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俺様天使の溺愛  作者: すいか姫


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さよなら、またね

翔くんがいよいよ天国へ向かいます

三人で思いっきり遊んだ後、イサヤと私は翔くんを天国の入り口まで連れて行くことに。


うわぁ、天国の門なんて初めてだから緊張する〜!


「ボク、○○ジャーのレッドにもなりたいなぁ」


「翔、お前欲張りすぎだろ!」


私の緊張なんてどこ吹く風。イサヤと翔くんは、あれからずっと楽しそうに話している。今も、生まれ変わったら何になるかで盛り上がっているみたい。


「とにかく、お前は愛羅や両親を自分の手で幸せにしたいってことだけを一生懸命願ってろ」


「は〜い」


最後はイサヤがお兄ちゃんぽく言い聞かせた。


「ほら、着いたぞ。ここが天国の入り口。この門をくぐった瞬間から、お前の生まれ変わりが始まる」


「ほぇ〜〜〜。すごくキラキラしててビューティフルな門だね!」


初めて見た天国の門に感動した私。反対に疲れたようにため息をつくイサヤ。


「はぁ〜…」


「おにいちゃん、ためいきなんかついてどうしたの?」


「いや、気にすんな、翔。お子ちゃまな悪魔の世話も疲れるな、って思ったら、ついため息が出ただけだから」


「ん?もしかして私のこと言ってる!?」


聞き捨てならないセリフが聞こえた!


「もしかしなくても、お前以外誰がいんだよ」


「お子ちゃまって何気に失礼だし!」


「お子ちゃまにお子ちゃまって言って何が悪い?天国の門を見上げて、口をポッカ〜ンと開けてるやつを他になんて呼べばいいか言ってみろ?」


目を細めたイサヤの手が私の顔へ伸びてきた。


「い、いひゃいっては〜!」


ほっぺをビヨンと両側に引っ張られるのは痛いんですけど!!


「ふふっ、やっぱり!おにいちゃんとおねえちゃんはなかよしなんだね」


「「どこが!?」」


あ、ハモっちゃった…。


「ほら、なかよしだよ」


翔くんの声が今までで1番嬉しそうに、そして優しく聞こえた。


「ボクもかならず愛羅ともういっかいなかよしになるね!」


そう言って翔くんが天国の門をくぐった。ここからはイサヤしか一緒に行けないから、私はイサヤが戻ってくるまでここで待機。


「おねえちゃん、ばいば〜い!またね〜!!」


そんな翔くんの元気な声を聞きながら門を見つめていた私の目には、いつの間にか涙がいっぱい溜まってて…。


しばらくして戻って来たイサヤに、


「目、真っ赤だぞ」


ってからかわれてしまった。


何事もなく(いや、いろいろありましたけど)天国へ送り届けられてよかった、よかった!

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