愛羅とメイとイサヤ
イサヤも子供相手だと勝手が違うみたいです
「ふふっ」
「なに笑ってんだよ」
不機嫌そうな声でイサヤが言ってきたけど、なんとなく今はそんなイサヤでも平気。
「愛羅ちゃん、この天使さん、ちょっと怖くない?」
「う〜ん、ちょっとだけ。だってずっとこわいかおしてるんだもん」
「だよね〜。愛羅ちゃんは、優しい天使さんの方がいいよね」
「うん!愛羅ね、えほんでみたよ。てんしさまってね、おかあさんみたいにやさしいえがおだった」
「そっかそっか、優しい笑顔だったんだ」
思わず緩むほっぺをそのままにイサヤの方を意味ありげに見たら、ちょっと殺気立った目で私のことを見ている。
でも平気だも〜〜〜ん。
イサヤってば、愛羅ちゃんの前ではいつもの調子が出ないらしいので、代わりに私がますます調子に乗ってみた。
「大丈夫だよ、愛羅ちゃん。この天使さん、今はこんな怖い顔してるけど、ほんとうはものすご〜く優しいから」
「ほんとに?よかったぁ」
ほんとうにほっとした顔で愛羅ちゃんが可愛く微笑んだ。
かわいい〜〜〜!
思わず抱きしめそうになったけど、我慢我慢…。
さすがにあんまり深入りするのはよくないよね。
そろそろここから離れた方がいいかな、と思って、ちらっとイサヤを見た。
さっきまでみたいに怒ってる感じじゃなくて、なんだか複雑そうな顔をしている。
よくわからないけれど、ここは早く行動するべきだよね。
「じゃあ、愛羅ちゃん。私たちはこれで行くけど、お母さんが帰ってくるまでちゃんと寝てなきゃだめだよ」
「うん。ありがとう!あくまのおねえちゃん、またきてくれる?」
「えっ!?」
予想外の質問になんと答えていいかわからずにいたら、イサヤが助け舟を出してくれた。
「お前がいい子でいたらそのうちにな」
「ほんとに!?愛羅、待ってるね」
可愛い笑顔でそう言う愛羅ちゃんを見てると胸がぎゅっと痛くなった。
だって、私たちに会えるということは…。
それ以上は何も言えないまま、私はその場を後にした。
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