表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/133

狼の正体

扉を開け中に入ると狼のような獣が待ち構えていた。


「狼?にしてはデカいな。」

「そうですね。ですが、何故このような魔物?がこのような場所にいるのでしょうか?」

「さぁな。だが、先に入った騎士の姿がないな。」

「食べられたのではないですか?」

「どうだろうな?まぁ、どうでもいいが。」


と久遠と華音が話している横で子供達が騒いでいた。というか紗良だけが騒いでいた。


「大きい犬だぁぁぁぁぁ!」

「犬ではないと思いますよ?」

「僕もそう思うよ?」

「犬だよ?犬にしか見えないよ?」


良くも悪くも子供の会話である。何故かほのぼのするような会話をしている子供達であった。


しかし、突如として声が響き渡る。


『お主らも先程の者達と同じか?』


どうやら久遠達全員に聞こえたようで子供達はキョロキョロしている。久遠、華音、楠葉は慣れたもので狼を見ていた。


「先程の者達?あぁ、騎士達のことか。あんなのと一緒にしないでくれ。俺達はこのダンジョンの調査に来ただけだ。お前が何もしないなら直ぐに立ち去るよ。」


と久遠が答えると狼は喉を鳴らしながら言った。


『それを信じろと?あやつらは我を見た途端、襲い掛かって来たぞ?それにお主らも奴等と同じ種族だろう?』


狼は外見だけで久遠達を判断した。それの判断が間違いとは知らずに。


「同じ種族・・・か。確かにそうかもしれないが若干違うな。」

『何が違う?力は先程の者達より少し上ぐらいであろう。そのぐらいの力で我に勝てるものか。』

「少し上ですか・・・。騎士達と同じにしないで欲しいですね。」


狼が言ったことに華音が否定した。


「どうでもいいんだが俺達を逃がしてくれるのか?それとも・・・殺るのか?」


と久遠は言いながら狼を見据える。その眼は鋭く狼を見つめていた。


『ふん、身の程を弁えぬ人間が!実力の違いを見せてやる!』


と狼は臨戦態勢にはいる。とそこに紗良が久遠に話しかけた。


「パパ、あの大きな犬お家で飼いたい。」

「飼いたいなら紗良が調教(しつけ)ておいで。」

「わかった!」


と言うと紗良は久遠達から離れ、狼の前に立つ。


『我に勝つ気でおるのか?子供とて手加減はせん。死んでも文句は言うなよ?』


と狼は久遠を威圧した。


「うん?あぁ、それは大丈夫だ。紗良が死ぬことはないからな。それより最初から本気でやれよ?じゃないと一瞬で終わるぞ、神狼(フェンリル)。」


久遠の言葉に狼は驚いた。何故自分のことが分かったのかを考え始めた。


『我を鑑定したな?だが、我を鑑定できるのはおかしい。お主は何者だ?』

「さぁな?紗良に勝てたら教えてやるよ。」

『その言葉、忘れるでないぞ。』


そう言うと神狼は紗良を見据えた。


「勝たせてもらうからね?」

『勝てるわけなかろう。お主が勝てたら我がお主の使い魔になってやろう。』

「言質は取ったからね。早く始めようよ?」

『では、始めるとしようか。』


こうして、紗良VS神狼の戦いが始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