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第一話 駆け引き
この話は終わりから始まります。
『……レイの事友達としか見れなくなった。そんな自分も嫌なんだ。』
『……そう。あなたがそれを望むなら私は受け入れましょう。さようなら。』
……そんな、簡単なメールで私達は終わった。
理解出来なかった。何故、彼が私を選んだのか。アイツはクラスのお調子者で、私は一匹狼のメンバーを二、三人集めてたむろってる成績重視のグループだ。それなりに楽しい毎日が続いていたのに。全てが崩れた。
時間は遡る。高校に入学して二ヶ月。体育祭直前の六月初頭に、部活をサボっていた私へ話しかけて来た一人の男がいた。
「……メルアド交換して!」
コイツには全く興味が無かった。でも、そんな風に断るほど私は冷たくない。
「……いいけど。」
にっこり笑って、私はメルアドを交換した。