3.結局あの熱、なんだったんだろう
38.5℃出た翌朝は、わりとすっきり目覚めました。
熱を測ってみると、微熱。
体の痛みも寒気もひいています。
ただ、午後からぶり返す可能性もあるので、油断はできません。
調子がいいうちに、と、日曜の救急診療の病院に電話をかけてみました。
そうしたら「妊婦さんには簡単に薬を出せないし、妊娠自体もはっきりしていない状態だから、来てもらっても何もできないよ」的なことを言われ、月曜に産婦人科受診をするよう勧められました。
電話を切ってしょんぼり。
でも、そりゃそうだ。
向こうの言い分は当然のことだし、仕方ない。
産婦人科医は休みなんだろうし、担当医師は専門外なんだろうから。
けど「またあの熱が出てしまったら……」「本当にインフルエンザだったら」と、ものすごく心細かったです。
ただ、幸いなことにその夜の熱は、微熱程度。
寒気も関節痛もないままで、お腹が緩いのだけ続いていました。
ひょっとしたら、インフルエンザじゃないかもという希望が見えてきて、少し安心したのを覚えています。
夜が明けて、月曜日。
近所の産婦人科専門病院に行くことに。
事前に電話を入れ、高熱が出ていたことと下していることを伝えます。
万が一、うつるたぐいの病気だった場合、他の妊婦さんにうつすわけにはいかないので、直接病院に行くのはNGなんです。
すると、時間と集合場所を指定されまして、裏口から入り、ベッドのある小部屋に隔離されました。
椅子に座らなくていいし、横になっていられるから、めちゃめちゃありがたかったです。
問診を受けたり、念のためにインフルエンザチェックを受けたりしまして、いざ医師の前へ。
はじめてのエコーでは、早すぎて黒い影の胎のうしかうつっておらず、住人さんは見えなかったと思います。
ただ、妊娠がちゃんとわかって本当に嬉しかった!
そして検査の結果、インフルエンザではなくて、発熱の原因も不明のまま。
先生からは「一日だけだったし、赤ちゃんに影響はないと思いますよ」と、心強いお言葉をいただきました。
下していて栄養をちゃんとあげられているかも心配……というのも伝えたところ、先生は愉しそうに笑っていました。
「言葉は悪いけど、赤ちゃんは寄生虫みたいなもんで、必要な栄養は容赦なくとっていくから平気平気!」と。
「よりによって、寄生虫かい!」と苦笑いでしたが、おかげさまで心配事が吹っ飛びました。
整腸のための乳酸菌のお薬をいただいて、次回の診察日を決めて、やっとウキウキ気分に戻ることができたのでした。