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三度目の異世界で夫婦は何をする?  作者: 小鳥遊詩音
神霊国アゼディア編
35/133

戦争終結

光と闇の精霊王が顕現した。


『カノン、ようやく喚んでくれましたね。待ちくたびれました。』


と、光の精霊王レイが言う。


『お姉ちゃん、喚んでくれてありがとう。お姉ちゃんのために頑張るね!』


と、闇の精霊王マリアが言う。


光の精霊王の容姿は、髪型がロングでお姉さんタイプで性格はおしとやかだが一度キレてしまうと手がつけられない。闇の精霊王は、ポニーテールの妹タイプで性格は活発娘である。


「レイ、殺さずに力を加減してね?」

「マリア、手加減してくださいね?」


と、二人は精霊王に手加減をするように言った。


『心得ていますよ。人間は、脆弱な生き物ですから。』

『お姉ちゃん達以外はね。』


そんなことを話しているとクロウ王国軍の進軍が停止していた。


それもそのはず、四大精霊王以外に精霊王が存在しているとは思ってもみなかったからだ。アゼディア軍も同様に驚いている様子。


「な、なんだあれは?四大精霊王以外の精霊王など聞いたことがないぞ?」


クロウ王国国王は驚きの声をあげる。しかし、国王の言葉は他の者と同じ意見である。よって、対応策がないのである。


「おい、この魔道具はあの精霊王にも効くのか?」

「い、いえ、この魔道具はあくまでも四大精霊王の力を封印するものです。ですので、四大精霊王以外には効きません。」


王の問いに答える魔法使い。王は、このとき既に混乱していた。魔道具が四大精霊王以外には効かないことを知っていたにも関わらず、再度聞いたのだから。


その瞬間、光の精霊王と闇の精霊王が力を解き放った。


ドォォォォォォン


進軍していたクロウ王国軍は、二人の精霊王の攻撃により全員が気絶した。


「な、なんだ今のは?ぐ、軍が壊滅だと?」


倒れている騎士達を見て国王は嫌な汗をかきはじめた。



一方、攻撃を放った精霊王はというと・・・。


『少し加減を間違えました。』

『テヘッ。』


何事も無かったように話すレイ、対してマリアはコチンと手で頭を叩く仕草を見せていた。


「もぅ、やりすぎだよ。」

「マリア、もっと手加減をしないとダメですよ?」


と、こちらも何事も無かったように会話を続けた。この結果、死者を出さずにアゼディア軍の圧倒的勝利で幕を閉じた。



この後、教皇はクロウ王国国王と会談、条約を結び、ようやく終結する。


条約の内容だが、アゼディアに不利になるものは含まれていない。今回の侵略での出費をクロウ王国が支払う。その代わりに、復興を支援する。ただし、復興にかかった費用は借金としてクロウ王国が借りるのであって無償ではない。当然、返さなくてはいけない。


そして、勇者の処遇については久遠達に一任される事になった。これは、教皇の提案でありクロウ王国国王は飲まざるえなかった。そして、条約には、再び勇者召喚を禁ずることも含まれた。


この話を聞いた久遠達は、面倒事を押し付けられたと思った。だが、教皇の一言により受けることにした。ただし、例外は除く。


「クオン殿、勇者達の面倒を任せる。同郷なのだから構わんだろ?」

「そう言われると断れないな。だが、面倒を見るのはあそこにいる三人だけだ。」


と、久遠は指を指した。


「俺が吹っ飛ばした残念勇者は例外だ。」

「理由を聞いてもいいか?」

「アイツは亜里沙にちょっかいを出した。それが理由だ。それに、亜里沙も毛嫌いしているからな。」

「そうか、わかった。あの勇者だけはクロウ王国に任せるとしよう。」


こうして、久遠達に新たな仲間?が加わった。



戦争も終わり、久遠達は久々に我が家へと返ってきた。勇者三人を連れて。


「さて、ここがこれから君達の住む家だ。今更だが自己紹介をしよう。俺は、皇久遠。17歳、日本では36歳だった。」

「じゃぁ、次は私ね。皇華音、歳は久遠君と同じだよ。ちなみに、日本での年齢もね。」

「次は、私ですね。皇亜里沙、16歳です。私は、日本でも同じ年齢です。」

「最後に私ですね。私は、カルディナと申します。歳は秘密です。クオン様とカノン様が私の両親のような方々です。」


久遠から順に自己紹介が終わり、次は勇者達の番である。


「俺は、吉田大成(よしだたいせい)だ。歳は16だな。」

「私は、葛城瑞穂(かつらぎみずほ)と言います。歳は16歳です。」

「最後は私だな。名は、綾波楠葉(あやなみくずは)と言う。歳は先の二人と同じだ。」


お互いの自己紹介も終わり、次に話し合う内容は今後のことである。


「で、君達は今後どうする?」

「いきなりどうすると言われても思い付かんな。」


と、大成が言うと瑞穂も頷く。しかし、楠葉だけは違った答えを言った。


「私を久遠殿の弟子にしていただきたい。」


その瞬間、時間が止まったかのように全員が凍り付く。


「私は、久遠殿が使う技を使いたい。日本のアニメやマンガの技が使える久遠殿の弟子になりたいのだ。」


と、楠葉が言うとようやく復帰した華音が楠葉に答えた。


「久遠君だけが使える訳じゃないよ?私に亜里沙、カルディナも使えるし。と言うか私と久遠君は、五年前にもこの世界に召喚されてるしね。もちろん、あなた達と同じ勇者としてね。カルディナに限っては神龍だしね。」


と、色々爆弾を投下する華音。


「五年前の勇者だったのか。なら、あの強さも納得だな。」

「そうですね、納得しました。」

「そうなのか。更に弟子入りしたくなった。」


と、諦めない楠葉。そこに亜里沙から提案が言われる。


「兄さん、どのみち皆さんをこの世界で生きていけるようにするのですから、独り立ち出来るまで教えてみては如何ですか?」


と、亜里沙が言うと久遠もその案に乗ることにした。


「しょうがない。ここにいる間だけなら教えてやるよ。」

「ありがとう。亜里沙殿、助かりました。」


亜里沙に頭を下げる楠葉。楠葉に頭を下げられ畏まってしまう亜里沙。


「き、気にしないでください。あくまでもここにいる間だけですから。」


と、慌てている亜里沙に助け船が出された。


「では、皆さん。夕食にしましょう。」


カルディナは、そう言うといつの間にか作っていた夕食を運んできた。


夕食を食べ終わると各々部屋へと別れた。



久遠と華音、亜里沙だけはリビングに残り話をしていた。


「人数が一気に増えたな。」

「そうだね、賑やかになるね。」

「はい。ですが、兄さんとの時間も減ってしまうのでイヤですね。」

「教皇からの頼み事だからな。」

「じゃぁ、これからはこの夜の時間だけは三人で過ごそうよ。」

「それはいいですね。最近は夫婦らしいこともしていませんし。」


頬を赤らめながら亜里沙は久遠を見る。亜里沙の視線に何故か恐怖を感じた久遠は話を逸らそうとするが華音に阻まれた。


「そうだね。最近ご無沙汰だったもんね。と言うわけだから久遠君。夫婦の営みをしようか。」


それだけ言うと華音は久遠の右腕を掴み、亜里沙は左腕を掴んで久遠を立たせ何処かへと連れ去った。



翌日、華音と亜里沙の肌は妙にツヤツヤしていた。


お疲れ様、久遠君。



勇者が仲間に・・・。ですが、そこまで登場しないかな?


読んで頂きありがとうございます。

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