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街へと向けて

気付けばユニークが二万を超えていました。ありがとうございます。

カルディナから連絡を受けた久遠達は街へと急いだ。しかし、街に戻る最中久遠達の行く手を阻むように魔物が久遠達へと襲いかかってくる。


「それにしても多いな?」


久遠は剣で魔物を切り伏せながら話す。


「そうですね。何故、ここまで誰も気付かなかったのでしょう?」


華音も久遠と同様に切り伏せていく。その後ろにピタリと遥香、紗良、優真がついてくる。


子供達三人は久遠と華音の戦い方を見ていた。遥香にとっては親である久遠と華音の戦いを見るのは初めてである。紗良と優真も修行では久遠と華音と戦ったことはあるが自分達以外との戦闘を見るのは初めてである。故に、三人は思った。


「遥香お姉ちゃん、何でパパとママは喋りながら戦えるの?」

「それだけ相手との実力差があるからです。」

「でも、パパとママは剣だけで魔法は使ってないよね?」

「使う必要がないからですよ、優真。」

「私達も加勢した方が早く終わらないかな?」

「紗良、それは止めた方がいいと思います。パパとママと一緒に戦うなら同等の力が必要です。でなければ足手まといになりますから。」


遥香の言葉に紗良と優真は苦い顔をした。本来なら一緒に戦いたい。だが、久遠と華音との差があまりにもありすぎた。そのため、後ろから見守ることしか出来ないのが歯痒いのである。


そうは言ったものの遥香も一緒に戦いたい気持ちはある。でも、実力差を一番理解しているのも遥香であるため紗良と優真も大人しくしている。


そんな時、不意に華音から声がかかる。


「遥香、紗良、優真。一緒に戦いますか?」


三人の表情が変わる。三人の表情の変化を見た久遠も声をかける。


「一緒に戦うか?戦うならすぐに準備をしろ。」


久遠の言葉に遥香、紗良、優真はそれぞれ準備をした。遥香と紗良は剣を構え、優真は短剣を手に持ち魔法を放つ準備をした。


「私と優真は後方から支援をします。あなたは遥香と紗良と共に前線をお願いしますね。」

「わかった、遥香、紗良。わかったか?」

「「はい!!」」

「さっさと片付けるぞ!!」


久遠が言うと全員が頷いた。

こうして久遠一家による討伐戦が開始された。




一方、街に居るカルディナはと言うと・・・。


迫り来る魔物の大群に向けて準備をする冒険者、学園に採用された教師、その他諸々が集まる場所とは別の所にいた。


(クオン様には連絡しましたが、此方に着くのは遅れるでしょうね。)


カルディナは街の上空に居た。そして、久遠達が戦っているであろう場所を眺めていた。


(さて、私も下に降りて準備をしますか。)


カルディナはバレないように地上に降りた。その後、討伐隊に紛れ込み討伐戦へ向かった。




久遠達は魔物を倒しながら街へと向かっていた。何故、一気に殲滅しないかと言うと子供達の訓練も兼ねているためである。それに簡単に終わらせてしまうと久遠と華音を英雄扱いする者が出ないとは限らない。下手に期待されるのを避けたいため一気に殲滅しないのである。


『カルディナ、街の様子はどうなっている?』


久遠がカルディナに念話をする。


『討伐隊が編成され、まもなく出発します。』

『そうか。なら、挟み撃ちが出来るか?俺達はこのまま街に向かって後方から殲滅していく。』

『わかりました。私もその様に動きます。』


念話が終わり、改めて大群を見渡す久遠。見るからにまだ数千近くの魔物が居ると思われた。


「まだ数千の魔物が居る。カルディナの話ではもうすぐ街から討伐隊が出る。よって俺達は後方から挟み撃ちをするように動く。」

「では、粗方間引きますか?」

「そうだな。俺達がやってもいいが、どうせなら子供達の成長を見たいし、子供達にやらせよう。」

「そうですね、遥香、紗良、優真。全力で魔物を倒しなさい。但し、攻撃は一人一回のみです。三人の実力がどれ程あるか見てあげます。」


と華音が言うと子供達は早速順番を決めるためじゃんけんを開始した。


結果は優真、遥香、紗良の順番になった。


「最初は僕からだね。」


優真の言葉を皮切りに子供達の殲滅戦が始まった。

次回は子供達が活躍?します。

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