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三度目の異世界で夫婦は何をする?  作者: 小鳥遊詩音
神霊国アゼディア編
17/133

謁見

本日二話目です。

翌日、久遠達はスフィアにある城に来ていた。


「なぁ、フェン。俺はクロウ王国で言わなかったか?」


若干、強い口調で言う久遠。それに対して冷や汗を掻きまくるフェン。華音と亜里沙はやれやれといった感じである。


それもそのはず、フェンは今日の予定を伝える時「ある場所に一緒に行ってもらいます。」としか言わなかったのである。そして、その場所が今現在居る城である。


「はい、聞いています。ですが、久遠様達は大司教を助けたと聞いています。その為の謁見になります。」


と、フェンは言ったが当の本人達は「誰それ?」といった表情をしている。その表情を見たフェンは。


「えっ?何故そんな顔をしているのですか?」


と、逆に尋ねた。


「いや、大司教なんか助けた記憶がない。」

「そうだね。魔物の群れと盗賊には遭遇したけど?」

「そう言えば、何処かの騎士が絡んできましたね。そのせいで魔物の群れに八つ当たりしましたね。」

「クオン様を貴様呼ばわりしてましたから。流石に私もイライラしていました。」


上から順に久遠、華音、亜里沙、カルディナである。


「一体何が有ったのですか?その様な話、私は聞いていません。」


と、報告とは違う事を久遠達から聞き悩み始めた。


「いくら悩んでも仕方ありませんね。とりあえず行きましょうか。」


と、催促され仕方なく久遠達はフェンについていく。ここで断るのは簡単だが後々問題になりそうなので行くことにしたのだ。まぁ、どっちの選択をしようが何かは起こるのだが・・・。


フェンに連れられ謁見の間の前まで来た久遠達。扉を開く前にフェンが久遠達に言う。


「最低限の礼儀だけはお願いします。教皇様はお優しい方ですが・・・。」

「その周りがうるさいんだろ?」

「はい。ですのでよろしくお願いします。」


フェンに念を押されるが、久遠達にしてみればそんなこと知ったことではない。礼儀をもって接するに値するかどうかである。


「では、行きましょう。」


そして、謁見の間の扉が開かれた。


フェンが久遠達の前を歩き、久遠達はその後に続いた。


教皇は、王座に座っており、フェンはその手前で止まり膝をついた。久遠達も膝をつくはずなのだが未だ行動を起こさない。


「教皇様の前で無礼だろう!早く膝をつけ!」


一人の司教?らしき人物が叫んだ。だが、久遠達は膝をつかず立ったままである。


「何故だ?俺達はこの国の臣下じゃない。膝をつく理由がない。」

「貴様っ!」

「静まれ!」


教皇が一喝すると、一瞬で静かになる。


「確かに彼らは我が国の臣下ではない。よって、不敬にはあたらない。これ以上の発言は許さぬ。」


教皇の言葉にその場に居た久遠達以外の者は頭を下げた。


「すまぬな。私の事を思ってのことだ。」

「いえ、こちらこそ要らぬ争いを回避していただきありがとうございます。」


と、久遠は頭を下げた。そして、久遠に習い華音、亜里沙、カルディナも頭を下げた。


「では、話を進めよう。この度、大司教でもある我が娘を助けてもらいありがとう。教皇として、また親として感謝している。」

「助けたわけではありません。私達の行く手を阻まれたためです。自衛のためにしただけです。」


と、久遠はあくまでも自衛のためであることを強調した。まぁ、騎士の態度にムカついたことは言わないのだが。


「だが、お礼をさせて「いえ、結構です。」いや、しかしな。」


久遠が断りをいれるが一歩も引かない教皇。


「どうしたら礼を受けてもらえる?」


と、久遠に尋ねたが答えたのは華音だった。


「では、私達に貸しを一つでいかがですか?」

「何?貸しだと?」

「はい、こちらは何も要りません。ですが、教皇様は何か与えたい。ですから、貸しですね。」


華音の提案に教皇は、少し悩んで答えた。


「今すぐには答えをだせぬ。しばし、時間を頂きたい。」

「構いません。私達はこの国に来たばっかりですから。しばらくは居ると思います。」

「わかった。答えがでたらフェンに伝える。」


「では。」と一礼し久遠達は謁見の間を出ていった。



翌日・・・。


フェンから久遠達へと依頼が舞い込んできた。


読んで頂きありがとうございます。

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