模擬戦に出るのは?
アゼディア騎士団と魔法師団との模擬戦が行われることになった。
そこで問題が浮上した。それは・・・。
「誰が戦うかですね。」
カルディナが問題をあげた。話の流れからいけば久遠か華音なのだが、遥香、紗良、優真それにカルディナの目が輝いていた。いや、むしろその目には殺意すら抱いていた。
それもそのはず、遥香達子供からしたら自分達の親である久遠と華音を馬鹿にされ、カルディナも自分が仕える主である久遠と華音を馬鹿にされたのである。怒らないはずがない。
ちなみに、神狼ことサリアは子犬程の大きさでいつも通り紗良の腕に抱かれ我関せずといった様子で「ふぁぁ」と欠伸をしていた。
「で、誰が戦うかだが・・・。戦いたいのは?」
「「「「はい!!」」」」
遥香、紗良、優真とカルディナが勢いよく手を挙げた。
「珍しいですね?優真が率先して手をあげるなんて。」
優真が率先して手を挙げたため華音は優真に尋ねた。
「そうだね。普段なら紗良お姉ちゃんに任せるけど今回は譲れないよ?」
優真の答えに久遠は理由を尋ねた。
「優真、理由はなんだ?」
「理由は、皆一緒だろうけどパパとママを馬鹿にしたこと。」
自分の戦いたい理由を答える優真。それを聞いた久遠と華音は模擬戦を優真に託すことにした。
「遥香、紗良、カルディナ。今回は優真に譲ってやれ。」
久遠の言葉に頷く遥香、紗良、カルディナ。三人も優真の勢いに飲まれていた。
普段は大人しい優真がこれ程怒ることはない。ただ、例外は家族を馬鹿にされたりした時は別である。
「優真、いくら相手が弱いからといって油断したらいけませんよ。常に相手の何手先を読み行動しなさい。」
「はい!」
こうして優真VSアゼディア騎士団と魔法師団との模擬戦が決まった。
模擬戦の行われる結界内。
出てくると思っていた久遠と華音ではなく子供が出てきたことに驚く騎士団と魔法師団。
驚いていないのは大成、瑞穂、ミルフィにフェンである。この四人に限っては座談会の時にある程度実力を把握していたため驚かないだけである。
「お前が戦うのか?」
「そうですが、何か問題でも?」
「ガキが俺達に勝てるわけないだろうが!!」
と叫ぶ騎士達。だが、優真は冷静に返した。
「あなた方は叫ぶことしか出来ないんですか?ただ叫ぶだけならそこら辺に居る魔物でも出来ますよ?」
毒舌で答える優真。
こんな性格だったのか優真よ?
「なっ!!我々を魔物と一緒にするとは余程死にたいらしいな?」
騎士団長が優真を威圧した。
だが、優真は涼しい顔をして答える。
「その程度の威圧で怯むとでも?そんな威圧ならゴブリンぐらいしか怯ませられませんよ?」
騎士団長は顔を真っ赤にし叫ぶ。
「クソガキがぁぁぁぁぁ!!」
騎士団長は剣を抜き構えた。それを見た他の騎士達も剣を抜き構えた。
魔法師団もそれを合図に詠唱を開始した。
そして、魔法師団の詠唱が終わり魔法が放たれたことにより模擬戦が開始された。