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第2章 転校生とお散歩と

おはこんばんにちはクロハです!


2週間後と言いながら3週間過ぎてしまい申し訳無い…

カラフルメーカー2話目の投稿です!

相変わらず駄文ではありますが読んでいただければ幸いです。


感想、批判、意見大募集!

第2章


俺の世界に色が付く…


俺のモノクロだった世界の中で彼女は唯一無二色付いていたのだ…


「よーし、まずは軽く自己紹介してもらおうか」

担任である秋山先生から自己紹介を促された転校生はおもむろに口を開く


「山代中学からきました、間宮結衣です。」

山代中学というとここから県を3つほどまたいだところにある国公立としてはかなり有名な学校だ。


彼女は続けて言う

「趣味は読書で特に夏目漱石が好きです」

なるほど俺も読書が好きとはいえこちらの趣味としては合わなさそうだ。

クラスの連中からは「かわいい」「萌え」「俺はロングにしか興味ない」「蕩れ」など一部突っ込みたくなるコメントを含め転校生に対する感想が口々に聞こえてくる。それについてはあえてツッコミを入れないようにした、いや、正確にはできなかったのである。

モノクロだった俺の世界で彼女のみが色付いて見えているのだ。先生、黒板、クラスの面々はいつもと変わらないのに彼女だけが輝いて見えるのだ。


この感情は一体…?


「席はー水野の後ろでいいな」

そんなことを考えてるうちにどうやら転校生の先が決定したらしい。え?俺の後ろ!?

テクテクと俺の方へ歩いてきてそのまま指定された席に腰をかける。

「よろしくね」

そう言って前にある俺に声をかけてきた。

俺はどうしようかと考えた挙句

「こちらこそ、わからないことがあったらなんでも聞いてね」

なんとも当たり障りのないことを言ってしまった。


こうしてみるとキレイだな

きめ細かい肌、短くも整えられた髪、少しいい匂いもする。ばか!俺は変態か!


キーンコーンカーンコーン

そこでようやく朝のHRは終わりを告げた

「じゃ、転校生とは仲良くするように」

秋山先生がそう言って教室から出るのと同時に20人くらいの生徒がいきなり転校生の方に飛んできた、男女関係なくである。

「夏目漱石私も好きなの!」「電話番号教えて」「今日どこか遊びに行かない?」など完全に浮き足立ってある。

俺はといえば自分の席を追いやられ昴の席へときていた。

「すげー人気だな」

転校生なのだから当たり前である。

そんなやりとりをしてあるうちにあっという間に時は過ぎもう昼休みである。


「じゃー各自昼休みにしてくれ」

昼のHRが終わり弁当を食べ出すもの、食堂へ向かうものなど各自昼休みをとっていた。

「おーい、郁也、昴〜ちょっといいか?」

俺と昴が弁当を食べていると秋山先生が俺たちの方はやってきた。

「なんすか?」

昴は不機嫌に答える。

「今日部活ないだろ?だから間宮に学校を案内してやってくれ」

「「えー」」

見事に俺たちの声はハマってしまった。

その様子を見てケラケラと笑いながら秋山先生は続ける。

「帰ったってすることないだろ?」

受験生に言っていいのかそれ?と俺は内心思ったが、確かに帰ってもアニメを見るか筋トレくらいしかやることがないのは事実である。どうするか、食事当番とか適当なこと言って誤魔化すか?

「あのー俺食じ」

「お前今日食事当番じゃないってさっき妹ちゃんが言ってたぞ!」

先に手を回されていたか!

「まだまだツメが甘いねー」

真ゲス顔で俺の方を見てきた。

生徒に対してこんな顔をしたい今だろうか?いやいつもこんな顔だった希ガス…

「あのー俺は今日美化委員の仕事があるので…」

ここで昴が話に割って入ってきた。

「なら仕方ないなー」

ちょっと待て!昴に甘過ぎないかこの先生!贔屓か!

