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二人の夢

短いです。

数時間後、久遠と華音は買い出しから戻ってきた。


「「ただいま。」」


玄関を開け言う久遠と華音。だが、返ってくる返事はなく家の中は静かだった。


「カルディナは何処まで狩りに行ってるんだ?」

「さぁ?もしかしたら野生の本能が目覚めたのかもしれませんよ?」

「なるほど。考えて見れば元々野生の龍だったもんな。野生化してもおかしくはないか?」

「そうですね。ですが、野生化しても暴れたら私達が討伐しないといけなくなります。周りの被害が出る前に・・・。」

「じゃぁ、今から行くか?」


と、玄関を開けようとした久遠。だが、その前に玄関が開きカルディナが叫ぶ。


「野生化してませんから!!お父様もお母様も言いたい放題ですね?そんな簡単に私は野生化などしません。」

「じゃぁ、何でこんなにも遅いんだ?」


久遠は遅い理由をカルディナに尋ねた。


「つい、狩りが楽しくなって時間を忘れていました!」


ドヤ顔で答えるカルディナ。その様子を見ていた久遠と華音は頷きあって同時に言った。


「「野生化してるじゃないか(ですか)!!」」

「えっ?えっ?野生化なんてしてませんよ?ただ、狩りが楽しかっただけです。」

「本能がそうしたんだよ。そもそも龍なんて野生しか居ないんだからな?」

「えっ?そうなんですか?だからこんなにも狩りが楽しかったんですね。納得しました。」


笑いながら答えるカルディナ。対して、華音は冷めた眼差しをカルディナに送っていた。


「カルディナ。狩りが楽しいのはいいです。ですが、必要以上に狩ってはいけません。その理由はわかりますか?」

「・・・わかりません。」

「私達は、生きていくのに食事をします。これはどんな生物でも当たり前のことです。そのためには、他の生き物を殺し食べます。ですが、必要以上に殺して食べなかった場合、殺された生き物は可哀想ですよね?だって、食べられるならまだしもただ殺されただけになってしまいますから。」


ここまで華音が言うとカルディナは今自分が行ったことを後悔した。狩りが楽しいだけで無駄な命を奪ってしまったことに気付いたのである。


「ごめんなさい、お母様。私はとんでもない過ちを犯してしまいました。」

「判ればいいのです。今度からは絶対にしてはいけませんよ?」

「はい、絶対にしません。」


周りから見れば本当の親子にすら見えてしまうぐらいの感じである。


「さて、食材も揃ったし取り敢えず夕飯の準備をするか。」


二人の話が終わったのを見計らい、久遠は夕飯の準備を促した。


「そうですね。夕食を食べながら今後の事を話しましょうか。」



夕食が出来上がり今後について話し合いをする三人。


話し合った内容は、定食屋をいつオープンさせるか、どのように宣伝するかなど多岐に渡った。


結果、オープンは一週間後に決まり、宣伝はしないということになった。


何故、宣伝しないかといえば簡単である。久遠と華音にとって定食屋はあくまでも趣味でありノンビリやりたいのである。


定食屋の看板は出すが呼び込みやチラシなどの配布はしない。まぁ、簡単に言えば旅の休憩所みたいな感覚で問題ないと思う。


元々、久遠と華音は日本でも大衆食堂みたいなことをやりたかったため、この世界に来てようやく二人の夢が叶ったとも言える。




そして一週間後、久遠達の定食屋がオープンする。


定食屋の名前は『ドリーム』である。


久遠と華音の夢が現実になったことを表すような店の名前であった。




店がオープンしてから二年後。


新たな命が誕生した。

次回から時間が過ぎるのが早くなると思います。

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