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亜里沙の八つ当たり2

亜里沙は言い終わると魔物の群れに向かって走り出した。それと同時に二挺の銃から弾丸が放たれた。


通常、亜里沙は銃の弾丸を金属類で放っている。しかし、今回は魔力を弾丸にし放っていた。理由は至って簡単だ。


通常弾丸だと属性付与が難しい。ただ、普通の何処にでもある金属なら難しいだけでミスリルやオリハルコンといった金属なら可能である。しかし、貴重な金属なため所持数が少ない。


それに対し魔力を弾丸にした場合、初めから属性の弾丸として使用可能である。弾丸数も亜里沙の魔力が尽きるまでとなる。


亜里沙の魔力は無限であるため、弾丸切れは起こらない。後、説明が必要なのは込める魔力に応じて威力が変わるぐらいだろう。


属性付与をしない魔力弾の威力を1とした場合、属性を付与した弾丸の威力が10。但し、この場合の込める魔力は1である。そして、込める魔力を10にした場合威力も10倍になる。


よって、亜里沙の魔力を全て注ぎ込んだ場合どうなるかは簡単である。


流石に世界崩壊させることはしないと信じたいものである。



説明はこれぐらいにして改めて亜里沙の戦いの場に移ろう。



今の亜里沙と魔物との距離は近くもなければ遠くもない。感覚的には中距離といった感じである。


この距離こそ亜里沙が最も得意とする距離である。しかし、いくら亜里沙が早打ちで魔物を倒しても距離は縮められる。そんな時は、体術を駆使し銃で殴る。と、同時に銃の乱射である。


この状態の亜里沙の周りに久遠や華音、楠葉以外が居た場合邪魔の何者でもない。


(後ろの冒険者の人達はこちらに来ないみたいですね。ある意味助かります。兄さんや姉さん以外に私と連携出来る人は居ないですから。)


そんなことを思いながら舞うように魔物を討伐していく。


だが、やはり一人である。亜里沙の攻撃を抜けて街へ向かう魔物も出始めてきた。


そんな時、一人の冒険者が声をあげた。


「嬢ちゃんに良いとこ持っていかれたままでいいのか?良くないよな?せめて嬢ちゃんが打ち漏らした魔物ぐらいは俺達で対処するぞ?」


他の冒険者は顔を見合せ頷いた。


「いくぞぉぉぉぉぉぉ!!」

「「「「おぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」


冒険者達は亜里沙の打ち漏らした魔物へと向かった。それと同時に楠葉が騎士達の派遣を終わらせ駆けつけた。


「亜里沙殿、後方は任されよう。思う存分殺るがいい!!」


亜里沙は、戦いの最中だというのに微笑んだ。


(後方の憂いは無くなりましたね。では、私も私に出来ることをするまでです。)


そして、亜里沙は二挺の内一挺をアイテムボックスにしまい、新たに小太刀といっても約70㎝の刀を右手に持ち左手には銃を構えた。


「私は兄さんと姉さんの隣に立つため更なる高みを目指します。そのための糧になってもらいます!アリサ・ホウジョウ改めアリサ・スメラギ参ります!!」


先程とあまり変わらないような戦闘スタイル。だが、違いは明らかである。


先程は銃で殴るだったが、今は刀で切るという変化である。銃で魔物の急所を撃ち抜き、刀で的確に首を切り落とす。


無駄な動きはなく的確に魔物の息の根を止めていく。そんな亜里沙を見ていた冒険者の一人が呟いた。


戦乙女(ヴァルキリー)・・・。」


これが後に亜里沙の二つ名になる。そして、この戦いは後に「戦乙女(ありさ)の八つ当たり」と亜里沙の事を知るものは呼ぶことになる。



こうして、亜里沙の活躍と後方で戦った冒険者の活躍により街への被害はなく、更に多少の怪我はあったものの死者はゼロという奇跡が起こった。


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