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メイド確保

久遠と亜里沙、大成、瑞穂、楠葉の五人が冒険者ギルドに向かい登録と依頼を受けている頃、華音とカルディナはメイド探しのため、まずは街を歩いていた。


「流石に、街中にメイドが転がってるわけはないよね?」

「当たり前じゃないですか、お母様。もし、道端に転がっていたら街中がメイドだらけです。」

「そうだよねぇ~。」


何とも気の抜けた会話である。一応、この世界には奴隷が居ないことになってはいる。だが、それは表向きで裏では奴隷が存在している。アゼディアでは、奴隷を扱った場合極刑にされるため鳴りを潜めている。


「どうしようか?お城に行って引き抜きでもしてくる?」

「それも一つの案ですね。と言うかそれしか無いような気もしますが。」

「じゃぁ、早速お城へ向かおう!」


結果、城に向かうことにした華音とカルディナであるが、城に向かう途中で思わぬ拾い物をする。


「お母様、あそこに倒れている方が見えます。」


と、路地裏へと続く道を指差しカルディナが言う。華音は、カルディナの指差す方を見る。


「あっ、本当だ!カルディナ、行くよ!」

「はい、お母様。」


と、二人は倒れている人物の元へと急いだ。


「大丈夫?」


と、華音が声をかけると倒れている人物から返事が返ってきた。ただし、言葉ではなくお腹の音で・・・。


「お母様、どうやらお腹を空かせているみたいですね。」

「あはは、そうみたいだね。何か手持ちあったかな?」

「サンドイッチがあります。」


と、カルディナはサンドイッチを取り出した瞬間、倒れていた者が急に起き上がりカルディナの持つサンドイッチを凝視した。


「どうぞ、食べてください。」


カルディナは、サンドイッチを起き上がった人物の前に差し出す。一瞬躊躇うが空腹に耐えきれずサンドイッチに手を伸ばし食べ始める。


サンドイッチを食べ終わり一息ついた頃、華音が何故倒れていたのか尋ねる。


「ねぇ、何故あなたは倒れていたの?空腹なのは分かるんだけどそれだけじゃないよね?」

「・・・。」

「お母様、この方はエルフみたいですね。」


カルディナが種族を言うとエルフは身体は震え始めた。


「大丈夫だよ?私達はあなたに危害を加えないから。安心してくれないかな?」

「・・・本当?」

「もちろんです。そんなことをするなら食べ物を与えたりしません。」


華音とカルディナの言葉で少し落ち着きを取り戻したエルフはポツリと呟いた。


「私・・・奴隷。エルフの中でも珍しいハイエルフです。」


エルフの奴隷という言葉に反応を見せる華音とカルディナ。だが、すぐに平静を装い話を聞いた。


「エルフの里で狩りをしていたら人間に捕まり、ここに連れてこられました。そして、隙をみて逃げ出したのはいいのですが食べ物を買うお金もなく倒れてしまいました。」

「て、そこに私達が通りかかったと?」

「はい。」

「わかりました。お母様、どうなさいますか?」


カルディナは、今後のことを華音に尋ねた。


「そんなの決まってるよ?と、その前にあなたの名前を教えて?」

「名は、ユミルといいます。」

「ありがと。じゃぁ、ユミル。貴女はどうしたい?」

「えっ?どうしたいとは?」

「そのままの意味だよ?このまま奴隷として生きていくか、それとも私達に付いてくるかだね。」

「奴隷は・・・嫌です!お願いします、助けてください!」

「了解。じゃぁ、決まったことだし行こうか。」

「わかりました、お母様。」

「行くって何処へですか?」

「もちろん、私達が住む家にだよ。」


と、その時お決まりのパターンが起こる。


「おぃ、勝手に話を決めないでくれるか?そこの奴は俺達の持ち物だ。」


後ろを振り返る華音とカルディナ。そこには筋骨粒々の男達が立っていた。


「お決まりのパターンだね。久遠君じゃないけど面倒だね。」

「そうですね。明らかに相手の実力を計れない雑魚ですね。」


二人の言葉に苛立ち始める男達。だが、既に華音とカルディナの心は決まっていた。


「この国では奴隷を扱うのは犯罪なのは知ってるよね?」

「それがどうした?バレなきゃ問題ないだろ?しかし、お前達も知られたからには奴隷になってもらう。」


そんな事を言う男だが華音とカルディナには関係ない。そして、二人は同時に呟いた。


「「潰す!!」」


二人の言葉に男達は大声をあげて笑い出した。しかし、その笑いは途中で消えることになる。


「一刀◯羅!!」


呟くと華音の回りに魔力を纏う。それも誰もが魔力を見えるように。そして、カルディナも呟く。


「妃◯羽衣!!」


真っ赤に燃える魔力を纏う。紅◯の皇女さながらである。そして、二人は男達の元へと歩き出す。


「さて、殺り合うか?」


華音の一言で男達は土下差をした。


「殺さないでください。俺達は命令されただけです。」


泣きながら訴える男達。だが、二人は容赦しない。


「命令されたとは言え、犯罪に荷担したんだから罪は罪だよ。」

「そうですね。罪は償わなければなりません。」

「貴方達を雇ったのは誰?」

「教えたら見逃して「無理だよ」だよな。」

「ちなみに、答えない場合は一人一人拷問を受けてもらいます。」


と、カルディナは微笑みながら言う。その表情を見た男達は助かる見込みが無いことを悟った。


「わかった、答える。」


リーダー格の男が言うと華音とカルディナは魔力を霧散させる。たが、次の瞬間リーダー格の男は剣を抜き華音に襲いかかってきた。


「油断したな!死ねぇぇぇぇ!」

「甘いね。」


華音が呟くと男の剣を避け懐に入る。そして、手のひらを男の腹に当て気合いをいれた。


「ぐわぁぁぁ!」


男は吹き飛び路地裏から弾き飛ばされた。


「さて、あんな風になりたくなかったらちゃんと教えてね?」


華音は残った男達に笑顔で言った。男達は、首を縦に振り全てを答えた。


男達の雇い主はこの国の司教で人族であることがわかった。この話を教皇に話してもいいのだが、気持ちが収まらない華音は久遠に相談することにした。



こうして、ハイエルフのユミルを連れ家に戻った華音とカルディナは久遠達の帰りを待つことにした。


「ユミル、これからはこの家でメイドとして働いてね。ちゃんと給料も出すから。」

「仕事は私が教えますから大丈夫ですよ。」


と、言われたがユミルは戸惑った。メイドで更に給料を貰えることに。しかも、既に奴隷からも解放されたことに。


「あっ、それとたぶん明日からになるとは思うけど戦闘も出来るようになってもらうからよろしくね?」


華音の言葉にユミルは思った。


(私は、とんでもない人の所へ来てしまった・・・。)



夕方、久遠達が依頼から戻ってきた。そこでユミルが紹介された。ついでに明日からの予定を話た。

ユミルの容姿は一般的に出てくるエルフですかね。金髪で耳が尖って美人さんです。


読んで頂きありがとうございます。

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