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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

とある伝説の真実

作者: 着津

とある伝説の真実は、ある意味で皮肉だという話。


※今朝見た夢にテキトーに手を入れて作ったお話なので基本的に意味が分からないかもしれません。あらすじが込めた意味です。


『―――(かすれていて読めない)の狼王の塚』


昔々、とある大陸の真ん中にあった巨大な国の、あるところ、狂った可哀そうな研究者がいた。

自分の望みを叶えるため、彼は禁術に手を出した。

手に入れたのは絶大な力。

そうして国を荒らしていた。

けれど、どこからともなく現れた狼王が、彼を食い殺し、また去って行った。


我らは感謝のしるしとして、狼王の遺していった塚をいつまでも守っているのだ。

塚の前には美しい湖があり、そこでとれる魚は極上の美味だという。


危険な獣も近寄らないこの場所は、人々が集まり大きな国の中心となった。


とある観光名所の立て看板より

――――


私は四つ足で主の足元を仕方なく付いて行く。主は不気味に息を吐き出しては、何やらぶつぶつ鳴いている。


「ふ、ふふふ、ふふ。これで……、俺の望みが、叶う……」


何を鳴いて訴えたいのかわからないが、聞こえたままを記そう。主はふらふらと二本足で歩いて行く。……、歩きにくいならば私と同じく四つ足で歩けばいいのに。


「これで……、あの女を……」


主は繰り返しこう鳴いては、手当たり次第に出会った「女」とやらを凄惨な方法で消していった。私はそれを苦々しい思いで見ていた。至極残念なのは、その所業に私も加担せざるを得ないことか。とはいえ、こうして主に付いて行って、私の姿を見て怯えた「女」が怯えたところを主が……、と言う流れなのだが。


しかし、それもこれまでだ。徐々に主の作ったかせが私の力を抑えきれなくなっているのが分かる。


さぁ、またとない機会がやってきた――!


分厚い雲に隠れていた満月が、風もないのに現れる。月光を浴び、体には力がみなぎるようだ。主に付いて行くのをやめ、ぐっと後足に力をためる。


グルゥルルルゥ(つぎはおまえだ)!


雄叫びをあげて背後から主――元主を襲う。


何やら甲高い悲鳴が聞こえたような気がするが、あたりを見回しても何もいないので、声の主はどこかへ行ったのだろう。些末事さまつごとには関わっている暇はない。


本能に従うならば、仕留めたものは食い尽くすのだが、こんな得体のしれないものなど食いたくはない。私はそれを適当な場所に放り出し、腐った時の匂いもぎたくなくて前脚を使って、後足の間をくぐらせるようにひたすら土をかけた。私自身が埋まるほどの穴をあけ、最後に二度と近寄らないということを思い出せるように、特殊な匂いの排せつ物を穴に出した。


これで獣の仲間も近寄るまい。


さて、すっきりしたところでどうしようか。


元居た世界すみかへ帰るのもいいが、この世界ばしょ住処すみかとして開拓するのも悪くない。仲間を呼び寄せて楽園を作ってもいいだろう。


何せ、元の世界では、「魔王」などと呼ばれていたのだから。



縮尺がおかしいとか、どうしてこうなったとか、設定がアレなのは仕様です。なんせ伝説なので。


補足すると、四つ足の「私」はその後魔王として君臨します。魔物を率いて他の生き物を襲い、恐怖をまき散らしますが、唯一、あの塚のある土地には近づきませんので、そこは楽園とまで呼ばれるようになりました。

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