「悪いな郁也」

どうやら本当のことらしいのでここは俺が黙って従うのが良策らしい。

「わかりましたよ、やりますよ」

「ありがとな」

「任せたぞ!」

2人から謎のエール?を貰い受け俺は間宮さんの席に行く


とはいかなかったのである…

転校生の噂は他クラス、他学年にも知れ渡りまさに烏合の衆と呼ぶにふさわしい多くの人たちが俺のクラスはやってきたのだ


そしてようやく放課後ほとぼりは冷めた頃


「間宮さんちょっといいかな?」

俺はようやく間宮さんに話しかけることができたのだ。

「何かなぁ、えっとー」

おそらくまだ名前を覚えられていないのだろう

「水野だよ、水野郁也」

「ごめんね、まだ全然名前覚えられてなくて」

「仕方ないさ、転校初日であんなに囲まれてたら」

「で、用って何かな?」

俺はようやく本題を話せることとなったのである。

「先生が学校を案内するように頼まれたんだけど…」

俺は秋山先生からの頼まれごとについて話を始めた

「え?水野くんが?」

彼女の疑問ももっともだろう。いきなり転校してきた学校の異性の生徒から学校案内を持ちかけられ、それが美人の担任教師によるものだったからだ

「あの!嫌ならいいんだけど…」

俺はその態度を見て尻込みをしてします

「いや、そうじゃなくて…なんで水野くんなのかなって…」

「俺、剣道部で秋山先生が剣道の顧問なんだ。しかも俺とすば…佐山ってやつの師匠の娘さんなんだよ秋山先生」

「なるほどね」

ようやくわかってもらえたようだ

「ならお願いしちゃおうかな」

その後正式に依頼を受けた。


そしてまたその時あの時と同じ感覚に見舞われる


その時の彼女の笑顔は最高の色だった


しかし、何故そうなるのかこの時の俺はわかっていなかった。愚かしい話である


「じゃー行こうか」

そのことを忘れるかのごとく手を差し出す

「うん」


「まず行きたいところとかある?」

俺は廊下を歩きながら間宮さんに問うてみる

「図書室に行きたい!」

なんとなく予想はしていた。

「図書室ならこっちだよ」

俺は慣れた足取りで図書室に向かう

なんだか気まずいな、何か話さないと…

「俺図書委員なんだよ」

「え!そうなの?」

どうやら意外だったようだ

「意外だったかな?」

俺はついそう返してしまう。

「見た目からして帰宅部で保健委員あたりかと」

俺に対する評価は散々だった…

「これでも剣道では県大会とかでれてるんだけど…」

そう、俺の剣道部は全国でもそこそこの強豪であり、去年は団体戦で全国大会にも参加しているのである。

「そうなの!ごめんね私全然知らなくて…」

「別にいいさ、確かにこんな見た目だしね」

自分のことを否定するかのようにそう言ってしまった

「そんなことないよ、かっこいいよ」

「え!!」

いきなりそんなこと言われて素っ頓狂な声を出してしまった。

「え!あの…」

彼女も勢いで言ってしまっただけらしい。

「でも!かっこいいよ」

さすがに2回も言われると照れ臭い

「えっと、そうなんだよ大したことないのによく告白とかされるし本当に女心ってわからないよね」

俺はお茶を濁すようにそんなことを言ってしまった。

「そんなことないよ、顔だって整ってるし、私になんだかんだ付き合ってくれてるし」

そんなことないと思うが…

「だとしたら佐山くんのせいじゃない?」

いきなり昴の名前を間宮さんが出したことに驚いた

「どうして?」

当然俺はそこで疑問を持ちかけた。

「だって、あの人クラスで一番のイケメンっぽいし、同じ剣道部なんでしょ?強いなら人気も多いんじゃないかと思ってね」

その通りだった

「まさにその通りだ」

「やっぱりね、人間観察は得意なの」

明るく彼女は笑ってみせる。

「やっぱり他人と比較しちゃうよなぁ」

あんなイケメンが近くにいたら男なら誰だってそうだろう。

「でも、あなたにはあなたにしかない魅力があるよ、きっとね!」

「そうだといいな」

「あ、そこが図書室だよ」

そこで図書室へ到着する。

「やぁ、水野くんか、うん?そちらは?」

ちょうど廊下で司書である山崎さんと会った

「俺のクラスの転校生の間宮さんですよ、間宮さんこちらはこの学校の図書室の司書の山崎さん」

