元司教の反乱?
遅くなりました。
接骨院から帰ってきてから書き上げました。
平穏な日常は元司教によって終わりを告げた。元司教は、軍と言うより統率が全く取れていない傭兵または盗賊の寄せ集めみたいな軍である。軍と言っても二百人には届かない数である。
元司教は、スフィアの街から少し離れた場所に陣を敷き構えた。
「教皇に告げる。私と戦った冒険者四人を差し出せ!そうすれば街には侵攻しず引こう。繰り返す・・・」
と、拡声器のような魔道具を使い街中に聞こえるように繰り返した。
少し時間は遡り、城では元司教が脱獄したことを知らされていた。
「教皇様、申し上げます。元司教が脱獄しました。」
と、一人の騎士が教皇に報告した。
「なに?脱獄しただと?誰が手引きしたか判っておるのか?」
「いえ、わかっていません。そもそも、いつ脱獄したかさえ不明です。」
とその瞬間、元司教の声が城にも聞こえてきた。
「教皇に告げる。私と戦った冒険者四人を差し出せ・・・。」
教皇は、頭を抱え始めた。この声が聞こえていると言うことは久遠達にも聞こえていると思い悩んだ。教皇自ら裁くと言っておきながらこの失態である。久遠達がこの失態を見逃すはずがない。故にどう説明するか悩んだのである。
と、そこにフェンが駆け込んできた。
「教皇様、無礼をお許しください。」
「なんだ?今元司教の事で忙しいんだぞ?」
と、ややキレ気味に話をする教皇。だが、フェンは怯まず告げる。
「それは知っています。街中に響き渡りましたから。それよりも、クオン様達が「元司教を潰しにいく」と言って街を出ていきました。私はこの事を教皇様に伝える役目を受け参りました。」
フェンの言葉を聞き、若干顔色が戻る教皇。しかし、フェンの次の言葉で顔色は青を通り越し白くなる。
「後、クオン様達からの伝言です。「後始末が終わったら城に行くから説明を求める。場合によっては・・・。」だそうです。」
「「・・・。」」
教皇とその場に居た騎士は言葉に出来ない。
「では、私はこれで失礼します。」
と、フェンは一言告げ出ていこうとしたが教皇が止める。
「フェン、お前は今から何処に行くのだ?」
「もちろんクオン様達にお供します。それに、ミルフィ様の護衛も兼ねていますので。では、急ぎますので失礼します。」
今度こそフェンは部屋を出ていった。ミルフィの護衛という言葉を残して。
「ミルフィの護衛?そう言えばミルフィが居ない。ま、まさか・・・。」
そう、ミルフィはフェンが城に来て直ぐに事情を聞き行動に出たのだ。ミルフィの押しの強さに負けたフェンは護衛として街の門付近から久遠達の戦いを見ることになった。ちなみに、ミルフィはすぐ近くで見たかったようだが流石にフェンがそれを止めた。
街中に元司教の声が響き渡った直後、久遠達は家で昼食の真っ最中だった。
「久遠君、なんかうるさいんだけど?」
「だな。てか、何で元司教の声が聞こえるんだ?」
「大方、脱獄されたんじゃないですか、兄さん。」
「そんな穴だらけの警備があるはずがありませんよ、クオン様。」
「そ、そうですよ、皆さん。たぶん、手引きした者が居るはずです。」
「それは、後で聞けばいい。問題は、俺達に用があるみたいだぞ?」
と、久遠が言い終わると更に元司教の声が響き渡る。
「負けるのが怖いのか?所詮はグズの冒険者だな。出てこないならこの国を潰す。」
正直、久遠達はアゼディアが潰されようが関係ない。しかし、クロウ王国より遥かに住みやすく居心地がいい。そのため、潰されるわけにはいかない。そう思った矢先、周りから声が上がる。
「久遠君、潰しに行こう!」
「兄さん、この国は住みやすくいい国です。ですから、殲滅しに行きましょう。」
「クオン様、私もこの国が気に入っています。食べ物も美味しいですし、何よりクオン様、カノン様、アリサ様と一緒に暮らせる家があります。ですから、私は守りたいと思います。」
言いたいことを言い終わると久遠を見つめた。久遠も頷き答えた。
「あぁ、そうだな。ここには俺達の家がある。そして、家族もいる。守らないといけないよな。と、言うわけでフェン。教皇に伝言を頼む。」
フェンに伝言を伝えた久遠達は、直ぐに準備を終わらせ街を出た。
「ようやく現れたな。待っていたぞ。」
と、元司教が言うが全員鼻で笑った。
「雑魚のセリフをありがとう。」
「もうちょっとセリフを考えないとね?」
「姉さん、そもそもあれ以外を考える頭を持ち合わせていませんよ。」
「それもそっか。無理なこと言ってごめんね?」
「謝る必要はありませんよ、カノン様。謝ったところで無駄ですから。」
貶し放題である。
「き、貴様らぁぁぁぁ!殺す、殺してやるぅぅぅぅ!全員で攻めろぉぉぉぉ。男は殺せ!女は絶対に殺すな。後で全員で可愛がるためにな!」
「「おおぉぉぉぉぉぉ!」」
元司教の言葉にヤル気を出すどこぞの馬の骨達。しかし、そのヤル気は一瞬にして潰える。
「私が殺ります。皆さんは下がっていてください。」
カルディナが一歩前に出る。
「大丈夫なのか?神龍になるつもりか?」
「いえ、元の姿には戻りません。」
「カルディナ、大丈夫なの?」
「ご心配には及びません。一撃で終わらせてみせます。」
「兄さん、カルディナさんもこう言っていますから任せてみては如何ですか?もし、無理なら絶対にで潰せばいいだけですから。」
「わかった。やってみろ。」
「ありがとうございます。」
カルディナは、一礼し構えをとる。そして、次の瞬間あり得ない言葉を聞くことになる。
「ゼ◯・シス◯ム起動。」
そう、某ロボットアニメのセリフ。
「ちょ、カルディナ。それはおかしくないか?」
「生身で出来るものなの?」
「姉さん、普通は無理ですから。」
と、ツッコミを入れる三人。それを無視して続けるカルディナ。
「ツ◯ンバスター◯イフル、エネルギー充填。」
あり得ない大きさのバス◯ーライフルが出現する。
『ツイ◯バスター◯イフル充填完了。何時でも発射出来ます、マスター。』
何処からともなく声が聞こえてくる。
「シ◯ーーーーート!」
カルディナの掛け声と共に発射された。
ジュゥゥゥゥゥゥゥ
辺り一面何もなかったかのようになった。
「最後の方違うアニメが混ざってなかったか?」
「混ざってたね。な◯はちゃんだよね?」
「そうですね。私的にはフェ◯トちゃんの方が良かったですね。」
「まぁ、片付いたから良しとするか。」
「そうだね。」
「はい。では、事情を聞きに行きましょうか。」
こうして、元司教の反乱はカルディナの一撃のもと終わりを告げた。
事情を聞きに言った久遠達は、謁見の間にはいるやいなや土下座する教皇を見たとか見なかったとか・・・。
元司教の脱獄は、クロウ王国の間者によるものだとわかり、教皇はクロウ王国へ手紙を出した。
教皇が手紙を出した数週間後。クロウ王国から返事が帰って来た。
その内容は・・・。
『貴国に宣戦布告をする。』
の一文だけだった。
何か入り乱れた。確かこんな感じだったような・・・。
読んで頂きありがとうございます。




