第3章 世界の色とはなんなのか?
どうも最近忙しくだいぶ遅れてしまいまして申し訳ない。待っていてくれはファンは少ないと信じてやっております笑
ということで3章です。
いや昴くんがギャグな回だと思います。新ヒロインも登場しこれでようやくみんな出てきたなーって感じです。
それと友人からルビ振りのやり方を教えていただきこの章から使わせてもらっています。その他読みにくい字などがありましたらコメントお願いします。
3章
俺のクラスの転校生間宮結衣によってモノクロだった俺の世界が色づき始めて早3日、今日を乗り切れば土曜日曜と2連休学生にとっては嬉しい金曜日
俺は目覚ましよりも早く目が覚めてしまった。見れば起床予定時刻5分前このまま起きてしまおう。
「ふぁぁぁ〜」
欠伸を噛み殺しながら俺は階段を降りキッチンへ向かう。誰もいない。父親は東北へ単身赴任中、母親、姉、妹は未だ夢の中である。我が家では交代制で家事を行なっている。今日は俺が食事当番。
「さて、何作ろうか…」
俺は冷蔵庫を開け中にある食品とにらめっこを始める。
どのみち弁当も作らないといけないのでとりあえずは卵焼きから作り始める。
その傍でフライパンへ油を入れ片栗粉をまぶした鳥肉を揚げる
朝食を作りながら考えるのは間宮さんのことである。
彼女とあった瞬間飽き飽きとしていて、乾ききっていて、モノクロだった俺の世界が色づいたのである。転校初日以来ほとんど話していないが彼女を見ると彼女の周りがキラキラと輝きながら色づいているのである。これは一体なんなのか…
俺はそんなことを考えながら朝食作りを再開する
「はよー」
「おはよー」
朝食を作っていると母親と姉が起きてきた。
「もうすぐできるから待ってて」
「いや、パン黒焦げになってるけど」
「え!?」
母親に言われオーブントースターを見ると中のパンは見事に真っ黒だった。どうやら考え事をしながら作っていたためトースターの設定時間を間違えたようだ…
「ごめんなさい…」
見事にトースターに入っていた食パンはお釈迦である。
「いや、別にいいけど郁也にしては珍しいね」
どうやら母親はそれほど怒っていないようではあった。
「もしかして恋とか?」
そこで会話に入ってきた姉が突拍子も無いことを言ったせいで俺はつい慌ててしまい食器棚の角に足の小指をぶつけてしまった
「つっっっ!」
その痛みに会えにならない声をあげる。
「なに!本当にそうなの?」
そこで母親も悪ノリし始める。
俺はこのままではまずいと思い声をあげる。
「パンの件は悪かった、あと盛り付けと新しいパン焼くのよろしく、弁当も自分の分は自分でつめてね!かおり起こして来るから!」
俺は残りの仕事を全て母親と姉に任せてそそくさと部屋を出て行った。
俺が恋?まさか間宮さんに?本当に?そんなことを考えながら俺はかおりの部屋へと向かう。
「起きろ〜朝だぞ〜」
俺はいつものように勢いよくドアを開けかおりの部屋へ入ろうとした瞬間に自分の目を疑った。そこには下着姿の妹がいた。
「あ…」
俺はその場で立ち止まり下着姿の妹を凝視する。
白くきめ細やかな肌、細く伸びた手足、胸は全くと言ってほどないがそれさえも美しく見えてしまう。
「見るなー!!!!」
妹は顔を真っ赤にして俺に枕を投げつける。その投げられた枕は見事に俺の顔面に命中したのであった。
場面は変わり水野家の朝食タイム
「「あはははははは」」
母親と姉は大声を上げて笑っている、対する妹は不機嫌そんな顔をし、俺は枕を投げつけられた顔を抑えていた。
「ほんと、ノックぐらいしてよね」
妹は以前不機嫌そうにそう言った。
「お前この13年間自分で起きたことなんてなかっただろ!遠足でも修学旅行でも毎日俺が起こしてきたんだろうが!!」
俺の怒りも当然である。こいつはいついかなる時も自分で起きたことがないのである。だから俺は先のようにいつもノックをしないで部屋に入りかおりを起こしていたのである。それがなんで今日に限って…
「たまたま目が覚めたの」
「だからって枕ぶん投げることないだろ!」
「妹の下着姿見て発情してたくせに」
「妹で発情してたら問題だろ!」
俺とかおりがそんな言い合いをしていると母親が声をあげた
「そうよかおり、お兄ちゃんは好きな人がいるみたいだし」
なんという爆弾発言
「え…ほんとに?」
かおりはものすごく驚いているようだ。当然である。
「ちげーよ!」
俺は慌てて異議を申し立てる。
「もしかして転校生の人?」
そこでかおりはズバリと言った具合で間宮さんの名前を出す。
「だから違うって……いいや、俺先に学校行くぞ」
