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神域

本日二話目です。


ブクマ、評価などしていただけるとありがたいです。

久遠と華音が目を開けた時、直ぐに違和感を感じた。


先程まで隣に居たはずの亜里沙が久遠と華音の隣から居なくなっていたのである。


二人が亜里沙を探していると、何か神々しい光が遠くで現れた。


「華音、あの光は・・・。」

「そうですね、あなた。あの女神でしょうね・・・。」


と、そこへ二人の後ろから声が聞こえてくる。


「お久し振りです、久遠さん。華音さん。」


久遠と華音が同時に振り向くとそこには、優しそうな声とは違い幼女が立っていた。


「「誰?」」

「えっ?私ですよ?アゼリアです。」

「いや、アゼリアはそんなに小さくないぞ?なぁ、華音。」

「そうですね、私達が知っているアゼリアは大人の女性ですから。」

「そんな訳ないじゃないですか?仮にも創造神の私の背が縮むはずありません。」


と、限りなく無い胸を張るアゼリアである。そんな微笑ましい光景?を見ながら久遠は話を続ける。


「取り敢えず鏡で自分の姿を確認してみたらどうだ?」

「久遠さんは、本当に疑り深いですね。そこまで言うなら確認してあげます。」


と、意気揚々と何処からともなく鏡を出すアゼリア。そして鏡に映った自分を見てアゼリアは・・・。


「ぬよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


変な声で絶叫し、フリーズした。



アゼリアの意識が復旧するのに10分位かかっただろうか。改めて自分の姿を見て理解したアゼリアは、気を取り直して久遠と華音に説明を始めた。


「お二人は今回の召喚では巻き込まれた形になります。何故巻き込まれたかは私でもわかりません。そして、彼方に見えるのが今回召喚を担当した女神セシルと言います。その前に居るのが今回の勇者候補になるのですが・・・。」


