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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

自分計画シリーズ

自分救助計画

作者: 叢舎 翰哉

 それは二月の雨の日だった。

 僕はその日、クラスの人を殺した。

 僕が思いつく限りの残虐な方法で。

 毎日、爪を剥ぎ骨を砕き血を抜き目を潰した。

 毎日毎日、僕は狂ったように拷問した。

 そして最後、殺した。

 そして今、ベットの上で目が覚めた。

 僕は今中学に通っていてクラスの中では別に嫌われ者でも無いけど人気者でも無い、そんな立ち位置に僕はいた。

 正直、クラスは怖かった。

 いつ僕がイジメの対象になるかも知れない一部の人が支配したこの不安定な世界が。

 怖くても僕はクラスに足を運んだ。

 そこにはいつもと少しも変わらないクラスがあった。

 そろそろ言おう。

 僕が殺したのは自分だ。

 自分の意見を殺すのは爪を剥ぐ思いで。

 自分の感情を殺すのは骨を砕く思いで。

 自分の個性を殺すのは血を抜く思いで。

 自分の行動を殺すのは目を潰す思いで。

 それが僕がやってきた事だ。

 クラスと言う社会の縮図のようで社会を支配している権利では無くその人の力がその場所を支配する。

 そんな物だと僕は思う。

 クラスに入っておはようと声をかける。

 そして僕の席に向かう。

 しかし僕の席には他の人が座っていた。

 いつもは意見を殺して退くのを待つが今日は違う。

 どいて。

 その一言が言えた。

 もう僕は怖くない。

 だって傷付く自分はもう居ないのだから。

 僕の席に座っていた人はかるく謝罪して退いていく。

 もうこれで苦しまずには済むんだ。

 僕は安心した。

 でも本当は気づいていたんだろう。

 自分を完全に殺しきれていないことを。

 自分を殺してから三日たった。

 この三日間はとても素晴らしく輝いていた。

 でも分かった。

 自分が無いって言うのはこれが一つの拷問なんだと。

 良く考えれば分かる話だ。

 普通はあって当たり前なのにそれが無くなる。

 それはほんのちょっとでも日常の歯車を狂わす。

 だから僕は自分救助作戦を始めた。

 まだ生きているかもしれないという淡い希望を持ってたてた作戦だ。

 この作戦を簡単に言えば自分が傷つかない場所を造る事だ。

 まず最初に始めたのはクラスの断裂だ。

 そこで出来た隙間には自分の居場所が出来るかもしれない。

 それでやったのがクラスの中心になってる男子グループと女子グループ、その中にお互いの悪い噂を流す。

 それがクラス全体にも広まったら今度は男子グループに女子グループが噂を流したと告げ口する。

 女子グループにも同じ事をした。

 最初はお互い信じて無かったが次第にギクシャクし始めた。

 僕の流した噂を気にしたからちょっとしたことも目に留まり不快感を得る。

 これが僕の狙いだった。

 少しするとあっという間にクラスは崩壊した。

 男子グループは女子グループが悪い

噂を流していると一点張りでいい。

 女子グループもまた一緒だった。

 当たり前と言っちゃ当たり前だけど何せ僕が起こしたんだもの。

 でもクラスの崩壊で生まれた隙間は自分が傷つかない場所じゃなかった。

 いつ埋まるかもわからない場所、安心できるわけが無い。

 だから僕は別の場所を求めた。

 クラスでは無く学校の隙間を作る事にした。

 だから僕は不良のたまり場に足を運んだ。

 そして僕は不良になりたいと伝えた。

 本当はなりたい訳が無い。

 最初は色々命令されたが今では不良と対等に喋れるようになった。

 元々僕は運動神経は優れていた。

 それプラス会話術ですぐにグループの中心になった。

 そして僕は不良たちに教師に歯向かわせるよう仕向けた。

 やり方は簡単、教師はやり返せないってことを伝えてちょっと煽っただけでいとも簡単に不良たちは暴れた。

 そして学校は荒れた。

 教師も3人入院で不良たちは警察のお世話になっている。

 本当に計画通りに進んだ。

 これで学校にできた隙間は大きい。

 でもここじゃなかった。

 僕の求めている場所じゃない。

 この後も僕は全力で自分救助計画を進めた。

 1回暗躍している事がバレそうになったが何とか誤魔化したり逸らしたりしてバレなかった。

 そして分かった。

 自分はもう死んでいる。

 だから救助はもう出来ない。

 それはとても衝撃的だった。

 そんな時頭の中に声が聞こえた。

 人生、変わってあげようか?

 甘く優しくそう喋りかけてきた声は明らかに僕の声だった。

 僕は喜んで変わった。

 だから今僕は何も無い真っ白な世界でただただ座っている。

 戻りたくなったら言ってね。

 優しく言ってくるが聞かないふりをした。

 これでもういいんだ。

 何も考えなくても良いし何もやらなくても素晴らしい世界。

 だから僕はずっとここにいた。

 ある時少年が僕の世界にいた。

 そしてその少年は言う。

 どうしてここにいるの?

 一瞬答えるのに迷ったが話そうと思った。

 

 「じゃあ話そうか」

 

 そして僕は自分を殺したことから計画の事まで無いモカもしゃべった。

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