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町での出来事

久し振りの予約投稿です。基本的には朝起きたら書いているんですがたまに寝坊して書けないときがあるので書けるときに書いて予約投稿しようと思います。

大成達が教皇と話をしている頃、久遠達は町へ続く街道を歩いていた。何の変化も感じられない街道。人や魔物の気配すら感じない。明らかに異常である。普通なら少しは感じる何かの気配。だが、今は何も感じていなかった。


「何か薄気味悪いね?」

「そうですね、何故こんなにも静かなのでしょうか?」

「魔物の気配すら感じないのはおかしくないか?」


華音、亜里沙、楠葉の順に自身が感じたことを口にする。久遠も同じ考えであり同意した。


「明らかに異常だな。魔族が絡んでいるのは確かなんだが。何か有りそうな気がしてならない。」

「何か有りそうでも首を突っ込まないでよ?」

「兄さんは、自分から首を突っ込みますから。やめてくださいね?」

「私が言うのもなんだが、主殿は自ら首を突っ込みすぎる。少しは自重されたほうがいいのではないか?」


全員に首を突っ込みすぎるとダメ出しを受けた久遠は言い返そうとしたがやめた。自分が首を突っ込みすぎている自覚をしたためである。


「だから、カルディナが帰って来て報告を聞いたら大成君達に言って処理してもらえばいいよ。私達は旅を続けようね?」

「そうだな。あまり俺達がやるのも問題あるしな。」

「そうと決まればさっさと町に向かいましょう。」


亜里沙は久遠の手を引き歩く速さを速めた。


町には何事もなく着き、町へも簡単に入れた。宿を取って部屋へと案内され一息ついたとき、大成から連絡が入る。


「大成君に魔族の見分け方教えてあげれば?」

「そのつもりだ。明日にでも連絡する。」


そんな話をしていたらカルディナが戻ってきた。


「お父様、お母様。只今戻りました。」

「お疲れ様、カルディナ。で、どうだったの?」

「はい、物資は帝国の首都に運び込まれました。ただ、この町と同様に普通に人間が生活をしておりました。」


もし魔族に支配されているならば人間は殺されていると思っていた。だが、実際は人間が何事も無いように生活をしているのである。だから、違和感を感じたのである。


「もしかしたら、反勢力があるのではないですか?」


亜里沙が自分の考えを口にする。しかし、久遠と華音は首を振る。


「仮に反勢力があったとしても魔族に対抗するのは難しい。人間と魔族では明らかにスペックが違いすぎる。」

「うん、ギルドのランクがAで尚且つ最低三人は居ないと勝てないかな?」

「それほどに強いのか、主殿?」

「あぁ、この世界の人間にはな。俺達なら一対一でも余裕で勝てるがな。だから、反勢力がどれ程の戦力を有しているのか分からないが勝てる見込みはないだろうな。」


魔族の強さを話しているうちに夕食の時間になり全員で夕飯を食べた。その後は、部屋へと戻り眠りについた。



翌朝、久遠は魔族の見分け方などを大成達に伝えてもらうため伝言をレイアスに頼んだ。


「みんな、この後の予定なんだが・・・次の国を目指そうと思うんだがどうだ?」


久遠は、帝国に長居するつもりはなく次の国を目指そうと伝えた。


「別にいいんじゃない?帝国ですることもないし。」

「兄さんに任せます。」

「主殿の好きにすればいいのではないか?」

「お父様に従います。」


結果、久遠達の次の行き先が決まった。


朝食を食べ終わり、町を出ようとした時後ろから声がかかる。


「お前達、帝国の人間ではないな?」


振り替えるとそこには数人の男達が立っていた。


「あぁ、そうだが?」


久遠が答えると一人の男が前に出てくる。


「何しに帝国に来た?」

「次の国に行くためだが?」

「嘘をつくな!!お前達が魔族と繋がっているのは分かっているんだぞ?」

「俺達が魔族と繋がっている?何故そう思う?」


男はカルディナを指差し言った。


「そこの女が魔物から人間の姿になるところを目撃した者がいる。証拠としては充分だ!」


指を指されたカルディナは、久遠に頭を下げた。


「申し訳ありません。どうやら人化したところを見られていたようです。」

「気にするな。だが、カルディナが気配すら感じず見るのは相当な手練れなんだな。というか、そんなのどうでもいいだろ?俺達は、町を出て行く。それに帝国からも出て行くんだ。」

「そうだね。別に私達が何かしたわけでもないし。」

「さっさと町からでましょう。」

「直ぐに人を疑う町になど居たくわない。」


と言い残し振り返ろうとした時、男達は剣を抜いた。


「大人しくしろ!そうすれば命は助けてやる。」

「まるで、盗賊だね?でも、分かってるのかな?剣を抜いたということは殺されても文句は言えないよ?」


語尾を強めて言う華音。だが、男達は怯まない。しかし、そこに新たな人物が登場する。


「待ちなさい。あなた達が戦っても無駄に命を散らすだけです。」


使い込まれた鎧を着こんだ騎士が現れる。


「ひ、姫様!!どうしてここへ?」

「あなた達が飛び出していくのが見えたから追いかけてきました。そして、相手の力量すら見抜けないあなた達を止めに来たのです。」

「私達が敵わない?いくら姫様とてそれはおかしいのでは?こんな戦いも知らないような子供に私達が負けるとでも?」


と、男は女性騎士に言った。


「えぇ、敵いません。仮に今いる全戦力をもってしても勝てないでしょうね。そうですよね?クオン様、カノン様。」


名乗りすらしていないのに久遠と華音の名前を知っている女性騎士。だが、女性騎士が微笑んだ瞬間、久遠と華音の中で一人の人物が浮かび上がった。


「お、お前。まさか・・・ミズナか?」

「ミズナちゃん?嘘でしょ?」

「嘘ではありませんよ、カノン様。お二人ともお久し振りです。五年振りでしょうか?」


女性騎士の名前はミズナ。五年前、久遠と華音が助けた銀狼族である。

新キャラ登場です。やっぱり獣人ははずせません。

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