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新たな命

久遠達が夢であった店をオープンさせてから二年後、新たな命が誕生した。


「まだか?まだ生まれないのか?」


久遠は一人リビングで苛立っていた。華音の陣痛が始まり既に半日が経っていた。初産のため時間がかかるのは知ってはいるが、この時間がどうしても耐えられないでいた。


そんな時、寝室から泣き声が聞こえてくる。


「「オギャァァァァ!!」」


下を向いていた久遠は寝室がある方を見た。


「産まれたか?」


居てもたっても居られない久遠は寝室へと向かい扉を開けた。


そこには、ベッドに横になっている華音とベッドの横に立つカルディナ、今回の出産のため近くの街から来てもらった産婆がいた。カルディナと産婆の腕には産まれたばかりの赤ちゃんが抱かれていた。


「おめでとう、あんたらの子供だよ。」


と産婆が久遠に赤ちゃんを見せる。


「おめでとうございます、お父様。」


カルディナも赤ちゃんを久遠に見せた。久遠は二人から子供を受け取り抱き上げ華音に言葉をかける。


「おめでとう、そしてお疲れ様。」

「男の子と女の子の双子ですね。また、夢が叶いました。」

「あぁ、そうだな。名前は考えてあるのか?」

「あなたと二人で決めたいと思いますから。」

「わかった。取り敢えず今は身体を休めろ。」

「はい。」


久遠は、二人の子供を華音の寝ている隣に置き寝室を出ていった。久遠に続いてカルディナと産婆も部屋を出ていく。


「子供の為にも華音には栄養のあるものを食べてもらわないとな。」

「そうですね、幸い、母乳も出るみたいですからお子様達には充分な栄養が行き渡ると思います。」

「それはそうと産婆さん、今日は助かりました。改めてお礼を言います。ありがとうございました。」


と久遠は産婆に頭を下げた。


「よしてくれよ、いつもお前さん達には色々してもらっていたからその恩返しさね。だけどお礼は受け取っておくよ。」

「本当にありがとうございます。」



この日、定食屋『ドリーム』は訪れた客に無料で料理が振る舞われた。理由は、言わずと知れた新たな命が誕生したことである。



翌日、華音が双子の面倒を見るためウェイトレスの仕事が出来ないためバイト募集をすることになった。募集は、ギルドに依頼として提出し面接を行うことになった。


しかし、ここで問題が発生した。


その問題とは・・・。


定食屋『ドリーム』の知名度があまりにも高くなっていたため予定を大幅に越える面接を希望する者が現れたのである。人数にしてざっと五十人程度である。


そもそも、久遠が出した依頼内容はウェイトレスなのだが、報酬は一般的な額である。では、何故そんな人数が集まったのかと言えば!住み込みで尚且つ三食が付くと言う内容のためである。


もちろん、三食は久遠が作る。そのため、希望者が続出したのである。


「お父様、予想より遥かに多いですね。」

「流石に多すぎるだろ?雇うのは一人か二人だぞ?どんだけの倍率だよ?」

「ざっと二十五倍ですね。」

「有り得ないな。」

「知名度が高いですからね。しかも、三食付きますから。」


結果、店を一日休むことになりカルディナと二人で面接をすることになった。


こうして、新たなウェイトレスを確保し、店を再開することになった。


ちなみに、採用されたのは獣人の冒険者と何故かエルフの冒険者だった。理由は、子供が好きなことと少なからず育児に関わったことがある者を採用した結果である。



それから、月日が流れ双子が三歳になった。


久遠と華音も二十二歳になった。


双子はすくすくと育ち、元気に走り回っている。そんなある日、店に思わぬ人物が現れる。


「「パパ、ママ。お客さんだよ?」」


外で遊んでいた双子が店に入ってきて告げる。その人物は、今や帝国の軍部を纏めあげる楠葉だった。

久遠と華音の年齢あってるかな?

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