2人の新しい人生
「ここはどこですか?」僕は聞いた
「ここは…」
そう言って男の子は続きを言うのをやめた。
「僕の名前はリオ!君の名前は?」男の子が名乗った。
「僕の名前は…」「名前は…」
「名前ないの?」
(名前がないわけでは無いただ思い出せないのだ。ずっと1人で生活をして誰にも名前なんて呼ばれなかったから)
「わかった!じゃあ僕が付けてあげるよ!」
「え、あ、分かりました」
「君の名前はアンカーだ!」
「アンカー?どういう意味ですか?」
「それは近いうちに分かるさ」「行こうアンカー!この世界を紹介するよ!」
言われるがままに僕はついて行った。
「この世界は1人につき1つの能力が渡される」「その能力を使いみんな生活している。」「いい例で言うと…」そう言うとリオは周りを見渡し始めた。
「ねぇリオあれは何をしているんですか?」
「あれはお酒を作っているんだよ。あの人の能力はお酒を作る能力なんだろうね」
僕もこの世界に来たっていうことは、僕にも何か能力があるのだろうか。
「アンカーあれを見て!この街のお城だよ」
凄く大きなお城だった。とても白かった。
「あのお城はこの街の象徴みたいな物なんだ」
「そうなんですね」
しばらく2人でお城を眺めていた。その時のリオの目はとても悲しいものを見る目をしていた。
すると、段々と日が暮れてきた。
「そろそろ帰ろうか」
リオはそう言うと立ち上がりお城に背を向け歩き出した。
僕もリオについて行く。しばらく歩くと宿のような家に着いた。
「ここが僕達の家だよ!今から僕が夜ご飯を作るから待ってて。」
言われた通りに僕はリオが料理を終えるまで待っていた。
「出来たよ!」
そう言ってリオが持ってきた物は、とても美味しそうな料理だった。
「実は料理は得意なんだ、どうぞ召し上がれ」
「いただきます」そう言って僕は食べ始めた。
とても美味しかった。お腹がいっぱいになるまで食べた。
食べ終わった後に僕は異変に気が付いた。
全く眠くならない。
いつもなら寝ている時間だ。特に今日は色んなことがあり疲れているはずなのに全く眠くならない。
「気付いた?」リオが言った
「どういう事ですか?」
「これが僕達の能力だよ。能力名はバトン」
「バトン?お酒を作る人の能力名もあったんですか?」
「ないよ…僕達は特別なのさ」
「特別…」
「そう…特別…そして能力は、自分と同じ運命の人を探しその人と入れ替わりで現実世界に戻るというもの」
僕はすぐには理解出来なかった。だけど少し考えたら分かることだった。
「お父さん」
「……」
リオは何も言わなかった。




