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三度目の異世界で夫婦は何をする?  作者: 小鳥遊詩音
第一章 クロウ王国編
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新たな出逢い

本日二話目です。


ブクマ、評価などしていただけるとありがたいです。

クロウ王国を旅立った三人は一路、神霊国アゼディアに向かった。しかし、国境を越えなければいけないので途中の町で情報を得るため町の手前で飛行魔法を解除した。


「さて、ここから町までは歩いていくぞ。」

「だね。空を飛んでいきなり現れたら面倒に巻き込まれるもんね。」

「あまり面倒事に巻き込まれたくありませんから。」


余談だが、久遠達が使った飛行魔法は魔法使いにとって永遠の課題である。現代知識を有する久遠達だからこそ出来たのであってクロウディアではその知識すらない。


そんなこんなで歩いていると町が見えてきた。


「悪いが身分証明を見せてくれるか?」


町の入口で衛兵らしき人物に身分証明の提示を言われる。久遠達は、ギルドカードを見せる。


「ほぅ、その歳でCランクとはな。将来有望だな。ギルドカードを返すぞ。」


久遠達は、ギルドカードを受け取り町に入っていった。直後、クロウ王国の方から異様な魔力を複数感じとった久遠達。距離はまだ大分離れてはいるが魔力を感じ取れる者にはわかる。しかも、久遠達が居る町に一直線に向かってきていた。


久遠達が異様な魔力を感じ取った直後、脳内アナウンスが流れた。


『神龍が眷属になりました。神龍が眷属になったため称号に『龍の主』が追加されました。』


(はっ?神龍?そんな奴は知らないぞ?)


脳内アナウンスは、久遠にしか流れておらず華音と亜里沙は不思議な顔をしていた。


「どうかしましたか、兄さん?」

「いや、今また称号が増えた。」

「今度は何?」

「なんか、神龍が眷属になったから称号に龍の主が増えた。」


素直に答える久遠。対して、華音と亜里沙「うん、良かったね?」と言うだけだった。


そんな会話をしているうちに、異様な魔力の持ち主が姿を表す。


『GuuuGyaaaaaaaa』


姿を現したのは・・・龍、ドラゴンであった。一番前に居るのは銀の鱗を持つ龍、その後ろに控えているのが属性龍と呼ばれる火龍、水龍、風龍、そして地龍である。この属性龍は、各属性で最も強い龍である。そのため、古代龍に分類される。云わば、属性龍の長である。


龍の姿を見た町の人々は悲鳴をあげながら逃げ始める。しかも、町の衛兵も一緒に逃げ始めていた。何とかその場に留まっているのは、場数をこなした冒険者ぐらいである。


「華音、亜里沙。何となくだが・・・。」

「久遠君、言いたいことはわかるよ?」

「はい、兄さんが言いたいことはわかります。」


「「「なんで巻き込まれるん(ですか)!」」」


三人が揃って言った時に、一番前の龍から咆哮が放たれる。しかし、久遠と華音にはその咆哮が人の言葉のように聞こえた。


『主殿、この町に居るのは判っています。早々に出てきてください。』


と、二人には聞こえていた。その言葉を聞いた久遠と華音は手で顔を覆った。更に、龍が言う。


『主殿、いいえ魔王様(・・・)。魔王様が居なくなってから私は更に自らを鍛え上げ、遂に龍の長である神龍まで登り詰めたのです。ですから、早く出てきてください。魔王(・・)クオン様!』


そう、この龍は久遠が魔王として召喚された世界の龍であり、久遠と華音が育てた龍である。どのようにして世界を跨いできたのかは・・・今は語らないでおこう。


「久遠君、あの龍は・・・。」

「あぁ、俺達が育てた黒龍だ。」

「あの、カルディナちゃんか。なんか立派になったね?」

「兄さん、姉さん。あの龍とお知り合いなのですか?」


龍の言葉がまだわからない亜里沙が久遠と華音に聞いた。


「知り合いと言うか何と言うか。」

「久遠君が魔王で私が魔王の妃だった時に育てた(むすめ)だよ。それが今は龍を統べる神龍なんだって。」

「そう・・・なんですか。なら、出ていった方が・・・。」


亜里沙が言い切る前に、再び神龍の咆哮が炸裂した。


『出て来て頂けないなら、人化をし町で聞いて回ることにします。』


と、聞こえた久遠は一瞬にして華音と亜里沙の前から消え神龍の前に現れた。


『むっ、誰ですか?私の邪魔をするなら・・・』


神龍が言い終わる前に久遠が言い放ちながら神龍の顔面を殴り付けた。


「このバカ(むすめ)がぁぁぁぁ!俺に迷惑をかけるなぁぁぁぁぁ!」


ドゴォォォォォォォン!!


久遠の拳が神龍の顔面にヒットし、神龍は思いっきり吹き飛ばされる。ちなみに、地上からは久遠の姿は米粒程度にしか見えていない。


吹き飛ばされた神龍を追って久遠も移動する。その光景を見ていた華音と亜里沙もまた神龍が飛んで言った方へと向かった。


地面に這いつくばる神龍を眺めながら久遠は話始める。


「バカ(むすめ)。俺が誰だかわかるか?」

『貴方など知りません。私が探しているのは「久遠君、大丈夫?」クオン?えっ?もしかして・・・クオン様?』

「ようやくわかったか。で、こっちが華音だ。」

『えっ?奥方様?えぇぇぇぇぇぇぇ!!』

「うるさいわ!」


ゴチン


『うぅ、この殴り方は確かにクオン様の殴り方。ですが、まだ信用していません。クオン様と奥方様が私につけてくれた名前を答えてください。』


久遠と華音は、やれやれといった表情で答える。


「「カルディナ。」」


その瞬間、神龍カルディナの目から涙が溢れだした。



世界を渡って会いに来たカルディナ。健気ですね。ですが、たぶんドジっ子です。


読んで頂きありがとうございます。

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