ダンジョン参加?
楠葉が帰った後、子供達を部屋に寝かし再び一階の店に集まった久遠、華音、カルディナ。
「さて、楠葉の話なんだが・・・。」
「ダンジョンですね。どうしますか?」
「どうするも店を閉めて行くわけには行かないだろ?」
「そうですね。繁盛していないなら問題ないんですけど。」
「繁盛してますからね。クオン様の料理は美味しいですから。」
「ダンジョンに関しては保留だな。」
と話を打ち切った久遠。その後を引き継いだのは華音だった。
「あなた、子供達なのですが。」
「どうした?何か学園でやらかしたのか?」
「いえ、そう言うわけではないのですが。ただ、やはり心配で。」
「確かに心配だが。何かあれば子供達から何か言ってくるだろ?」
「そう・・・ですね。わかりました、子供達を信じます。」
実際、華音の心配は的中していた。遥香、紗良、優真の三人が上位のクラスに居ることが不満があった貴族達が遥香達に喧嘩を売ったのである。
まぁ、結果として教師立ち会いの元模擬戦が行われた。模擬戦の結果は言わないでも判ると思うが遥香達の圧勝で終わった。
翌日、子供達を学園に送り出した久遠と華音は開店準備に勤しんでいた。
そんな時、店の扉が開いた。
「まだ開店してませんよ。」
「兄さん、お久し振りです。」
そこに立っていたのは亜里沙だった。
「うん?なんだ亜里沙か。昨日は楠葉が来て今日は亜里沙か。」
「久し振りに会ったのに挨拶がそれですか?」
「何か久し振りの感じがしないからな。」
「まぁいいです。一応、楠葉さんから聞きましたけどダンジョンの調査を受けていただけない理由を聞いてもいいですか?」
と確認をとる亜里沙。だが、返ってきた言葉は亜里沙の後ろから返ってきた。
「店を休むわけにはいかないからですよ、亜里沙さん。」
答えたのは華音だった。
「亜里沙さんと楠葉さんが国にとって必要な存在なのはわかりますが、そろそろ引退してもいいのではないのですか?」
「確かに軌道には乗りました。ですが、今は学園のこともあります。ですから、まだ無理です。」
「でしょうね。私達は当分ここに居ますから気兼ねなく遊びに来てくださいね。」
と華音は言うと開店準備を再び始めた。久遠は華音が話はじめてから厨房に戻り仕込みをしていた。
その様子を見た亜里沙は説得が困難だと思った。しかし、厨房から出てきた久遠が亜里沙に言う。
「週に一度の休みの午前中なら手伝ってやれないこともない。但し、子供達も付いてくるけどいいか?」
「私達はだけでは守ることは出来ませんよ?」
「気にするな。自分の身は自分で守らせる。いいか、華音?」
「しょうがありませんね。相変わらず亜里沙さんには甘いですね。」
亜里沙は笑顔になり頷いた。
その後、店を開け今日の出来事を子供達に話したのだった。




