久遠達の模擬戦
帝国の首都に徒歩で向かっている久遠達一行。そんな時、不意に久遠が有り得ないことを言い出す。
「なぁ、久し振りに全員で模擬戦しないか?」
歩きながらではあるが全員が久遠を見つめる。
「急にどうしたの?久遠君が模擬戦なろうだなんて。」
「兄さん、熱でもあるのではないですか?私が膝枕してあげましょうか?」
「抜け駆けは良くないぞ、亜里沙殿?主殿には私の膝枕が最適だ。で、何故急に模擬戦を?」
「お父様の事ですから思い付きだと思いますよ?」
と、言いたい放題言う華音達。まぁ、実際久遠は思い付きで言ったのもあるが、何せ今久遠達が歩いている街道は周りに何もない。草も生えていなければ木もない。荒野が広がっているだけである。なので久遠達が全力までとは言わないが、ある程度の力を出しても影響は少ない。
「まぁ思い付きなんだが・・・。周りに何もないから俺達が模擬戦やっても迷惑にはならないかなと思ってな。でどうする?」
と、久遠は華音達に尋ねると元気な声が返ってきた。
「「「「やる!!」」」」
ここに久遠達にやる周りの迷惑を無視した模擬戦が行われることになった。
「じゃぁ、対戦相手を決めよ「バトルロイヤル!」う・・・それもいいな。」
対戦相手を決めようとしていて久遠に華音の言葉が重なり対戦方法が決まった。
「じゃあ、各自準備を始めて30分後に集合な。ちなみに、ルールは何でもありで気絶や降参で負けにするからな。」
久遠が言うと全員が頷き準備を始めた。
30分後・・・。
「取り敢えず、円になって隣との間を最低100mは距離をあけてくれ。それ以降は各自好きなように離れてくれて構わない。」
全員が円になり距離を離していく。久遠を最初に時計回りでカルディナ、亜里沙、楠葉、華音の順に並び、距離は久遠とカルディナの間は大体200mぐらいでカルディナと亜里沙の距離は300m離れ、楠葉と華音、華音と久遠の距離は最低の100mである。
開始位置に着いたら全員武器を構えて合図を待つ。使用武器は久遠が片手剣、華音は片手剣と大剣の中間の剣、亜里沙は魔銃、カルディナは己の肉体、楠葉は刀である。
そして、久遠の開始の合図が響き渡る。
「バトルロイヤル・・・始め!!」
一時間後・・・。
開始位置から誰一人として動いていない。全員が相手の出方を見ているため動こうとしない。そのため、時間だけが過ぎていった。
更に30分後・・・。
遂に痺れを切らした久遠が動く。
「ドラ○ーンシス○ム、全機射出!!」
久遠の声が響き渡る。その声に驚く四人。
「ちょ、久遠君?それはおかしくない?」
「種割れてませんよね、兄さん?」
「主殿、流石にフル○ーストは・・・。」
「お父様、私のゼ○システムより質が悪いです。」
八個の物体が久遠の周りを漂っている。
「何ならミー○ィアも出そうか?」
「いや、あれは宇宙専用だからね?」
「姉さん、そんなツッコミは後にして何か対策を取らなくては。」
「ならこちらもフ○ンネルでも出すか、亜里沙殿?」
「あれはニュー○イプしか使えませんから。」
「でしたらA○フィールドでも使いますか?」
「「「それがいい!!」」」
「ですが、実弾を防げるだけでビーム系は半減ぐらいでしたよね?」
カルディナの言葉は、華音、亜里沙、楠葉には聞こえていなかった。
「「「AT○ィールド、全開!!」」」
と、三人が叫ぶがカルディナだけは別のフィールドを展開した。
「Iフ○ールド!!」
久遠は、全員の行動を確認し攻撃を開始した。
「フル○ースト!!」
浮遊物体からビームではなく四大属性の矢が放たれた。結果、華音達のフィールドは役には立たない。
「卑怯だよ、久遠君。属性魔法を放つなんて!」
と文句を垂れながらも剣で矢を落としていく華音。
「兄さん、それは反則ですよ?」
魔銃で撃ち落とす亜里沙。
「主殿、いくらファンタジーだからといってあんまりではないか?」
刀と鞘を器用に使い矢を落としていく楠葉。
「流石お父様。期待を裏切りませんね?」
拳に魔力を纏い撃ち落とすカルディナ。
バトルロイヤルが久遠VS四人に変わりつつある。
「みんな、一斉に久遠君に攻撃するよ!!」
華音の一言でバトルロイヤルから久遠VS四人が確定した。
「わかりました、姉さん。」
「わかったぞ、華音殿。」
「了解です、お母様。」
会話を聞いていた久遠は一旦攻撃をやめ身構える。
「いくよ、みんな!!皇王○翔翼!」
「魔銃版、天威浄破弓!!」
「次は私だ!ス○リームエレ○ンツ!!」
「最後は私ですね。ホー○ージャッ○メント!!」
テ○ルズで固めて久遠に放った。
「いや、流石にテイ○ズで固められるとキツイな。さて、どうしたものか・・・。」
と言いながら両手を胸の前で合わせ、直後地面に両手をついた。直後、土の壁が現れ久遠を守った。
「「「「どこぞの錬金術師?」」」」
「さて、続きといこうか?」
この後、更にネタバトルへと発展し昼食すら食べずに夕方まで続いた。
「流石に疲れた・・・。」
「私もだよ。」
「私もです。」
「・・・。」
「お父様、次回は手加減を・・・。」
楠葉は倒れて答えることが出来ず、カルディナは言い終わる前に倒れた。これにより二度とこのような模擬戦をやらないと誓った久遠達であった。
翌日、全員疲労により動くことが出来ず体力の回復に努めた久遠達だった。
そして、次の日。
ようやく体調も戻り、改めて首都に向かう久遠達であった。
ネタバトルでした。少し息抜きのつもりで書きました。たぶん、次はありません。今後も少しずつネタが入るかな?