俺は互いにわからないだろうと思い軽く名前を教えてあげた

「間宮結衣です。夏目漱石が好きです。

「山崎です、私は太宰派かな」

お互いに本が好きという点で通じ合ったのか談笑を始める。

「どうする?中見ていく?」

俺は話がひと段落ついたところを見て間宮さんに声をかける。

「せっかくだしそうさせてもらうわ」

帰ってくる答えはさも当然だというようなものだった。

「気をつけてね、文学部きてるから」

「え!マジっすか?」

俺の天敵とも言える人の名前を山崎さんは教えてくれた。俺の天敵とは文学部の須藤恵である。

俺がなぜこの少女を嫌いなのかというと俺の好きな本を全て否定するからである。ライトノベルだけならまだ社会の偏見もあり百歩譲っていいと思うがその他に俺の好きな海外の書籍を否定しているのだ。

「グロい」「心が汚い」などと言ったバッシングをしてくるのである。(こいつ海外の書籍が好きなのに英語できないのかよという意見は素直に受け取っておこう。)

何はともあれこいつとは絶対に相容れないということは理解していただけただろう。


「水野くんどうする?」

ここで俺のこんな気持ちを察してくれたのか間宮さんは俺のことを心配してくれているようだ。

「大丈夫だよ、行こうか」

ガラガラと図書室の扉を引き中に入ると窓際の長机の端に陣取って原稿用紙にパンを走らせる女の子が一人いた。

メガネをかけ、ポニーテールでかなり顔が整っていて美人の部類に入るであろう凜とした顔である。将来は大和撫子などと言われるのではないかと思うほどである。

「あら?水野くん?」

俺たちが近づくのに気づいたのかこちらに注意が向く。

「どうも」

「どうもこんたちは」

俺と須藤さんはまさに一触即発というにふさわしく顔を見合わせている。

「それ!夏目漱石の前期三部作!!!」

そこで声をあげたのは…

「いきなりごめんなさい…私もそれ好きだったから…」

間宮さんである。

「へぇー中学生でこの本の魅力に気付く人が他にあるなんて光栄よ」

どうやら自分の作品が肯定されたのが嬉しかったのか心なしか声が上機嫌に聞こえる。

「文芸ならやっぱり日本文学よねー、ところであなたは?見たことない顔だけど…」

「うちのクラスの転校生だよ、噂で聞いてないか?」

そこで俺が答えると

「そういえばクラスの子達が何か言ってたような…」

記憶を辿るような仕草をして少し考え込む

「よかったら少しお話ししない?同世代でこんなお話できる子がいなくて…」

間宮さんは須藤さんに話しかける

「もちろん!」

どうやら転校生の噂についてはどうでもよくなったらしく間宮さんの提案を快く受け入れた

2人はガールズトーク?を始めたようで俺はその間暇だったので、当番でもないのに本の整理などをしていた。

20分くらいたってようやくひと段落したらしく間宮さんが俺の方へやって来る。

「話終わったよ」

「次はどこ行こうか?」

「水野くんの友達に会ってみたいな」

一瞬ドキッとしてしまった

「いいけど、なんで?」

当然の疑問だろう。今日転校してきた子がいきなり俺の友達に会いたいと言い出したのだ。

「恵ちゃんも面白かったし他のお友達にも会ってみたいなーっておもって」

俺は別にあいつは友人というわけではないと否定したかったがあえて言うことでもないと思いスルーした

「ならとりあえず陸上部行くか」

「え?なんで陸上部?」

「俺の幼馴染の女の子がいるんだよ、やっぱり最初は同性のほうが親しみやすいでしょ?」

「よろしくお願いします!」

予想以上の勢いでお願いされたものだから俺の方が驚いてしまった。

「とりあえずグラウンドに行こうか、こっちだよ」


グラウンドに着くと野球部やサッカー部が活動をしていた。その一角に陸上部は活動していた。

「おっす!」

後ろから急に背中を押されてバランスを崩す。こんなバカなことをする俺の知り合いは1人しかいない。

「何やってんだよ!凛!」

そう俺と昴のもう1人の幼馴染の伊角凛だ。

髪は男子と見間違えるほど短く、体つきもかなり貧相である。(本人曰くスレンダーだそうだが…)運動はものすごくできて、1年のころから陸上部のエースとして活躍しているのである。しかし勉強は壊滅的でありテスト前にはいつも苦労しているのである。

