行動開始
短いです。すいません。
久遠が亜里沙、楠葉に索敵魔法を教え始めた。
「簡単に説明するぞ。索敵魔法は自分に敵意がある者を探し出す魔法だ。だから、敵意を感じればいい。」
久遠の説明は至ってシンプルだった。そして、そんな説明でも理解してしまう亜里沙と楠葉。
「分かりました、兄さん。やってみます。」
「分かった、久遠殿。」
そう言うと魔法を発動した二人。その後直ぐに久遠も魔法を発動する。
そして、魔法の結果は半分半分だった。
「兄さん、これは流石に苦労しそうですよ?」
「そうだな、明らかにおかしいな。」
亜里沙と楠葉が久遠に言う。その理由は、敵意のある魔族が敵意の無い魔族を囲んでいるからである。
「この状態を見ると邪神側に引き込むための勧誘だろうな。もしくは、実力行使か。」
「後者なら早めに行動した方が良くないですか?」
「確かにそうだな。しかし、華音殿達の方の受け入れ体制が整ってなければ無理ではないか?」
亜里沙の言うことも最もだが、楠葉の言うことも正しい。よって久遠の出した答えは。
「同時進行だな。魔族を解放しつつ、華音達が作っている集落への移動。これしかないな。」
「それしかありませんね。」
「そうだな。では、各自単独での行動になるのか、久遠殿?」
「そうだな。それが一番効率がいいだろうな。」
久遠が言うと三人は頷き、行動を開始した。
一方、華音達はと言うと。
「カルディナ、そこはもう少し右です。サリア、そんなに乱暴に扱わない。ちゃんと丁寧にお願いします。」
「申し訳ありません、カノン様。」
「なんで私がこんな事しないといけないのよ!」
「文句を言わない!夕飯抜きにしますよ?」
「ごめんなさい、それだけはご勘弁を!」
華音とサリアの漫才を遠くから見守る皇家の子供達。
「何でサリアもママにあんなこと言うんだろうね?」
「学習能力が低いのではないですか?」
「姉さん達酷くないかな?」
子供達は華音とサリアの様子を見ながら黙々と作業をこなしていくのだった。