200字しばり 腐敗したテグス 作者: 水岡きよみ 掲載日:2018/02/24 好きじゃなくなったから。 そう言って、たった半年で私を捨てた。 受話器ごしに人が死んだと告げられる瞬間のようだった。 ネオンと赤煉瓦の織りなす夜景で充分酔えるのに、未熟な私に酒(ワイン)を勧めた。 40キロの赤い糸は、真夜中の電話で結ばれ、ロッカー並ぶ狭い密室でほどけた。 遊び半分のはずが、弄ばれていたのは私の方だった。 今やすれ違っても睨み合うだけで微笑みさえ交わらない。 私だってもう、好きじゃなくなったよ。