「いいじゃん、どうせ反応できるんだし〜」

そう、俺も負けず劣らず運動はできる方なので反応できてしまうため未だにこんなことをやってくるのである。

「そういうもんだいじゃないぞ」

「は〜い」

凛は少しも悪いとおもっていないらしい。

「いい加減にしろよ」

俺は両の手で拳を握り凛のこめかみをグリグリと押し込んだ。

「ギャアアアアアアアアアアア!!!!!!」

およそ女子と思えないような呻き声をあげる。

「ギャアアアアギブギブギブ!!!!!!」

観念したらしいのでグリグリをするのをやめる。毎回同じ下りをやるのでいい加減にやめて欲しいと切に願う。

「かわいい(←ここ重要)女子に向かってひどい!」

自分で可愛いとか言うのか?と内心思いつつ俺は

「なら最初のをやめればよかっただろうが」

俺はやれやれといったくちょうでそう告げる。

「あはははは」

俺と凛が言い合いをしていると間宮さんはケラケラと笑っていた。笑った顔超可愛い…じゃなくて!

「ごめんね水野くんと伊角さんだったっけ?」

どうやら俺がずっと名前で呼んでいるせいか苗字の方が曖昧になってしまったらしい。

「この人は?彼女?」

何を言い出すのかと思えば見当違いもいいところだ。

「俺のクラスの転校生の間宮さんだよ」

俺はさっきも須藤さんにしたのと同じ説明をした。

「あなたが噂の!」

しかしこっちは少しは事情通のようだ。

「間宮結衣です。水野くんとはお友達?なのかなよろしくね」

間宮さんは丁寧に挨拶をする。

「ゆいちゃんねよろしく!」

相変わらず辛いやつだと思いつつ俺は笑みを浮かべてしまった。

「いっくー何笑ってるの?」

ちなみにいっくーとは俺のあだ名である。

「別になんでもないよ、てかお前部活中だったんじゃ…」

このとき俺は凛の後ろに佇む黒い気配を読んでいた。

「どうした?妙に歯切れが悪いけど…ギャアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

そこで俺の陸上部のもう1人の友人の小鳥遊悠人が現れた。

顔も体格も勉強も運動も全て人並みで地味な同士俺とはかなり気があう男子友達である。

「悪いなうちの部員が」

悠人は顔色ひとつ変えず俺たちと話しながらも凛に対する制裁の手が止まることはなかった。俺はこの光景を見慣れていたが間宮さんは若干引いているようだ。

「別にいいさ」

「そうだろうなぁ、ところでそっちのかわい子ちゃんは誰だ?」

こいつ同じクラスなのに気づいてないのか?あーそうだったこいつは朝から放課後までほぼ全ての時間に机に突っ伏して寝てるんだった…

「うちのクラスの転校生だよ、自分のクラスのことくらい把握しとけよな」

「そうなのか!!」

めちゃくちゃ驚いているようだ。驚いたのはこっちだというのに…

「まぁ〜いいや、俺は小鳥遊悠人よろしくな!」

随分と軽いノリで挨拶をしている。凛を制裁しながら

「よ、よろしくね間宮結衣と申します…」

完全に引いている間宮さんからの挨拶があった。

「そんなにかしこまらなくてもいいよー」

べつにかしこまってるわけじゃなくお前を怖がっているだけだと言いたかった。制裁を受けた凛はというと…燃え尽きていた。

「俺の仲のいい人達はこの辺かな、須藤さんは違うけど」

そこだけは否定しておかねばと思い俺は少し強めにそう言った。

「そうなの?最初見たときは彼女かと…」

そんなわけないとツッコム前に凜と悠人が反応する。

「お前!彼女いたの!?」と悠人が

「彼女?かのじょ?カノジョ?」と謎の呪文を言い出す凛

「違うよ!俺彼女とかいないから!」

そこでようやく俺に弁明が許される。

「そうなの?ごめんなさい私てっきり…」

どうやら自分が見当違いのことを言ってしまったことを悔やんでいるようだ。

「別にいいけど…」

おれもまぁー仕方ないと思ってしまう。

「だよな!俺たちは彼女作らない同盟結んでるもんな!」

いきなり悠人が意味不明なとこというのでとりあえず脇腹にかかと回し蹴りを決める。

「そんなもん結んだおぼえねぇーよ!」

俺は勢いで悠人にそう告げる。

