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クロウ王国、再び

遅くなりました。

久遠一家は新たな店を構えるため旅に出てから早一年。


思いの外店探しは難航していた。それもそのはず、街に店を構えるではなく街道に店を構えるのである。そんな都合よく家が落ちているわけがない。


そんな時、偶々寄ったクロウ王国の冒険者ギルドである依頼を見つける。その内容とは・・・。


「クロウ王国のギルドも久し振りだな。」

「そうですね。召喚されて以来ですから。」


一家はギルドの扉を開け中に入った。


「さて、何か都合のいい依頼でもないかな?」


久遠は言いながら依頼の貼ってある掲示板へと移動した。


「うん?帝国へと繋がる街道にある屋敷の調査?」


久遠は一つの依頼を目にする。


「あなた、何かありましたか?」


華音が尋ねてきたので久遠は依頼を指差した。


「あら、屋敷の調査ですか。ですが、あの辺りに屋敷などありましたか?」

「俺達がこの国を出た時には無かったはずだ。」

「と言うことはその後に出来た屋敷ということですね。」


二人は依頼を見ながら考えていると後ろから紗良と優真の声が聞こえてきた。


「おじさん達、いい加減にしてくれない?」

「僕達は両親についてきただけです。」


と、何か言い争っているようである。


「あん?ガキが何言ってるんだ?ガキ共の親なんて何処にも居ないだろうが!」

「そうだそうだ。ここはお前らみたいなガキが来る所じゃないんだよ。さっさと帰れ!」


男数人で紗良と優真を囲み罵声を浴びせている。ちなみに、カルディナは少し離れた場所で成り行きを見守っていた。但し、すぐに介入出来るように構えている。


久遠と華音は、一旦紗良と優真の方を見るが依頼の内容を確かめるため掲示板へと目線を戻した。


何故、久遠と華音、カルディナが何もしないのかと思うだろうが紗良と優真は四歳児にしては強いからである。その強さは、一般的なBランク冒険者並みである。


まぁ、紗良と優真を鍛えたのが世界最強の久遠と華音、それにカルディナである。それに前に住んでいた家の近くの森でカルディナと一緒に狩りに出掛けている。そこで色々と教わっていた。


そして、何より両親の血を継いでいるため四歳児にして魔力量は桁外れである。無詠唱は当たり前に出来、別属性魔法の同時起動すらやってのける始末である。


「両親の所に行きますから退いてください。」


優真は男達に言うが男達は退かない。


「退くわけないだろ?行きたきゃ勝手に行きな。」


そう言われたので紗良と優真は久遠達の元へと行こうとする。だが、男達は意地悪く道を塞ぐ。


「どうした?行かないのか?」

「おじさん達が道を塞ぐから行けない。」

「俺達のせいか?なんなら力ずくでも構わないぞ?」


男達は大声をあげて笑った。だがしかし、この一言が紗良と優真に火をつけた。


「わかりました。受付のお姉さん、今の言葉聞きましたよね?」


優真がギルドの受付嬢に声をかけると大きく頷いた。


「お姉ちゃん。」

「優真。」


二人は頷いて行動に移した。


二人は同時に近くにあった椅子に乗り、椅子からジャンプし男達を飛び越えた。


「「「なっ!」」」


二人の行動が意外だったため、男達はなすすべなく見送ることしか出来なかった。


「優真、パパとママの所に行こうか。」

「そうだね、お姉ちゃん。」


と、歩き出す紗良と優真。だが、男達は四歳児にバカにされたと思い剣を抜く。


「調子に乗るなよ、くそガキがぁ!!」


男は剣を振り上げ紗良と優真に襲いかかる。だが、紗良と優真は振り向き男の剣を避け同時に男の腹に小さな手をあてる。


次の瞬間、男は吹き飛ばされた。


「ぐわぁ」


男は壁に激突し意識を失った。それを見ていた他の男達は一斉に紗良と優真に襲いかかった。


「そこまでにしてもらおうか?」


流石に、久遠も今の状況を見過ごせなくなり介入する。


「私達の子供に剣を向けたことを後悔させてあげます。」


華音も大層ご立腹の様子で殺気が駄々漏れである。


「「パパ、ママ」」


紗良と優真の言葉に男達は一瞬怯んだ。だが、既に剣を抜いているので止められるはずがない。


男達は標的を紗良と優真から久遠と華音に変え襲いかかってきた。


ドカ、バキッ、グシャ


一瞬で決着がついた。久遠は受付嬢に男達が犯罪者であることを告げた。


「えっ?強盗に殺人?嘘?」


慌てる受付嬢。それでも仕事をこなすところは流石である。


「ついでにこの依頼の処理を頼む。」


と、久遠は先程の依頼書を提示した。


「わ、わかりました。報酬は何にしますか?」


受付嬢が報酬の確認をする。そう、この依頼には報酬が記載されていない。この依頼はギルドが出した依頼である。そのため、ギルドと依頼を受けた本人が直接交渉するのである。ちなみに、このような依頼は稀であまりない。


「報酬は、その屋敷でいい。」

「えっ?屋敷ですか?」

「あぁ、定食屋をやるつもりだからな。」

「わ、わかりました。その様に手配します。」


こうして、屋敷の調査の依頼を受けた久遠一家は宿に泊まり、翌日から行動を開始することにした。




そして、翌日。



久遠一家は、依頼の屋敷に到着した。

子供達も強いです。紗良と優真が冒険者になったらどうなることやら・・・。

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