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遅くなって申し訳ありません。

改めて旅に出た三人。何の当てもない自由気ままな旅。


そんな三人の目の前に見えてきたのは、明らかに誰も住んでいない家であった。


家の後ろには森が広がり、家の前には街道があり、街道の奥は見渡す限り草原が広がっていた。


場所的には、獣人の国の領土にはなるのだがすぐ近くには川が流れており橋がかかっている。その橋の両端には関所らしきものがある。獣人の国と隣の国との境である。


「いい場所ですね。」


と、華音が辺りを見回し呟いた。それに答えたのはカルディナで。


「確かにそうですね。ここで、子育てなどしたらいい環境になりますね。」


と何気に久遠と華音に子作りを催促する。


「確かにそうかもしれないな。だが、食料は・・・森にありそうだな。」


と、久遠は森を見据えながら言った。


「でしたら、この家を改築して住んでは如何ですか?」


カルディナは家を見ながら華音に言う。


「見る限り改築より建て直した方が早いかも知れませんね。」


華音も家を見ながら答えた。見るからにボロボロの家である。築何十年になろうかという家である。


「改築するにしろ建て直すにしろ獣王の許可がいるだろ?一応ここは獣人の国なんだから。」

「でしたら私が許可を取ってまいります。」


そう言うとカルディナは龍化して飛んでいった。


「カルディナは行動が早いな・・・。」

「あの娘ですから。ですが、もし許可が降りたらどのように建て直しますか?」

「そうだな、それなりの広さで二階建てでいいんじゃないか?」

「でしたら、一階を定食屋にして二階を宿屋にしたらどうですか?私達の住むところは別にして。」


と提案する華音だが、久遠は首を振る。


「いきなり宿と定食屋をやるには無理がある。先ずは定食屋だけにしてあとから考えればいいんじゃないか?」

「・・・人員の問題ですね。」

「あぁ、流石に人手が足りない。だから、許可が出たら一階を定食屋にして二階を俺達の居住区にしようと思っている。それでいいか?」

「問題ありません。取り敢えず、カルディナが帰ってくるまで待ちましょうか。」


何をするか決まった久遠と華音はカルディナの帰りを待つことにした。



カルディナが獣王の元に許可を貰いに行ってから一時間後。


「お父様、お母様。只今戻りました。」

「で、どうでしたか?」

「はい、許可は降りました。ついでに、何か店を始めてもいいかと聞いたところ、こちらも許可されました。」


と、カルディナは二人に報告をした。


「そうか、なら建て直しをするか。」

「それでどのようにするのですか?」


久遠はカルディナに決まったことを説明した。


「わかりました。では、必要な物を揃えてきます。」


カルディナはまたしても直ぐに飛び立っていった。


「何気に一番ヤル気があるのはカルディナのような気がするのは気のせいか?」

「気のせいではありませんよ。私達以上にヤル気があります。」

「だな。さて、まずは取り壊すか。」


こうして、久遠と華音の二人は自分達の家を作ることになった。



二日後・・・。



居住兼定食屋が完成した。


材料は、家のすぐ後ろの木を伐採し、その場所を更地にし野菜を育てる畑として活用した。


家が完成した少し後、カルディナが買い出しから戻ってきた。


「完成したんですね。流石はお父様とお母様。素晴らしいです。」

「で、カルディナは何を買ってきたんだ?」


久遠はカルディナに尋ねるとカルディナは答えた。


「食器類がメインで後は小物を少しですね。あとは、寝室に置くベッド、リビングに置くソファー、それと定食屋なので鍋などを買ってきました。」

「一気に買ってきましたね?お金は大丈夫でしたか?」

「はい、大丈夫です。私も少しは蓄えがありましたから。」

「では、私達から今回使ったお金を渡しますね。ちなみに、受け取りの拒否は出来ませんからね?」


先手を打つ華音。カルディナは、華音に先手を打たれたため渋々お金を受けとる。


「三人で使うんだから当たり前だな。」


久遠もお金をカルディナに支払いながら言う。


「お父様とお母様のためだったんですが・・・。」


カルディナの言葉を無視して家にはいる久遠と華音。後を追うように急いで中に入るカルディナ。家の中に入った三人はそれぞれの場所に移動しカルディナの買ってきた物を置いていく。


久遠は一階の定食屋の準備。華音とカルディナは二階の居住区のセッティング。


ちなみに、定食屋の料理を作るのは久遠で華音とカルディナはウェイトレスをすることになっている。


何故、カルディナが料理を作らないかと言うとカルディナの料理はこの世界の料理である。どうせなら久遠と華音の世界の料理にしてはどうかとカルディナが言い出したのである。


最初、久遠は渋った。しかし、華音に「あなたの料理を食べたい」の一言で陥落した。



そして、準備も粗方終わり、次は食材調達をすることになった。



森へ獲物を狩りに行くのは何故かカルディナ。久遠と華音は野菜や米、調味料を求めて転移した。

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