「すまんすまん」

脇腹をおさえながら悠人は謝罪を述べる。

「そうだよね!いっくーに彼女なんてできるわけないよね!」

間宮さんの爆弾発言のおかげで悠人の制裁を抜け出したが妙な呪文を言い出した凛はいつの間にかこちらに戻って来ていた。

「失礼なこと言うなと言いたいがその通りだ。」

くしくも俺にはこれといった長所もなく、かおがいいわけでもなし、勉強ができるわけでもなし、運動だけは多少できるがこれは長所と呼ぶようなことでもない。

「そんなことよりお前ら部活戻らなくていいのか?」

気づいていないかもしれないが俺と間宮さん、凛、悠人はもう10分以上も話してしまっている。

「今日は自主トレだから大丈夫だ、俺はいつものメニュー終わったし帰ろうとしてたところ」

悠人が丁寧に説明をしてくれた。どうやら心配はなさそうだ。

「じゃ私も帰ろうかな」

凛も同じ考えのようだった。

「なら校門で待ってるから一緒に帰ろうぜ」

俺は2人を一緒に帰ろうと誘う。

「いいねー」

「賛成!」

2人とも合意のようだ。

「間宮さんは?家どっち?」

俺はせっかくだから間宮さんも誘ってみた。

「私はホームセンターの方だよ」

どうやら途中までは一緒のようだ。

「途中まで一緒に帰ろうか」

「そうだね!よろしく」

快く承諾してくれた


ピロン

そこで俺のケータイが鳴った。そこには昴からのラインメッセージが届いていた。


『今委員会終わったんだけどまだ学校いる?』

どうやら考えることは皆同じようだ。

『いるよ、まさに今凜と悠人と間宮さんと一緒に帰ろうって話してたところ』

『それはちょうどよかった、10分後に校門でいいか?』

『おーけー』


「どうしたんだ郁也?」

悠人が俺に尋ねてきた

「昴も一緒に帰りたいってよ、10分後に校門集合ってことになった。」

俺は今の昴とのやりとりの旨を伝える

「だから早くカバン取ってこい」

「わかった」「りょうかーい」

2人は部室棟の方へと歩いていった。

「俺たちは先に校門に行ってよう」

「わかった」

俺と間宮さんは校門へ向かう


俺と間宮さんが校門に着くとそこにはすでに3人の人影があった。

1人は昴、もう2人の1人目は俺の妹であるかおり、そしてもう1人は剣道部の後輩の羽島千景である。

改めてこの2人について紹介しよう。

まず俺の妹のかおりは俺同様の黒髪で特に手入れをしていないにもかかわらずサラサラヘアーを維持している。体つきは女子にしては筋肉はある方で姉同様にスレンダーな体型である。

千景ちゃんの方は肩にかかる程度の髪でとても綺麗で絹のように細い銀髪をしており、体つきは年相応よりも少し胸が出ている。性格はしっかりしていて、俺のことを慕ってくれている。かおりとはえらい違いである。

ちなみにこの2人は小学生の中学年で友達になって以来ずっと同じクラスで親友同士なのだ。

「なんか誰かが私に対して失礼なこと考えた気がする」

俺は一瞬心を読まれたのではと錯覚してしまった。バカのくせにこういうことに関してだけは勘がいい。

「気のせいだろ」

俺は誤魔化すように笑う

「それもそうか…」

バカでよかった


「おーい!おまたー」

そこでようやく凜と悠人がやって来た。

「じゃ帰るか」

昴の発言とともに皆が歩き始める。最初は4人のつもりだったのにいつの間にか7人にまで増えていた。

「昴、今日は大丈夫なのか?」

もしかしたら昨日のようにうちに泊まっていくのではないかと思いた昴にそのことを尋ねてみた

「今日は親父仕事休みって言ってたから大丈夫」

昴の親父さんは定休があるわけではなく週によってシフトが変わるらしい。

「そうか」

「いっくーじゃー今日は私が泊まりにいこうか?」

凛は突然俺の家に泊まると言い出した。

「あの厳しい母上殿の許可が下りたのなら構わないが」

凛の母親は塾の講師で有名大学にも通っていたエリートなのである。なのでできれば部活などはやらずに勉強に専念してもらいたいと思っているそうだ。ちなみに親父さんの方は下級のアスリートだったそうだ。凛は親父さんの遺伝子を強く受け継いでいるのだろう。

