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皇家の夫婦

亜里沙&楠葉と遥香達四人と一匹の戦闘が始まった頃、久遠と華音は地面にビニールシートを敷き休憩していた。


何故このような状況かと言うと、久遠と華音の前には未だに魔物の群れが現れないのである。


「あなた、こうして二人でのんびりするのは久し振りですね。」


と華音は久遠を見ながら微笑んだ。


「確かにそうだな。初めての子育てで大変だったし、常にカルディナが居たからな。」

「はい、ですから相手が来るまでゆっくりしましょう。」


華音の言葉に頷く久遠。


そんな他愛ない話をしていると二ヶ所で爆発音などが聞こえてきた。


「子供達もだが亜里沙達も全開だな?」

「そうですね。張り切りすぎですね、亜里沙と楠葉は。」

「確かにそうだな。今日までのストレスを発散させてるみたいだな。」


と不意に周りの空気が変わった。


「ようやくお出ましか?」

「そうですね、この辺りの空気が変わりました。」


二人を威圧するような空気に平然としている久遠と華音。


そして、現れた魔物の群れは各種族の上位種。ゴブリンであるならゴブリンキングやクィーン。オーガならオーガキングといった感じである。


そして最大級の大きさを誇っているのは竜・・・いや、龍である。


竜の上位種である龍。この世界では各属性に龍王が存在している。そして、今現在その龍王が四体、久遠と華音の前に見えていた。


「華音、あれは龍王か?」

「みたいですね。この世界の龍王は魔族に操られるほど頭が弱いみたいですね。」

「流石に龍王を殺すわけにはいかないよな?」

「はい。ですが、子孫がいれば問題ないと思います。」


とそこへ水の精霊王であるセシリアから念話が入った。


『マスター、各龍王達の(こども)はこちらで保護しましたので大丈夫です。』


二人は顔を見合わせ溜め息をついた。


「相変わらず都合がいいな。」

「また何か企んでいるんじゃないですか?」

『そ、そんなことありませんよ?』

「まぁ、いい。この侵攻が終わったらおはなし(・・・・)するとしよう。もちろん、精霊王は全員参加な。」

『拒否は・・・』

「あると思いますか、セシリア?」

『い、今すぐ全員に伝えます!!』


と言い残しセシリアとの念話が切れた。


「さて、動くとするか。」

「はい。あなたと一緒に戦場に出るのも久し振りですので高揚しています。」

「まぁ、程ほどにな。」


言い終わると久遠と華音の姿が消えた。


と思たら魔物の群れの目の前に居た。


「さぁ、始めよう。皇流奥義(すめらぎりゅうおうぎ)龍皇滅牙陣(りゅうこうめつがじん)!!』

「手加減は致しません!皇流奥義(すめらぎりゅうおうぎ)魔皇破砕陣(まこうはさいじん)!!』



こうして皇家の夫婦による戦いが始まった。

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