼に傷を負わせた死神はかなりの力の持ち主だったと思います。それゆえに体内にとどまっている闇の力もかなり強いと私は確信しております。

メイさん、あなたは大変優秀な能力の持ち主だとアスタロト公からもお伺いしております。

どうか私の息子の命を救ってやってください」


ミカエル様があんまりにも真剣な表情でおっしゃるから、ミカエル様の口からお母様の名前が出たことを気にする余裕もなかった。


「ミカエル様、私…私にそんなことができるでしょうか?まだまだ新米の私に、彼の命を救うだなんて大それたことができるとは思えないんです」


さっきまで前向きだった気持ちが、イサヤの真っ青な顔を見たらどこかへ吹き飛んでしまったみたいで、自分が思う以上に弱々しい声が出た。


今日も複数投稿がんばります!

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