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6.胎動に感動&育休もらえない、ですと!

 互いの実家から、少々距離のあるところに住んでいた私たち夫婦。

 子どもが生まれたら引っ越しするのは難しくなりそうだし、将来を考えて親の近くに住もう!

 ……ということで、引っ越しを決意しました。


 幸いなことに私は派遣看護師なので、派遣先が見つかれば、どの場所でも働くことができます。


 夫の職場、お互いの家への距離を考えて引っ越す場所を決め、引っ越しました。



 ただ、繁忙期ということでめっちゃ足元見られた!!

 最初の見積もり50万円!!!!

 ほぼ同じ荷物量で引っ越したけど、前は10万円台でやってくれてたぞ。

 いくらなんでも高すぎる!


 と、いうわけで、他の業者さんにも見積もりをもらい、最終的には20万円くらいでお願いできました。

 でも、引っ越し当日来てくれたお兄さんたち「1日4件回らなきゃいけない」と嘆いてまして。

 あまりにも可哀想で、ご飯代をプラスしてお支払いしました。


 さすがに4件はつらかっただろうなぁ……



 そんな引っ越しでごたつく日の前日にはじめて胎動がありました。

 腸の中のガスが動いてるのかなと思っていたのですが、それにしては頻繁で。

 ようやく胎動だと自覚できた感じです。

 ずっと、うんともすんとも言わなかったお腹が動いて、安心しましたし「ここで生きているんだなぁ」と、ガスと勘違いしていたくせに感動してしまいました。



 そして、派遣看護師のエージェントさん。

 「妊婦さんでも働いている方はたくさんいますし、引っ越し先の職場は自分が探してきます! 継続して仕事も可能ですよ」と言ってくれていたのに、いただいた電話は……


「雇ってくれる先がありませんでした」


 なんですとーっ!!


 「育児給付金と育休ってどうなります……?」と、恐る恐る聞いたところ「継続しての雇用契約ができないので、取得不可になります」と。


 なんかもう、一気に力が抜けてしまいました。



 探すから平気と言ってたじゃんよ~。

 こっちはゆったり子育てしたいから、もし今後妊娠したら育休欲しいんですと、一年前から相談してたじゃないかよう。

 こうなるんなら引っ越し時期ずらして、これまでの職場で次の職場が見つかるまで働かせていただくのも検討したのに……と。


 ずっと育児休暇がとれるように継続勤務を目指してきたのに、たった一本の電話でこんなにも簡単に、育児給付金のもらえない専業主婦に。



 「育休はとれないですが、仕事を探し続けることはできますよ」と言われたけど、もう関わるのがつらくなって「大丈夫です、今までありがとうございました」と告げて派遣会社とさよならしました。


 そして、また泣くという。

 悔しさと悲しさと、赤ちゃんへの申し訳なさと、自分の詰めの甘さのアホさ加減とで、涙が止まらなかったです。


 働きたいのに働く先がない。

 これがこんなにも悲しいことなんだとは。


 それにどのみち、以前の職場にい続けたところでリミットはすぐにやって来ます。

 暴力のある方もいますし、狭いお宅へ行くこともあるので、お腹が大きくなっては役に立てない。


 デスクワークであれば、ギリギリまで働くことはできたでしょうが、看護師という仕事の特性上それは難しかったです。

 この時ばかりは、この仕事を選んだ自分を激しく後悔しました。

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