壊れ始める騎士団と魔法師団?
本日二話目です。
ブクマ、評価などしていただけるとありがたいです。
アゼディア軍の訓練が始まった翌日。
風の精霊王であるシルフィからある情報がもたらされた。
『お兄ちゃん、クロウ王国は二ヶ月後に勇者も一緒に進軍してくるって。王様が言ってたよ。』
いつの間にかシルフィが独自に行ったことである。クロウ王国では、精霊を感じる者は城には居らず筒抜け状態である。
「シルフィ、ありがとうな。この情報があれば今後に役立つよ。」
『うん。ご褒美はお兄ちゃんの手料理でいいからね。』
「わかった。今度作ってやるよ。」
『わぁーい。』
と、気分を良くしたシルフィは念話を切り何処かへ行ってしまった。
(さて、この情報を教皇に教えに行くかな。)
と、久遠はミルフィとフェンを探した。が、今は午前中のため全員が街の外周を走っているため諦めて一人で城に向かうことにした。一応、念話で連絡だけはいれておく。
『華音、亜里沙。悪いんだが後を頼む。俺は今から城に行って教皇と話をしてくる。』
『何かあったの?』
『兄さん、何かありましたか?』
『あぁ、クロウ王国は二ヶ月後に勇者と共に進軍してくることがわかった。その為の対策を考えにいく。』
『了解。二ヶ月あれば何とかなるね?』
『そうですね、姉さん。それに、出発が二ヶ月後であってここまで来るにはあと二、三週間はかかりますから。』
『そういうことだ。後は頼んだ。午後には帰ってくる予定だから。』
『了解!」
『判りました。』
念話を切り城へと向かう久遠。城へ向かう途中、色々考えを巡らせる。
(勇者も来るとなるとこちらに有利な場所を選んで先に陣を作るか?いや、陽動もありえるかもしれないな・・・。どれだけ考えても埒があかないな。まさかとは思うが、またあの魔道具が使われたら厄介だな。)
と、久遠はある魔道具の事を思い出した。その魔道具とは四大精霊王の力を封じる物である。何故、そんな物がクロウ王国にあるのかは不明である。五年前に、この魔道具のせいで久遠は全く力が出せなかったのである。
(だが、今は五年前とは違う。華音には光の精霊王、亜里沙には闇の精霊王、それに神龍であるカルディナもいる。今度は大切な人を守ってみせる。)
新たな決意をしたところで城に到着する。
久遠は、教皇の私室に通された。そこには、既に宰相がおり久遠を待っていた。
「久遠殿、話とはいったい?」
「クロウ王国は、二ヶ月後に勇者と共に進軍してくることがわかった。実際、この街に来るのは更に二、三週間後になるだろうがな。」
「な、それは本当か、久遠殿?」
「あぁ、風の精霊王がくれた情報だ。」
「「!!」」
教皇と宰相は、風の精霊王がそんな情報を持ってくるとは思ってもみなかったのである。そのため、驚いて声が出ないのである。
「で、対応を考えようと思ったんだが・・・任せて良いか?」
「い、いや出来れば一緒に考えてもらいたいのだが。」
と、教皇は久遠に言うが久遠は「国の事はわからん」と言い部屋を出ていこうとしたが宰相に止められた。
「久遠殿、騎士団と魔法師団は何とかなりますか?」
「二ヶ月あれば充分だ。こちらの戦力の倍来ても大丈夫なようになるな。」
と、久遠は言いきる。それを聞いた宰相は笑みをこぼし答えた。
「判りました。その様に教皇様と対応を考えましょう。」
「まかせた。」
今度こそ部屋を出る久遠。思いの外話が早く終わった?終わらせたので時間が空いてしまった。昼食まで時間があるので街を散策することにした久遠はブラブラと街を歩いた。
昼食後の訓練は、華音は騎士団と訓練場で行い、亜里沙は魔法師団と街の外に設けた練習場で行うことになった。久遠とミルフィ、フェンの三人はギルドで依頼を受け魔物退治をすることになった。
騎士団の訓練風景。
「ほら、そこ!さっさと立つ!あと、模擬戦で負けた人は街の外周を一周してきてね。わかった?」
「「「はい!」」」
「はい!じゃないでしょ?なんて教えたかな?」
「「「イエス、マム!!」」」
一体どうなる騎士団・・・。華音は何処に向かって走ってる?
魔法師団の訓練風景。
「はい、無詠唱が出来た人は多重展開して的に当ててください。あと、今日中に無詠唱が出来なかった場合、街の外周を朝と同じだけ走ってもらいますから。」
「「はい、アリサ様!!」」
「違いますよね?全員走りますか?」
「「イエス、マム!!」」
「では、全員走ってきてください。一周でいいので。」
イエスと答えたがために全員走らされることになった魔法師団。華音も華音だが亜里沙も亜里沙である。
この国、本当に大丈夫か?
久遠によるミルフィとフェンの訓練風景。
「さて、無詠唱が出来るならサクッと魔物退治をしてくれ。危なくなったら助けるから。ちなみに、助けるのは死ぬかもしれないときだからな?と言うわけで、来たぞ。」
「え、ちょっとクオン様?どういう意味ですか?」
「ちょ、余所見しないでください。フェン、そんな事では生き残れませんよ?」
「何でそんな簡単に受け入れられるんですか?」
「たぶん、私達が一番緩いからですよ。」
「ミルフィの言うとおりだな。騎士団と魔法師団はじごくを見ているだろうな。なんならフェンだけでも亜里沙の元に行くか?」
フェンは首を振り急ぎ魔物退治へと繰り出した。
「やれば出来るじゃないか。その調子で頑張れ。」
久遠は二人の戦い方をじっくり観察していた。
その後、魔物退治は滞りなく終わり、ギルドで報告も終わり三人は帰路についた。
こうして長い一日が終わった。
正式な騎士団と魔法師団の名前考えないと・・・。思い浮かぶかな?
読んで頂きありがとうございます。