話を区切るアゼリア。アゼリアに対して華音が口を挟む。


「勇者ではなく勇者候補なんですね?ということは勇者になれないかもしれないと?」

「さすがは華音さん、その通りです。ただ、本来なら勇者候補は四人のはずなのですが・・・。今回は何故か五人います。」

「ということは・・・、俺達みたいに巻き込まれた奴がいるわけだな?」


久遠の言葉に黙って頷くアゼリア。


「あなた、何となくですが誰が巻き込まれたか判る気がします。」

「あぁ、俺も何となくだがわかる。」

「えっ?誰が巻き込まれたんですか?」


と、アゼリアが久遠と華音に尋ねると二人は声を揃えて答えた。


「「亜里沙。」」


二人の答えに首を傾げて聞くアゼリア。その仕草が妙に馴染んで可愛らしいのは言うまでもない。


「亜里沙?それは誰ですか?」

「俺達の弟子だな。そして、亜里沙の祖父から頼まれた護衛対象だ。」

「私達が手塩にかけて育てた弟子ですよ。そこら辺の暗殺者にすら遅れをとらないでしょうね。」


二人の答えにアゼリアは叫んだ。


「リアルチート、キタァァァァァァ!」

「いや、俺達もリアルチートだけど?」

「あっ、そうでしたね。すっかり忘れてました。テヘッ?」


ゴチン


華音の拳がアゼリアの頭に落ちた。


「華音さん、何するんですか?痛いじゃないですか!」

「アゼリアが似合わないことをするからいけないんです。創造神なら創造神らしくしてください。あっ、今の姿では無理でしたね?」

「ぐぬぬぬぬ。」

「取り敢えず、話を先に進めてほしいんだが?」


不毛な争いに終止符をつけるため久遠は言った。


「そうですね。で、お二人が行くことになる異世界は・・・『クロウディア』。かつてお二人が勇者として召喚された異世界です。」


久遠は、何もない空を見上げた。華音の表情も固くなる。


「お二人にとって因縁のある世界ですね・・・。申し訳ありません、私がどうにか出来れば良かったのですが・・・。」

「アゼリアのせいではありません。そうですよね、あなた?」


と、意気消沈するアゼリアに声をかけた華音が久遠に話を振る。


「そう・・・だな。まさか、正夢になるとは思わなかったが・・・。」

「正夢?どういうことですか?」

「昨日の夜に夢で見たんだよ。久しく見ていなかった悪夢を・・・。」

「そう・・・だったんですね。あっ、向かうも終わりそうですね。そう言えば加護とかどうしますか?」


と、アゼリアは二人に聞いた。


「別に要りませんよね、あなた?」

「そうだな、何も無しでいいぞ?」

「いや、流石にそう言うわけにはいきません。」


と、二人の提案に食い下がるアゼリア。アゼリアの性格を知っているため二人は何かないかと考え始めた。


「じゃぁ、年齢を17歳に戻してくれるか?あと髪の色も変えてくれるとありがたい。」

「そのぐらいはお安いご用です。あとは、ないですか?」

「華音、何かあるか?」


と、久遠が華音に尋ねるとすぐに答えが返って来た。


「そうですね、日本で貯めたお金をクロウディアのお金に替えてもらえますか?」


そう、華音の答えはお金の両替だった。この答えからわかるように華音は日本に帰るつもりがない。まだ、久遠には話していなかったが華音は華音で思うことがあったのである。


「華音、日本に戻るつもりはないんだな?」

「はい、日本ではやりたいことがないので。」

「そうか、なら俺もクロウディアに残る。」

「いいんですか?私に付き合う必要はありませんよ?」

「俺は華音の夫だ。妻が残るなら当然夫である俺も残る。」

「ありがとうございます。正直不安でした。あなたが一緒に居てくれるなら心強いです。」


と、言うと二人は抱き締めあった。それを見ていたアゼリアは顔を真っ赤にして手で扇いでいた。


「あのぉ、大変良い雰囲気のとこ申し訳ありませんが先に進めてもよろしいでしょうか?」

「うん?悪い、アゼリアの事を忘れてた。」

「リア充、爆発しろぉぉぉぉ!」


アゼリアの心の叫びが木霊する。


「はぁはぁ、で髪の色はどうしますか?」

「俺は赤髪でよろしく。」

「私は銀髪でお願いします。」

「わかりました。本当に加護とか要らないんですか?」

「要らないな。てか、アゼリア。俺達のステータス見ればいいだろ?そうすれば要らない理由もわかるだろうから。」

「そこまで言うなら見せてもらいますね?」


と、アゼリアが言うと二人のステータスを確認した。


名前 クオン・スメラギ 17歳

種族 人族?

職業 魔法剣士(他の職業にも変更可能)

魔力 ∞

攻撃力 ∞

防御力 ∞

スキル 皇流武術 全属性魔法 魔眼(鑑定etc) その他諸々

加護 神々の加護 精霊王の加護

称号 カノン・スメラギの夫 元勇者 元魔王 精霊王の主 人を超越せし者 魔法を極めし者 武術を極めし者


名前 カノン・スメラギ 17歳

種族 人族?

職業 魔法剣士(他の職業にも変更可能)

魔力 ∞

攻撃力 ∞

防御力 ∞

スキル 皇流武術 全属性魔法 魔眼(鑑定etc) その他諸々

加護 神々の加護 精霊王の加護

称号 クオン・スメラギの妻 元勇者 元魔王の妃 人を超越せし者 魔法を極めし者 武術を極めし者



二人のステータスを確認したアゼリアは、言葉すら出せないでした。


「アゼリア、俺達のステータスは見れたか?」

「あなた、私達のステータスを見たからあんな状態なんですよ。」

「まぁ、そうだろうな。」


ようやく復活したアゼリアの第一声は・・・。


「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ!?」


何処か懐かしいコントを見ているかのようである。


その後、久遠と華音の説明により納得したアゼリアは言った。


「これなら確かに何も要らないですね・・・。」

「まぁ、そうだな。ついでに言うと・・・、俺達がしている結婚指輪がアイテムボックスになっている。しかも、MPに依存するから収納数は無限。」

「更に、今までの転移で得た物が何故か収納されていますね。これは、二回目の転移の時に分かったことなんですが・・・。」


二人の言葉にアゼリアは愕然とした。今までアゼリアが関わってきた召喚された者の中で二人のように能力を引き継ぐ者が居なかったからである。そのため、対処の仕方がわからないのである。まぁ、分かったとしてもどうにもならないのだが・・・。


「はぁ、もういいです。お二人が規格外なのはわかっていましたから。さて、向こうも転移の準備に入ったみたいなのでこちらもお二人を転移させますね?」

「ああ、よろしく。」

「はい、わかりました。」

「それでは、お二人が幸せであるように祈っていますね。」


そう言うと久遠と華音は光に包まれた。


二人を見送ったアゼリアは呟いた。


「お二人が生を終えた時、再び会いましょう。」

次回は、亜里沙視点です。


そのうち、人物紹介やら設定を細かく書けたらと思っています。いつになるか分かりませんが・・・。


読んで頂きありがとうございます。

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