俺はもうめんどく臭くなりそそくさと朝食を食べ終えカバンを持ち学校へ向かう。
「あーごめんって下着見られたことは水に流すから一緒にいこーよ」
かおりも朝食を食べ終え俺に続く
「いってらっしゃ〜い」
「いってきます」
所変わってここは学校
「朝から疲れた顔してるな」
昴は俺の席までやってきてそういった
「そりゃそうさ、朝飯を作ってる時俺に好きな人がいる疑惑が出てきて、挙句妹の下着姿を見て枕ぶん投げられるわ、疲れない方がおかしい」
俺は今日の朝の顛末を大まかに昴に話していた。
「さらに、これだ!」
俺はスクールバッグをひっくり返して中身を机に広げる。
「筆箱、教科書、財布…あれ?弁当は?」
昴は俺の意図を理解したかのように俺のカバンの中身を確認しあるものがないことに気づいた。
「忘れた…」
そう朝の騒動のせいで弁当を忘れてしまったのだ。
「仕方ないから学食行くよ」
俺が学校でどうしても行きたくない場所ランキング堂々1位の学食にこんな形で行くことになろうとは…
なぜ俺が学食に行きたくないかの理由は後でいうとして…
「ちょうどよかった、俺も今日親が寝坊して弁当作り忘れたから学食に行こうとしてたんだ」
どうやら神は俺に味方したらしい
「俺も1人で学食行く気にはならないし」
どうやら考えてることは同じようだ
キーコーンカーンカーン
4限の終わりを告げる鐘が鳴り響く
俺と昴はチャイムと同時に教室から出て学食へ向かう。
「あれ?お前らも今日学食?」
そこで声をかけてきたのは4限のチャイムを目覚まし時計がわりに使っている小鳥遊悠人である。
「そういえばお前はいつも学食だったっけ?」
昴が悠人に尋ねる
「ああ、俺の親共働きだし」
俺の周りの人は片親だったり、共働きだったりと忙しいなと改めて思う。
「自分で作るって選択は?」
「ない。」
俺は帰ってくる答えなどわかっているのに悠人にそう聞いてしまう。
「そんなこといいからさっさと行こうぜ」
昴がそう声をかけると俺たちは3人で学食へ向かう。
「今日はエレナ様来てるかな」
学食へ向かう途中悠人がいきなりそんなことを言った。俺と昴はともに微妙な顔になる。これが俺たちが学食へ行きたくない理由である。
「なんでそんな顔になってるんだ2人とも」
そういえばこいつは知らないんだったっけか
学食へ着くとそこにいたのは金髪碧眼、髪の毛の先は軽くウェーブがかかっており美人で可愛いという表現がとても似合いいかにもお嬢様然とした超美少女滝本エレナがいた。いや、この表現は間違っているエレナは本物のお嬢様である。父親はイギリス人の外交官で母親は有名企業の社長のハーフの
「あ、郁也くんと昴くんではないですか」
「こんにちはエレナ」
俺はまず挨拶を返す。
「どうも滝本さん」
昴も同じような感じだ。
「そんなにかしこまらないで、2人にはくつろいで過ごしてもらいたいのだから」
おっとまだ説明していなかったな、なぜ俺がいや、俺たちが学食を避けるのかを…
俺たちはエレナに気に入られているのである。え?それだけ?と思ったそこのやつ、学校で一番人気といっても過言ではない女子に気に入られているということはどういうことかわかっているのか?学校中の男子から睨まれるということである。特にここ学食はエレナのテリトリーでありそれが顕著なのである。
「そうだ、せっかくですし今日は一緒に食事しませんか?」
エレナの提案に俺たちは返答を迷ってしまう。ここでNOといえばこの殺意はさらに高まりOKしたところでそれは大して変わりのないことなのだ。ここで帰るといえばとても部活が終わるまで空腹を我慢できる気がしない。三択ヒデー…
「いいよ」
迷った挙句俺は一緒に食べることにした。案の定殺意は増したが断って泣かれたりしたらそれこそ学校生活とお別れをしなければならなくなる。
「俺もだ」
どうやら昴も同じ考えのようだった。
「なら俺も…」
一緒に対応とした瞬間に周りの生徒たちの殺意が一気に俺たち、正確には悠人に向いた
「いえ、なんでもないです……」
完全に萎縮してしまっている。
俺たちはそんな悠人をよそに学食の奥の席、正確にはラウンジと呼ばれる学食の中でもとりわけおしゃれな植物などに囲まれているところに案内された。ここは学校トップカーストの上位組がよく使っている。俺たちのような最低位に属している生徒には縁のないところだ。
「何を食べます。」
どうやらラウンジエリアは注文すると食べ物を運んで来てくれるというシステムらしい。
「俺はオムライス」
こいつは変わらないなーと昴を見る。
「俺は〜チキンタツタ定食で」
