学園での一日
ダンジョン調査が次回に持ち越しになった翌日。いつものように店の開店準備を進める久遠、華音、カルディナ。遥香と紗良、優真は学園へと向かう準備をしていた。
「紗良、優真。準備は出来ましたか?」
「出来てるよ、遥香お姉ちゃん。」
「もう少し待って?」
遥香と優真は昨日のうちに粗方準備を終わらせているため直ぐに終わっていた。だが、紗良は準備をしていなかったため朝に準備をしていた。
「紗良、いつも言っていますよね?前日に準備をしなさいと。」
「うっ、そうだけど・・・。」
「言い訳はいりません。早く準備しないと遅刻しますよ。」
「わかってるよ、っと準備できたよ。」
「では、行きましょうか。」
「「うん!!」」
三人は一階にある店に降りていき久遠と華音、カルディナに言う。
「「「行ってきます!」」」
「気を付けて行ってこい。」
「ちゃんと勉強をしてきなさいよ。」
「自重してくださいね?」
久遠、華音、カルディナの順に子供達に声をかけた。
三人は家を出て学園へと向かう。向かう最中、街の人々に挨拶をしながら学園へと向かった。
何気ない朝の挨拶をする遥香達は街の人々からの印象が良かった。
三人の親である久遠、華音も印象はいいのだが一番いいのはカルディナだった。
まぁ、理由としては買い出しをしていくうちに常連になり何かとしてもらっているためである。
そんなこんなで学園に着いた三人は教室へと向かった。
教室に着いた三人は自分の席に荷物を置き友達と話始めた。
教室の扉が開くと担任の教師が入ってきた。
「皆さん、席に着いてください。」
教師が言うと生徒達は各自自分の席に座る。全員が席に着いたのを見ると教師が話始めた。
「では、この前に話した学園主催の武術大会に参加する人はいますか?」
教師が言った学園主催の武術大会とは何なのか。それはまだこの街にお祭りが無いため考えた大会である。学園主催だから学生だけが参加するわけではない。一般も参加可能で三位まで金一封が贈られる。それに学生達が参加する理由としては将来の就職にも役に立つからである。何せこの学園は三か国合同で作られた学園である。各国の重鎮の目にとまれば将来が約束されたようなものである。
「私、出ます。」
手を挙げたのは紗良だった。続いて遥香と優真も手を挙げた。
「私も出ます。」
「僕も出てみます。」
「では、三人でいいですか?」
他のクラスメイトは手を挙げなかった。
「わかりました。では、遥香さん、紗良さんに優真くんの登録を学園からしておきます。話はこれで終わりです。では、授業を始めましょう。」
話が終わり授業へと移行した。
学園の授業内容は、午前中は講義で午後から実技が行われた。講義は、歴史に算術、魔法の基礎、応用。その他がある。
午後の実技は、体術に武器を使った模擬戦、魔法の実技に別れているが結果としては纏めてやっているので総称して実技である。
一日の授業も終わり、生徒達は帰路につく。
遥香達も家に帰る準備をし帰宅した。
「「「ただいま!!」」」
「お帰りなさい。」
「お帰りなさいませ。」
華音とカルディナが返事をした。店は賑わいを見せており直ぐに遥香達も手伝いに入った。
店も閉店し家族で夕食を食べていると紗良が学園での出来事を話した。
「パパ、今度ある学園主催の武術大会に出ることにしたよ。」
「うん?あぁ、なんかチラシが回ってきてたな。」
「紗良が出るのはわかりますが、遥香と優真も出るのですか?」
「「もちろん!!」」
「ですが、一般も参加するのですよね?」
とカルディナが遥香達に聞いた。
「そうだよ、カルディナさん。」
「私は自分が何処までやれるか試してみたい。学園だと力を抑えないとすぐに終わっちゃうから。それに、パパやママ以外の人と戦ってみたい。」
「遥香と優真も同じ理由か?」
紗良の話を聞き久遠は遥香と優真に聞いた。
「私も同じです。それに本気で紗良と優真と戦ってみたいですから。」
「僕も遥香お姉ちゃんと紗良お姉ちゃんと同じかな。将来についてはまだ考えてないけど。」
将来については未定と話す優真。
そもそも学園が出来たのはつい最近の話である。先を見据えた生徒がどれだけいるかといったところである。
「パパとママは出ないの?」
「「出ない(わよ)。」」
何で出ないのだろうと思う子供達。その答えがすぐに返ってきた。
「店で新商品を売るからな。」
「お祭りは稼ぎ時ですから。逃したら勿体無いですから。」
久遠と華音は商売人になっていた。まぁ、日々の鍛練は怠っていないから実力は問題ないのだが。
「そっか。パパとママが出ないのは寂しいけど強い人が居るといいな。」
紗良の言葉に頷く遥香と優真。家族団欒の食事も終わり各自部屋に入っていった。




