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三度目の異世界で夫婦は何をする?  作者: 小鳥遊詩音
第一章 クロウ王国編
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ギルドマスターの部屋

本日二話目です。


ブクマ、評価などしていただけるとありがたいです。

久遠達は、ギルドマスターに呼び止められギルドマスターの部屋に行くことになった。


「こちらが私の部屋です。どうぞ、中へ。」


と、勧められたが久遠は動かない。それは、何故か?久遠には部屋の中からこちらに向けて放っている殺気を感じたからである。華音と亜里沙も中からの殺気を感じて久遠と同様に立ち止まっていた。


「悪いが中へは入らない。」

「私も入りたくないよ。」

「私も入りたくありませんね。」


三人の言葉にギルドマスターは「うむ。」と言いながら頷いた。


「では、私が扉を開けますから後に付いてきて貰えませんか?」


それでも中からの殺気が収まることはなく首を振る久遠達。この殺気の主に負けることはない。だが、見ず知らずの者に殺気を浴びせられて黙っているほど久遠は大人しくない。


ではなぜ、久遠は殺気に対して殺気で返さないのか?それは、悪意のある殺気ではないからである。相手は、明確に殺す殺気を放っているわけではなく、どちらかと言えば『威圧』に近いかもしれない。


「中から漏れている殺気を納めてくれたら部屋へ入るよ。」

「そうだね。殺意は無いみたいだけど。」

「これ以上やられるのは不本意ですね。」


部屋の中に居るであろう人に向かって話し出す三人。その言葉を聞いてかすぐに殺気が収まった。


「では、入りましょう。」とギルドマスターが扉に手をかけ開いた。


部屋の中に入るとそこで待っていたのは、精霊との仲がいいと言われているエルフ族だった。


「初めましてじゃな。ワシはエルフ族のフェンと言うものじゃ。先程はお主達の力を試したのじゃ。申し訳ない。」


と、名を名乗り謝罪を言った。見た目は幼女、中身は何百歳にもなるフェンである。


「俺は久遠だ。」

「私が華音だよ。」

「私が亜里沙です。」


と、三人も名乗った。


「で、俺達は何故ここに連れてこられた?」


本題を切り出す久遠。久遠の問いに答えたのはギルドマスターであった。


「ここに来ていただいたのは、今回の決闘でのバカス側の全財産の受け渡しとランクアップのお知らせです。」

「全財産の受け渡しは分かるが何故ランクアップするんだ?未だに依頼は一回しか受けてないのに。」

「バカスはCランクの冒険者です。しかも、バカス達は三十人居たのにあなた方は三人で戦い勝った。そのためのランクアップです。本来ならBもしくはAランクまで上げれるほどの実力も兼ね備えていますが。流石にそこまではできません。よってCランクにさせていただきます。」


ギルドマスターの用件はバカス達の全財産の受け渡し、久遠達のCランクへの話。だが、それだけで終わるはずがない。


「本当にそれだけですか?それだけならここではなく受付でも可能ですよね?」


亜里沙の言葉は的確に本来の用件を聞き出す言葉だった。


「流石じゃな。アリサだけではなくクオンにカノンもワシが本来の用件とわかっておる。その歳でその冷静さ、分析力、どれだけの場数を踏めばそこまで辿り着けるのだ?」


久遠達の態度が気になりはするが、冷静に話を進める。


「お主達にある依頼をしたいのじゃ。」

「・・・断る。」

「いきなり断るか?内容を聞いてからでも「お断りします。」・・・何故じゃ?」

「そんなの当たり前だよね?」


フェンの言葉を途中で遮った亜里沙。そして、当たり前だと答えたのが華音。そして、最後はもちろん・・・。


「「「面倒事だから(ですから)!!」」」


綺麗に三人がハモった。


ギルドマスターは、口に手をあて笑いを必死に堪えており、フェンは、口を開けたまま固まっている。


「フェンの依頼とは精霊に関する事だろ?」


久遠の何気無い一言でフェンの止まった時間が再び動き出した。


「何故判ったのじゃ?ワシはまだ何も言っておらん。」

「勘だよね、久遠君?」

「勘ですね、兄さん。」

「まぁ、勘と言えば勘なんだがな。」


勘とは言っているが大体予想がついたのは間違いなかった。


「そうか。で、受けてはくれないか?」


久遠は、振り向き華音と亜里沙に尋ねる。


「どうする?」

「どっちでもいいかな?精霊は、私達には見えないしね。(ある一定の力がないとね。)」

「私は、精霊に会ってみたいですね。(たぶん、すぐに会えるとは思いますが。)」


という答えが返ってきた。ちなみに、二人の最後の言葉は三人しか聞こえていない。


「という訳で・・・やっぱり断るよ。」

「いや、そこは受けると答えるところじゃろうがぁぁ!」

「いや、受けないし。精霊狩りが行われているなら受けるかもしれないけどそうじゃないだろ?」

「確かにそうじゃが。中級精霊が半分ぐらい少なくなったのじゃ。異常としか言えんじゃろ?そのせいで、精霊と契約出来ない者が続出しておるのじゃ。」


と、ここまで言い終わると思いもよらないところからフェンにとっての助け船が出された。


「兄さん、私でも精霊と契約できますか?」

「どうだろうな?こればっかりはやってみないことにはわからん。」

「そうですか。でも、契約できる可能性もあるんですよね?」

「あるだろうな。亜里沙は精霊と契約したいのか?」

「折角ですから、出来るならしたいですね。」

「そうか、わかった。フェン、その依頼受けるよ。原因を究明すればいいんだな?」


久遠と亜里沙の会話を聞き、久遠の依頼を受けると言う言葉に歓喜したフェンは亜里沙に駆け寄り抱き付いた。


「ありがとうなのじゃ。ちなみに、!亜里沙のお陰で久遠が依頼を受けてくれたのじゃ。」


やれやれといった表情をする華音。久遠は、亜里沙とフェンの二人を見て苦笑していた。


「その代わり俺達の付き添いでフェンの同行を求めるがいいか?」


未だに抱き付いているフェンに久遠が言う。


「そんなのは当たり前じゃ。」

「なら、明日にでも近くの森辺りに行くとするか。それでいいか?」


と、全員を見回す久遠。


「私はいいよ。」と華音。

「大丈夫です。」と亜里沙。

「分かったのじゃ!」とフェン。


全員の答えを聞き、明日に向けてギルドマスターの部屋を出ていく四人。一人取り残されたギルドマスターはというと・・・。


「私の事忘れてませんか?」


と呟くがすでに誰も居なかった。悲しいかなギルドマスター。頑張れ、ギルドマスター。明日は明るい未来が待って・・・いるかも?



そして、翌日・・・。


ギルドに寄った三人は、ギルドカードを更新し、フェンが待つ森へと向かった。


早くも幼女エルフの登場です。予定ではもう少し後のような気がしたんですが・・・。


勢いで書いていると予定が思いっきり狂います。


次回は、精霊との契約?の話になる予定です。


読んで頂きありがとうございます。

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