俺たちが注文を終えると10分とせずに食事が運ばれて来た。
ちなみに俺がチキンタツタ定食、昴はオムライス、エレナはローストビーフとパンを食べている。俺は場違い感を感じていた。
「そういえば2人のクラスに転校生が来たんですよね」
どうやら間宮さんのことは他のクラスにも知れ渡っているようだった。前に凛が言ってたっけな、女の子は噂好きだと、そうでなくても転校生などの話題は広がるものなのだろうが。
「ああ、間宮さんのこと?」
そんなのことを考えながら俺はエレナに対して返答する。
「いや、うちのクラスの須藤さんが仲がいいらしくて私もお友達になりたいなーと思いまして。」
情報源は須藤さんかそういえば2人は同じクラスで割と仲がいいときく、なぜだかわからないがというのもタイプが全然違うのだ。あ、詳しくは2章を読んでくれ。
「どんな人なんですか?」
それは須藤さんから聞いてないのかと思いつつも俺は答える。
「本好きで、見た目は美少女って感じの大人しそうな子だけど割と活発っぽさがあるかな」
俺はここ2、3日で観察した間宮さんについてを話す。
「相変わらず気持ち悪いほど観察してるな」
「よく見てるんですね、もしかして好きなんですか?」
ここまで2人の反応が違うと傷つくな
「てか、そんなに仲良くなりたいなら須藤さんに紹介して貰えばいいじゃないか」
「そうしたいのも山々なんですけど須藤さん間宮さんが転校して来た次の日から風邪をひいて学校をお休みしてるんです。」
そうだったのか、確かに図書室に行ってもいないと思っていたが。
「と、いうことで郁也くんに紹介をして欲しいのですが」
時間は経って今は放課後、1人で教室にいた。
俺は昼休みエレナに言われたことについて考えていた。とりあえずは頑張ってみると答えたものの正直言って話しかける気が起きない。なぜか意識をしてしまう。これが恋なのだろうか…そんなことを考える
「考えても仕方ない部活行くか」
俺はそんな言葉を1人で発し体育館へと向かう。今日は珍しく剣道部が体育館を使っていい日である。
「なんで?」
体育館へ着き部室で着替えを終えて防具など剣道具一式を持ち体育館のフロアで俺はそう言ってしまう。なんとそこには間宮さんがいたのである。
「やっときたか」
昴はすでに着替えを終え部員が揃うのを待っていたと言わんばかりである。
「そんなことより!なんで間宮さんがいるんだよ!」
おそらく部長である昴の立場からすれば俺と逆のことを思っているだろうが俺はついそう尋ねてしまった。
「あーなんかこの間一緒に帰ったに羽島たちと仲良くなったみたいで今日はたまたま暇だったから遊びに来たらしい。」
どうやらそういうわけらしい。
待てよ、このタイミングなら自然に間宮さんを誘い出せるのでは?言い方悪いな俺…
自分の語彙力に絶望しつつ俺はそう閃いた。
「例の件だろ?俺も協力するから」
そういうと昴は1、2年に他の部員が来るまでテキトーに素振りやストレッチをしているよう伝える
手際も察しもいい。我ながら優秀な友人を持ったと思う。
「羽島お前も準備してろ」
わかりましたと昴に挨拶をし部員たちの方へ向かう。
「あのー間宮さんちょっといいかな?」
俺がそう間宮さんに聞くと少し不思議な顔をしながらも怪しいことではないと判断してくれたらしく快くなにかな?と聞き返してくれた。
「エレ…3組の滝本さんって知ってる?」
「ううんまったく」
そりゃそうだ。まだ転校して来て3日程度なのだから知らなくて当然だ。
「俺とこいつ(昴)と須藤さんの友達なんだけどどうやら間宮さんに興味があるらしくて」
俺は一応知っているかどうかの確認だけして話を進める。
「水野くんたちの友達??」
間宮さんはわけがわからないと言った感じでいかにも困った顔をしている。
「そうなんだ、今日たまたま学食であってその時に紹介してくれないかと言われたな。須藤のやつはここ最近学校来てないみたいで」
ここで説明に昴も加わってくる。
「なるほどね、そういえば私も転校初日以外会ってない気がする。」
間宮さんはこの学校での短い記憶を辿る。
「間宮さんが転校して来た次の日から休んでるみたいなんだ」
「そうなの?なんか心配だね」
「いや、ただの風邪らしいよ」
俺は昼休みエレナから得た情報を間宮さんに伝えてあげる。
「そうなんだよかった」
この時彼女の表情が少し曇ったことを俺は気づいてあげられなかった。
「で、話を戻すけど、どうする?どうしても嫌なら断っておくけど」
俺は脱線してしまった話を元に戻す、
「いやせっかく友達ができる機会だし明日会ってみるよ、どこに行けばいいかな?」
