亜里沙と楠葉その2
亜里沙が楠葉と合流し、二人による殲滅戦が始まった。
「楠葉、私はこちらを担当します。貴女はあちらをお願いします。」
と亜里沙は指を指し楠葉に言った。楠葉も亜里沙が指し示す方角を見てから頷いた。
「心得た!」
答えた瞬間、楠葉は勢いよく飛び出した。そんな楠葉を見送り亜里沙は改めて自身の前に立ち塞がる魔物の群れを見据えた。
「さて、早く兄さんに会いたいので早めに終わらせましょう。」
そう言うと亜里沙もまた駆け出した。
「皇王天○翼!!」
楠葉の放った秘奥義により、周囲の魔物を一掃した。ただ、自身も魔物の群れの真ん中にいるのだが・・・。
「何か新しい技はないものだろうか?」
新しい技を考えながら周りの魔物を倒していく。だが、考えても良い技が出てこなかった。結果、楠葉の行き着いた答えは・・・。
「やはり、テイ○ズが一番しっくりくるな。」
である。その後も奥義や秘奥義を放ちながら魔物の群れを潰していった。
場所は変わり、亜里沙が担当している場所。
「インディ○ネイト・ジャッ○メント!!」
亜里沙がの魔法が炸裂していた。楠葉と違い、亜里沙は魔法を主体に戦っていた。しかも、固定砲台ではなく移動しながらの魔法戦である。
近付いてきた魔物は亜里沙の持つ銃によって急所を撃ち抜かれていた。
「流石に兄さんや姉さんの様にはいかないものですね。まぁ、あの二人が規格外だから仕方ないのですが。」
自身を久遠と華音に比べる。だが、そもそも亜里沙は比べる相手を間違えている。この世界で久遠と華音を除けば、最強クラスである。むしろ亜里沙に勝てる者を探すのが難しいぐらいである。
「さぁ、楠葉の方も終わりそうですね。こちらも早く終わらせましょうか。」
と思い行動に移ろうとした瞬間、亜里沙は目の前から異様な殺気を感じた。
「殺気を隠すわけでもなく、むしろ自分の位置を教えていますね。わかりました、その挑発に乗りましょう。」
不敵な笑みを浮かべる亜里沙。こんな戦いを早く終わらせて久遠の元へと行きたい亜里沙である。
一方、楠葉は殆どの魔物を倒した。そんな時、亜里沙が感じた殺気を楠葉も感じ取った。だが、楠葉は亜里沙の元に駆けつけようとはしなかった。
「亜里沙殿なら大丈夫だろう。私は私の敵を討つ!」
と言うと楠葉は魔物の死骸の中央を見据えた。
「そこに居るのはわかっている。出てきたらどうだ?もしかして油断させて私を殺そうとしているのか?」
と言い放った。と同時に魔物の死骸から一人の魔族が姿を表した。
「私は魔王軍四天王の一人、ディア・・・。」
「真神○獄刹!!」
魔族が名乗りあげている最中に楠葉は奥義を放った。
「な、名乗りすら上げていないのに卑怯では・・・。」
「一騎討ちではないのだから名乗りをあげる必要などないだろう?そもそも戦に正々堂々となどあるわけがなかろう?現にお前達は奇襲を仕掛けてきたのだから。」
「・・・。」
魔族は既に事切れていた。楠葉と名乗りさえ出来なかった魔族との戦いが終わった頃、亜里沙もまた魔族との戦いに勝利していた。
亜里沙がどのように勝ったかと言うと、遠距離からファイアボールを放っただけである。但し、数が尋常ではなかっただけの話である。
こうして、亜里沙と楠葉の戦いは終わりを告げた。




