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俺様天使の溺愛  作者: すいか姫


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遭遇

とうとうヤツがでてきます・・・

私がポヤ〜ッと、笑顔のイサヤと翔くんとのやりとりに見とれていると、突然イサヤがハッとした顔をしてこっちを振り向いた。


えっ!?と思って同じようにイサヤの視線の先をたどろうと振り向いた瞬間、


「あぶねぇ!!!」


というイサヤの声とともに私の視界は真っ白になった。


なにがなんだかわからずに呆然としていた私は、数秒の間を置いて、やっと自分の視界が白い理由がわかった。それはイサヤが私を正面から覆いかぶさるようにして抱きしめていたから。


そして耳元に聞こえてきた苦しそうなイサヤの声。


「くっ…、くそっ、俺としたことが油断した…」


私を抱きしめる腕の力が少し緩んで、イサヤの体が少しずれると、彼の肩越しに見えたもの…。


全身の毛がぞわっと逆立つような嫌な感覚。

学校の図書館にある資料でしか見たことのないその異様な出で立ち。


天使や悪魔と違って羽もないのに空中に浮かび、どこまでが体かわからないくらいズルリとした闇色のボロ布を身にまとっている。そしてその両手にしっかりと握られているのは、持ち主の体のゆうに2倍はあろうかという大きな刃のついた鎌。するどい刃の先端は細く尖り、異様なまでに大きな刀身は不気味な輝きを放っていた。


でも、もっとも異様なのはその本体。肉体をもたず、ゆえに表情もない、ただの骨。そう、骨だけでできた体。いわゆる骸骨ってやつ。


…これが私が一番恐れていたもの。


「死神…」


つぶやいたことで、やっと私の頭が動き出した。

目の前の死神がもっている鎌の刃の尖った先端から滴り落ちる赤い液体……もしかしなくても血…?



「ま、まさか、イサヤ!?」


焦って大声を出した私に、


「あ〜、うるせぇ。おめーはよ…耳元で叫んでるんじゃねーっての」



ちょっと拍子抜けしちゃうくらいの、いかにもダルそうな口ぶりで返ってきたイサヤからの返事。おかげでパニック寸前だった私の頭も、ちょっと冷静になれた。


いまだに力が入りきらない感じのイサヤの体をそっと自分から離すと、さっとイサヤの背中に視線を走らせた。イサヤの背中には、真っ白なローブに横一文字に引かれたような真っ赤な線。そして、そこからじわじわと広がりつつある赤い血。


私はすぐに視線を死神に戻すと、イサヤを自分の背後にかばうようにして死神の前に立ちはだかった。


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