武器と防具
本日3話目です。
ブクマ、評価などしていただけるとありがたいです。
久遠達は城を出て街にある宿へと向かっていた。本来なら直ぐにでも冒険者ギルドに登録をしクロウ王国を離れるはずなのだが・・・。
久遠達は直ぐに街の住人に紛れることに成功する。それは何故か?亜里沙の髪の色が変わったためてある。黒髪は異常に目立つ、そのため、青髪に変えたのである。
そんなこんなで宿屋に着いた三人は、一週間分の宿代を払い部屋に籠った。
「さて、宿に着いたわけだが・・・。今からあることをしようと思う。」
「それは何ですか、久遠兄さん?」
「それは・・・俺達のアイテムボックスの中身の整理だ。二回も転移したからアホみたいに色んな物があるんだよなぁ。」
「と、その前にあなた。」
「どうした、華音?」
「亜里沙と話し方が被るので昔の話し方に戻していいですか?て言うか戻すからね、久遠君?」
と、久遠が答える前に話し方を戻した華音。華音の話し方に驚く亜里沙。亜里沙にとって華音は、お淑やかなイメージの姉である。それが今覆されたのだから仕方がない。この世界に来てから亜里沙は二人に驚かされてばかりである。
「そうだな、その方がわかりやすいだろうな。」
「誰に分かりやすいのですか?」
「「読者!!」」
「読者?」
と、首を傾げる亜里沙。しかし、それを無視する久遠と華音。
「取り敢えず、アイテムボックスの整理だね?」
「そうだな、華音。亜里沙に渡せる装備もあるだろうし。」
まず、二人が取りかかったのは武器や防具の整理である。皇流武術を使う久遠と華音にとって使える武器は全部である。剣に刀、槍、弓に銃といったオーソドックスな物からマニアックな物まで。
久遠が特に扱いに力を入れている武器は剣と刀である。華音は、剣と薙刀である。ちなみに、亜里沙は二刀流ではあるがメインは何故か銃である。
「あっ、そうだ。亜里沙に先ずはこれを渡さないとな。」
と、久遠が取り出したのは指輪である。
「久遠兄さん、その指輪は?」
「アイテムボックスになっている。それと俺達と念話が可能になる。」
「私と久遠君がしている指輪と同じだよ?」
と、ニヤニヤしながら華音は亜里沙に言う。
「そ、それってけっ、結婚指輪ぁ?」
「うん?違うぞ?ただの指輪だぞ?」
「いや、久遠君。いい加減亜里沙の気持ちに気付いてあげたら?」
「ちょ、華音姉さん!」
「亜里沙、ちなみにだけどこの世界は一夫多妻制だからね?」
一人取り残される久遠。
「私は、気にしないよ?後は亜里沙次第だからね?」
と、華音は亜里沙の背中を押した。
「久遠兄さん、好きです。私をお嫁さんにしてください。」
突然の告白に驚きはするが何となく二人の話の内容から理解していた久遠は、亜里沙に答えた。
「俺と華音は二度と日本には戻らない。この世界で暮らしていくつもりだ。亜里沙がそれでもいいならお願いするよ。」
「はい、私も久遠兄さんに告白したんですから兄さんが此処に残るなら私も残ります。これからよろしくお願いします。」
亜里沙が言い終わると久遠は指輪を亜里沙の左薬指にはめた。その時、久遠と亜里沙の頭に声が響き渡る。
『称号にクオン・スメラギの妻が追加されました。同時に精霊王の加護を取得しました。加護の効果によりステータスが更新されました。名前がアリサ・ホウジョウからアリサ・スメラギに変更されました。』
『称号にアリサ・スメラギの夫が追加されました。』
脳内アナウンスが流れ終わると久遠と亜里沙はステータスを確認した。久遠は、まあこんなもんかといった表情をしているが亜里沙は違った。
「なっ、何なんですか?ステータスが久遠兄さん達と同じになってるじゃないですか!しかも、種族が人族から人族?になってますし。」
と、驚きすぎている亜里沙に華音は言った。
「やっぱりそうなったんだ(笑)何故かそうなるんだよね?」
「まぁ、あいつらが頑張ってる証拠だな。それはそうと装備を整えないとな。」
そう言うと、久遠と華音はまず自分の装備を取り出した。久遠は、黒色がメインで赤のラインが入ったロングコートに同じデザインのズボン。華音は、白をメインに黒のラインが入ったジャケットにスカート。ちなみに、スカートの下はちゃんとスパッツをはいている。
そして、メインになる亜里沙の装備を探し始める久遠と華音。そして、見つけ出した物は・・・。
久遠が青をメインに白のラインが入ったジャケット。華音も何故か久遠と同じデザインのスカートを持っておりそれを亜里沙に渡す。
「ちなみに、この装備は付与魔法により汚れないし、例え破れたとしても自動修復するからな。」
「あと、温度調整も自動だからね?」
と、爆弾発言をする二人。
「後は、武器だな。亜里沙は、双剣でいいのか?」
「そうですね。取り敢えずは双剣で大丈夫です。出来れば小型の銃とスナイパーライフルがあるといいんですが・・・。さすがにな「あるよ?」い・・・あるんですか?」
華音の発言に驚くがこの二人なら有り得ると思った。
「普通に銃はこの世界にとってオーバーテクノロジーじゃないですか?」
「前に華音と試しに作ったら出来た。ちなみに、弾丸は魔力を使用する。」
「はぁ、何でもありですね。では、その二つでお願いします。」
と、亜里沙が言うと華音が亜里沙に手渡した。
「さて、こんなもんか。取り敢えず、今日は寝て明日冒険者ギルドに行って登録をしよう。」
「そうだね、登録しといたほうが楽だしね。」
「登録することはいいのですが、いつ此処を出ていきますか?」
亜里沙の問いに久遠は答えた。
「そうだな。ランクをある程度あげたらかな?」
「受ける依頼が限られるしね。」
「わかりました。」
「じゃぁ、明日に備えて早めに寝ようか。」
久遠の言葉と共に三人は同じベッドで寝ることになった。
そして、翌日・・・。
朝食を済ませた三人は冒険者ギルドに来ていた。
次回は冒険者ギルドでのお話です。
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