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作戦会議?

皇一家の参戦が家族会議?で決まった頃、亜里沙はとある場所に移動していた。


「さて、兄さん達は参戦してくれるのでしょうか?」

「久遠殿なら必ず戦場に赴くはずです。」


そう答えたのは、楠葉だった。


楠葉は、亜里沙と共に学園へと戻っていた。何故、学園へと戻っているのかと言えば、戦力の確保である。教師に参加させるためである。


「学園の先生は参加すると思いますか?」

「期待はしない方がいいと思うぞ?何せ、教師だからな。」

「確かにそうですね。では、楠葉さんに冒険者ギルドへの依頼を出してきてもらうことにしましょう。ちょうどギルドの前ですし。」

「仕方ない。私はこのまま参戦するぞ?」

「構いません。兄さん達に会ったら伝えてください。『私もすぐに行きますから。』と。」


楠葉は頷き、馬車を降りた。


その後、楠葉はギルドに依頼を出し、直ぐ様戦地になるであろう場所へと向かった。



亜里沙は学園に着くと教師を集め、参加を打診した。だが、教師達は首を縦に振ることはなかった。


そんな教師達を尻目に亜里沙は学園を飛び出した。久遠達と合流するために。



亜里沙が学園を出た頃、皇一家はギルドでの依頼を受けず、既に街を出ていた。


「パパ、魔族と魔物の大軍は何時来るの?」


紗良が久遠に尋ねた。


「紗良、ちゃんと気配察知をしたら分かるぞ?」

「うん?さっきからやってるんだけどゴチャゴチャしててわからない。」


紗良の言葉に久遠は疑問を抱いた。


「ゴチャゴチャしてる?」

「うん。あっちの方とあっちに強い力を感じるし。街の反対側にも強い力を感じる。だけど何か違う気がする。」


紗良は強い力を感じる方を指を指しながら久遠に答えた。


「・・・。ま、まさか。華音、カルディナ、今すぐ街全体に結界を張れ!」


久遠は、怒鳴り声をあげ華音とカルディナに結界を張るよう指示を出した。


「わかりました。カルディナ、やりますよ?」

「はい、カノン様。」


とカルディナが答えたと同時に街全体に結界が張られた。


この結界は、外敵から守るだけではなく中から外にも出ることは出来ない。術者である華音とカルディナの両方が死なない限り解除はされることはない。


このため、冒険者達はギルドで依頼を受けても達成することはない。この結果、後から亜里沙に怒られることになるのはまた別の話である。



結界が張られた直後、三方向から魔法の攻撃が行われた。だが、結界により魔法攻撃は簡単に霧散された。


「さて、街はこれでいいとして。残りは大軍だな。」

「そうですね。あら?こちらに向かってくる気配がありますね。この気配は、亜里沙と楠葉のようですね。」


華音から亜里沙と楠葉がこちらに向かっていることを知り、今後のことを考え始める久遠。


「兄さん、街に結界を張りましたね?」


亜里沙の到着である。


「あぁ、華音とカルディナにやってもらった。」

「ギルドへの依頼が無駄になりました。」


溜め息をつきながら言う亜里沙。そんな亜里沙を見ながら久遠は今後の話を始めた。


「取り敢えず、強い力を持つのが三方向に居る。戦力を分けるぞ。」


そう言うと全員を見渡した。


「まず、亜里沙と楠葉は街の反対側。遥香、紗良、優真はあっちだ。」


久遠は指を指して言った。


「で、カルディナは子供達の事を頼んだ。」

「サポートをさせていただきます。」


カルディナはあくまでもサポートに徹することを久遠に伝えた。


「あぁ、それでいい。子供達に経験させてやってくれ。で、俺と華音はここで迎え撃つ。何か質問はあるか?」


と、久遠は見渡した。「はい」と手をあげる紗良。


「パパ、早く片付いたらどうすればいいの?」

「気配を探って多そうな所への救援だ。」

「わかった。」


久遠は今一度周りを見た。


「無いようだからこのまま殲滅にはいる。絶対に死ぬなよ?この中の誰一人として欠けることは許さない。生きて帰ってくることを約束出来るな?」

「「「はい!!」」」

「では、散開!!」


久遠の言葉に亜里沙と楠葉が街の反対側に向かい、遥香、紗良、優真とカルディナもまた自分達の持ち場へ向かった。


ちなみに、サリアは紗良に抱っこされてままである。よってサリアは紗良達との参戦が問答無用で決まった。



残された久遠と華音は久々の二人っきりを満喫するかのように笑顔であった。これから戦うはずなのに・・・。


「あなた、久々の二人っきりですね。」

「そう言えばそうだな。何か新鮮な気もするな。」

「はい。ですが、まずは片付けてしまいましょう。誰を敵に回したかを判らせてあげませんと。」

「だな、二人での戦いだ。思う存分暴れてやろう!」

「はい、あなた。何処まででもお供いたします。」


そして、二人は大軍に向けて走り出した。


自分達の平和な生活を取り戻すために。

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