どうやらそんなに悪い気はしていないようだ。
「明日の昼休みに学食に行けば会えると思うけどさすがにぶっつけ本番に1人であそこに行くのはキツイか…」
最近行ってなかったから知らなかったがエレナの人気は新入生からも高いらしくまだ5月の半ばだというのに1年生にも何人か信者がいるそうだ。
「また俺たちが行くしかないか」
俺はため息を吐くようにそう言う。
「え?なに?そんなに学食って危険なところなの?」
転校生の間宮さんにはうちの学食の恐ろしさがわかっていなくて当然だ。
「ま、幸いにも今日は金曜日だし土日の間になんか考えようぜ」
昴にそう励まされそれもそうかと納得する。
「そろそろ練習始めるか」
俺たちは話をひと段落させたところで部活を始める。
「間宮さんどうする?このまま見てく?」
「そうだねせっかくだし」
その日俺が部活内にて無双剣士キ◯トと呼ばれたことはまた別の話である。
「終わった終わった〜」
俺は部活を終え昴とともに帰途についていた。
「お前マジで今日どうしたんだよ?強いのは知ってたけどいつもやる気なさそうにやってただろ?」
こいつ失礼なやつだな。
「別にたまたまだよ」
「間宮さんだろ?」
「ファ?そ、そんなわけないだろ!」
いきなり昴が突拍子も無いことを言うのでつい声が裏返ってしまった。
「うわ、マジなのか?」
「ちげーよばーか」
そんな年相応のやりとりをしていると
「じゃ〜すばるんは好きな人いないのかな〜?」
女性としては低めでそれでいて少し眠たげな声が聞こえた。その声の主は俺の姉、水野咲紀である。なぜここにいるのか?通学路は別方向のはずだが…
「あれ?姉貴なんでここに?」
「いや〜今日委員会の仕事早く終わったからこっちにくれば2人に会えるんじゃ無いかな〜と思ってね〜」
なるほどな、合点がいった。
「どうも咲紀さん」
ここでようやく昴も会話に加わることができた。
「また敬語?別にいいのにな〜」
姉貴は最近昴が自分に対して敬語を使うことをあまり気に入っていないのである。その理由はおそらく俺しか知らないだろう。
「別にいいじゃ無いですか」
「なら敬語じゃなくてもいいじゃない」
そんないつものやりとりをしつつも姉は話を強引に戻す
「で、すばるんは好きな人いないの?」
まったく強引な姉であるといつも思う。
「いないですよ、だいたい俺に彼女なんてできるわけないじゃ無いですか」
こいつ鏡見たことあるのか?とそうツッコミたくなるが必死に抑える。
「そうかなすばるん結構見た目はいけてると思うけどな〜なんなら私と付き合っちゃう?」
「ふぇ?ななななにいってるんですか?」
あからさまに動揺している昴、見ていて割と楽しい
「冗談だよ〜なに〜?本気にしてくれた?」
この人わかってやってるんじゃないかと時々思う。
「で、ですよね〜嫌だなまったく」
ちっ、もっと続けて欲しかったぜ。
「ところで郁也さっきからやけに楽しそうだなオイ」
やべ!バレた。そう思った時にはもう遅かった。昴の手と足が俺に絡みつき絞め技に移行していく。
「ギャャャャアアアアアギブギブギブ!!悪かったよ!!助けてくれ!!!!」
ようやく離してくれた。死ぬかと思った。
「お前本気でやりすぎだろ…ハァハァハァ…」
俺は昴の絞め技から逃れてもいまだに息が切れていた。こいつ本気で落とそうとしてただろ
「いや〜郁也くんが実に楽しそうだったものだからさ〜ついつい僕もテンション上がっちゃってさ」
こんな悪魔みたいな顔してるやつが言うセリフじゃない思ったがそれを言うと本気で落とされそうなのでやめておこう。
やがて昴と別れる曲がり角はたどり着く。
「明日の部活は9時からだからな遅刻すんなよ」
昴は別れ際にそういって自宅の方へ歩いていった。照れ隠しかな昴くん?
結局俺のこの想いがなんなのかそれは不明である。しかしこんなことをやっていた日常が果たして色あせていたのかも今では分からない。もしかしたら俺の気のせいだったのか…このときの俺はそう考えるしかなかったのである。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
みなさんお気づきでしょうか?郁也くんのお姉さんの呼び方が統一されていないことを…すいませんお恥ずかしながら忘れてしまっていました。
これからは統一していきたいと思います。
いかがでしたでしょうか?感想、批判、意見などはコメントにてお願いしたします。
駄文ではありますがこれからも続けていこうと思っておりますので宜しくお願い致します。
次回は10月の頭くらいの投稿になると思います。