アゼディアでの再会
1週間ぶりです。そして短いです、ごめんなさい。
神霊国領に着いた久遠達は歩いて首都に向かっていた。
「それにしても魔物が多いな。」
久遠のセリフからも分かるように魔物が増えていた。
理由は邪神、魔王の宣戦布告によるものである。魔族が魔物を大量に作り出し人族を襲っているのである。
「宣戦布告が影響しているのでしょうね。」
華音がそんな事を言うとカルディナも戦いながら呟いた。
「ですが、そこまで強い魔物も居ませんね。これならそれなりに実力がある冒険者なら勝てる相手です。」
「確かにそうだな。子供達ですらなんなく倒しているしな。」
そう言いながら自分の子供達の方に目線を向けた。そこには魔物相手に勇敢に戦う遥香、紗良、優真の三人と子守りをするかのように見守るサリアが居た。
「紗良。連携をしっかり!」
「わかってるよ、遥香お姉ちゃん!」
「そう言うけど紗良お姉ちゃんは単独行動しすぎだよ?」
連携?の練習をしている子供達。だが、紗良は相変わらずの単独行動が目立っていた。
今でこそ久遠は華音やカルディナと連携して戦えるが昔は単独行動の名人で周りを巻き込んでいた。紗良はそんな久遠の血を色濃く継いでいるようである。
そんなこんなで魔物を倒しながら進んだため、神霊国の首都に着いたのは領内に入ってから三日後だった。
神霊国の首都に入った久遠達は宿を探すため街を歩いていた。
そんな時、声をかけられた。
「クオン様?カノン様?」
久遠と華音が振り返るとそこに立っていたのはフェンだった。
「もしかして・・・フェンか?」
「フェンさんですか?」
フェンは自分の事を覚えていたことが嬉しく目には涙を浮かべた。
「はい、フェンです。お久し振りです。」
「久し振りだな。」
「10年ぶりぐらいですね。」
「はい。それよりもどうしてアゼディアに?」
フェンは久遠達が何故ここにいるか不思議に思い尋ねた。
「亜里沙に頼まれてな。ここには勇者二人しか居ないから助けに行ってくれと言われたんだよ。」
「そうなんですね。勇者のお二人は今ではこの神霊国アゼディアのトップになられています。」
「だから、被害が少ないんだな。」
「村や街に弱いながらも結界が張られていましたからね。」
久遠達は、首都に来るまでにあった村や街により結界を張り続けてきた。その時に気付いたのである。
「いや、お二人と比べたらダメですから。」
「まぁ、訓練を怠らなかった証拠だな。」
「そうですね。ですが、まだまだです。」
と言う久遠と華音の表情を見たフェンは久方ぶりの悪寒を感じた。
「クオン様、カノン様。お願いですからお手柔らかにお願いします・・・。」
「「無理だな(ですね)!!」」
「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
フェンの絶叫が街に木霊した。
再会を果たした久遠達はフェンの案内で城に向かうのだった。