魔族の街
お久し振りです。遅くなって申し訳ありません。更に、短いです。ごめんなさい。
王都の前まで来た久遠達。
だが、未だに王都に入ることはなく門の前で立ち往生していた。
「兄さん、何故並んでいるのですか?」
亜里沙が言うように久遠達は門の前にできた行列に並んでいた。
「いきなり攻撃するのはどうかと思ってな。それに今の王都で何が起こっているか確かめないといけないだろ?」
と久遠は亜里沙に答えた。
門に並んでいるのは商人が大半を占めているが、中には冒険者も混じっていた。
商人は食料や武器を売りに、冒険者は魔族の軍への志願者が多い。人族では勝てないと悟った者や半端者などである。
久遠達が列に並ぶこと一時間弱。
ようやく久遠達の番になった。
「お前達は此処が何処かわかっているか?」
と、門番の魔族が尋ねてきた。
「知っている。魔族の本拠地だろ?」
と、久遠が代表して答えた。
「わかってるならいい。で、何しに来た?」
「単に興味が湧いただけだ。魔族がどんな暮らしをしているかとか興味があったからな。」
「そうか。中で問題を起こすなよ?通っていいぞ。」
そんな会話を交わし、久遠達は門をくぐり王都に入った。
王都に入った久遠達は、まず宿屋を探した。その後、何故か冒険者ギルドがあることを知り向かうことにした。
「久遠殿、ここが冒険者ギルドのようだな。」
楠葉が冒険者ギルドを見つけた。
「みたいだな。独立した魔族の街に何故ギルドがあるのか不思議なんだがな。」
「確かにそうですね。必要なさそうな気もしますが。」
華音が言うと子供達が不思議そうな顔をした。
「ママ、ここにギルドがあると不思議なの?」
紗良が華音に尋ねた。
「そうですね。魔族なら魔物を使役しているはずですから討伐する必要はありませんし、採取の依頼もないはずです。ですから、必要ないはずなんですが・・・。」
「そうなんだ。でも、人間が此処に住んで居るんじゃないの?」
何気ない紗良の言葉に久遠達は周りに気配を探った。
そしたら魔族以外に人間の気配を感じたのである。既に魔族しか居ないと思われたはずが人間も普通に生活していたのである。
久遠達がとった宿も人族が経営していることも分かった。
「どうやら俺達はあのクズ勇者のせいで先入観で見ていたようだな。」
「そのようですね。恥ずかしい限りです。」
「はい、何とも言えないですね。兄さん。」
「私としたことが感じることが出来なかったとは不覚だ。」
久遠、華音、亜里沙、楠葉の順に言った。
「まぁ、とりあえず冒険者ギルドに入って依頼でも見てみるか?」
全員が頷いて答えた。
ギルドに入ると魔族と人族が普通に話をしたりしていた。
「不思議な光景だな。あれだけ派手に宣戦布告をしておいて。」
久遠の言葉に全員が頷いた。
そこへ久遠達に向かって歩いてくる魔族がいた。
「久し振りだね、久遠。」




