5.つわりがはじまる
その日は突然やって来ました。
なんかムカムカするぞ、と思ったのがつわりのはじまりです。
例えて言うなら、軽い船酔いや車酔いが近いです。
吐きたくて仕方ないというより、なんとなくもたれてムカついて、スッキリしない。
そんな感じですね。
それでも幸いなことに、私のつわりはめちゃめちゃ軽かった!
何せ一度も戻さずにすんだし、電車も車も普通に乗れました。
ただ、サラリーマンの脂っぽい臭いや、車の中で漂うお弁当の香りはしんどかったけども……
つわりと言えば、ご飯が炊ける匂いに「うっ……」となるシーンが印象的ですが、それもなく。
普通にカレーとか牛丼とか、おいしく食べてました。
だけども、唯一ダメだったにおいがありまして。
それは……冷蔵庫のにおい!
いまでは全然感じないのですか、あのときはもう本当に臭くて臭くて仕方なかったです。
というか「においがすごい」っていうレベルじゃなかったようにすら思います。
むしろ毒物的。
鼻に冷蔵庫の風が飛び込んできた瞬間に、ムカムカ度が急上昇して「うぇぇ……」と、なるんですもん。
辛かったけど、ダメだったのが冷蔵庫臭で本当によかった……
開けるときだけ、息止めてりゃどうにかなりますから。
こまめに明け閉めするのは面倒でしたが。
あとは、妊娠中偏食があるパターンも多いらしいですね。
私の母はあんことガリ、義理の母はケーキ、と甘いものを好む率が高かったので、私も甘いものかな~と思っていましたが、私が食べまくっていたのは、なんとご飯。
正確には、スーパーの助六寿司!
(いなり寿司とかっぱ巻き、かんぴょう巻き、サラダ巻きとガリが入ってるやつのこと)
なんでか知らないけど、めちゃめちゃ美味しかったんですよね~。
あの頃は、肉汁溢れるハンバーグや、繊細な味のケーキより、さらには結婚式で食べたフルコースよりも、助六寿司のほうが確実にウマイと思っていました。
栄養面を考慮して2日にいっぺんくらいにセーブしていましたが、毎日でも食べたいレベルでハマっていました。
2日にいっぺんの助六寿司が日々の楽しみになっていたとか、いま思うとヤバイ女です。
あと、食べ物といえば今度は飲み物!
吐かないとはいえ、軽いムカつきは続いているので、冬でめちゃくちゃ寒いのにジンジャエールを飲みまくっていました。
つわりにはジンジャエールがいいという民間療法を試していた感じですね。
実際どこまで効いてたのかはわかりませんが、リフレッシュはできましたし、一時的にスッキリできていたような気もします。
ただ、あまりにも飲みすぎたせいで、ずっと大好きだったジンジャエール……
いまでは一切飲みたくなくなりました。
ほどほどでやめときゃよかったと後悔です。