「あと、悠人は来なくていいからな!」

「な!」

悠人は俺の後ろでなぜわかったと言わんばかりの顔をしている。

「どうせ、この順番なら次は俺がとか思ってたんだろ

お前が来ると部屋が散らかるからヤダ」

「ひどいぜ親友〜」

悠人は俺の発言にうなだれる。

「あと、かおり千景ちゃん連れて来るなよ!」

「な!」

さっきの悠人と全く同じ顔をしている。

「いいじゃんにいちゃんどうせ母さんも父さんも帰って来ないんだし!」

言い忘れていたが俺の両親はただいま絶賛海外出張中である。

「だめだ!この間泊まりに来た時寝ぼけて2人で俺のベット占領しただろ!」

この間千景ちゃんが初めてうちに泊まりに来た時夜中まで話していた2人は寝ぼけて俺の部屋に来て俺をベットから追いやり2人で仲良く朝まで寝ていたのだ。おかげで俺3日くらい関節痛になったんだぞ!

「あれは千か…もごもご…!」

かおりがなにか言いかけたのを慌てて千景ちゃんがかおりの口を塞ぐ。

「どうかしたのか?」

俺は2人の様子が気になったので尋ねてみた。

「な、なんでもないんですお兄さん、忘れてください」

千景ちゃんは慌ててそう答える。

「ま、どうでもいいけどそろそろ手放してあげないと.…」

俺はずっとかおりの口を塞ぐ千景ちゃんの手を指差す。

「ごめん!かおりちゃん」

「いいよ、私も悪かったし…」

どうやら2人は通じ合ってたようだが俺には皆目見当もつかなかった。

その時俺は一番後ろを小さくなったついて来ている間宮さんに気づく、しまった、つい…

「間宮さん大丈夫?」

俺は自分の失敗を拭うかのように間宮さんの隣を歩く

「大丈夫だよ、ありがとう。みんな仲がいいんだね」

くすくすと笑う間宮さんこういった表情ひとつひとつが俺には輝いて見える。他の景色は変わらないのに…

「みんな小学生からの付き合いだしねー」

間宮さんはシュンと俯く。

またやってしまった…

「どうした転校生!」

そこで声をかけて来たのは悠人である。

「いや、みんな仲いいなーと思って」

間宮さんは少し寂しげにそう告げる

「なら、これから仲良くなればいいじゃん!」

「そうだよ!とりあえず連絡先教えて」

この時声をかけたのはかおりと凛である。こういう時バカ正直に接することのできるやつはいいなーと思う。

「それなら私もいいですか…」

そう言ったのは千景ちゃんである。

「なら、ここのみんなでグループ作るか?」

と悠人が

「それいいね!」

と昴が

「いいの?」

間宮さんが不思議そうにそう問う

「いいもなにも同じ学校の生徒なんだしもう友達じゃん!」

凛がそう言い俺を含む皆が頷く。

「ありがとう!」

間宮さんは満面の笑みでそう言った。


ああ、なんて輝いているのだろうか…

これは恋なのか?


「じゃ招待しておくからみんなよろしく」

そう凛が皆に伝える

皆承諾の意を表す。

「じゃ私はこっちだから」

通学路途中のホームセンターのところで間宮さんと別れる

「また明日なー」「じゃなー」

皆が間宮さんに手を振る。当然俺も

「今日は本当にありがとう!水野くんは特にねー」

透き通るような声でそう言って家路に着いた。

「さて俺らも行くか」

昴の号令とともに俺たちも歩き出す。





今日感じた気持ちはなんだったのか…

刺激のなかった日々に刺した光

ただ、転校生という特別感がそうさせたのか…


この時の俺はその感情がなんなのかわからなかった…





おはこんばんにちはクロハです


前書きの通り納期守れなくてすいません!

次は8月末ごろに投稿予定です!

駄文ではありますが読んでいただいている方のために日々書かせていただいております。

どうぞよろしくお願いします


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