神域side亜里沙
亜里沙sideのお話です。
ブクマ、評価などしていただけるとありがたいです。
久遠と華音が目を覚ました時、亜里沙もまた目を覚ましていた。
(あれ?久遠兄さんと華音姉さんが居ない?まさか、はぐれてしまったのでしょうか?)
と、不安になる亜里沙だったが二人の規格外なのを思いだし確実に無事であることを信じた。
(しかし、本当に異世界に召喚されるとは思ってもみませんでしたね。いつも読んでいる小説の話そのものみたいですし。)
亜里沙は、冷静になって色々考えている時、何もないはずの空が輝きだした。
「勇者の皆さん、突然の召喚にビックリされたと思います。私の名はセシルと言います。一応、女神です。」
と、光の中から現れた女性が話始めた。そんな時、一人の男性がセシルの話を遮った。
「本当に女神なのか?信じられない!それに、俺達が勇者?そんな事より元の世界に返してくれないか?」
と、男性が言うとセシルは首を振り答えた。
「それは・・・無理です。召喚された勇者は、魔王を倒さない限り元の世界には帰れません。」
セシルの言葉に亜里沙以外が悲鳴をあげる。
「私達の意思で着た訳じゃないのにあんまりよ!」と、お嬢様風の女性。
「そうだよ、今すぐ帰してよ!」と、活発そうな女性。
「急にそんな事言われても無理です。」と、委員長風の女性。
一通り文句が言い終わる頃、亜里沙は思った。
(文句を言ったところで何も変わらないのに・・・。それよりもこれからを考えないと・・・。)
と、思っていたとき最初に喋った男性が文句を言った女に話始めた。
「文句を言ってもしょうがない。取り敢えず、異世界に行ってから考えよう。じゃないと話が進まない。」
男の言葉に黙る三人の女性。様子を見守っていたセシルは改めて話始める。
「これからあなた方に行っていただく異世界の名は『クロウディア』といいます。剣と魔法の世界です。この世界には、ステータスが存在し人族以外にも他の種族がいます。ステータスには、スキルや称号、加護がそれに職業が表示されます。そして、あなた方には魔物の王である魔王を倒して頂きたいのです。そして、人族を救ってください。」
ここまで言い終わるとセシルは両手を胸の前で組み祈るような動作をした。
「今、あなた方に私の加護を与えました。スキルや称号については前の世界での行動が反映されます。それ以外にも私の加護によりスキルは覚えやすくなっています。」
そして、セシルは頭を下げながら言った。
「どうか『クロウディア』を救ってください。」
セシルの行動に全員が驚いた。女神とはいえ神である。その神が頭を下げたのである。驚かない方がおかしい。
結果、セシルの行動により亜里沙以外の四人はヤル気を出した。
「ステータスの確認は、向こうに行ってから確認してください。それでは、準備に入ります。」
そう言うと、セシルはまた両手を胸の前にもっていく。
(女神セシルの言葉に違和感を感じたのは私だけみたいですね?他の種族が居るのに何故セシルは人族と言ったのでしょうか?まぁ、向こうに行けば答えは分かると思いますが・・・。)
と、亜里沙が考えていると準備が終わったらしくセシルが話始めた。
「準備が整いました。それでは、皆さんを転移させます。どうかよろしくお願いします。」
「「「「はい!」」」」
亜里沙以外が答えた瞬間、亜里沙達は光に包まれた。
再び目を開けて周りを確認すると、そこには中世ヨーロッパの城があった。亜里沙達が召喚された場所は城の中庭、そして、亜里沙の隣には髪の色を変え年齢も若返った久遠と華音の姿もあった。
次回は、久遠視点に戻ります。
読んで頂きありがとうございます。