表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
107/133

クロウ王国の現状と魔族

カルディナの背に乗り、久遠達はクロウ王国上空に到達した。


そこで見た光景とは・・・。



「華音、この状態をどう見る?」


久遠はクロウ王国の街を見て華音に尋ねた。


「ある意味で正常なのでしょうが・・・ある意味では異常なのでしょうね。」


と意味ありげに答える華音。


「だよな。どうすればいいんだ?」


久遠の意見ももっともで街の様子は至って普通(・・)なのである。邪神と魔王に支配されているとは思えないほど普通(・・)なのである。


初めから邪神、魔王、魔族に支配されていたようやな何事もなく街の住人は生活していた。


そのため、久遠はどうするか迷っていた。


「亜里沙には偵察で良いと言われているからこのまま神霊国に行ってもいいんだが・・・。」

「そうですね。このまま神霊国でいいのではないですか?」


その瞬間、城から何かが飛来してきた。


「カルディナ、何か飛んできたぞ?」

『そのようですね。人?いえ、魔族のようですね。』

「こんな上空(ところ)まで来るとは暇なのですね。」


と会話をしていると久遠達の前に魔族が現れた。


「また会えたな。」


魔族が久遠達に話しかけてきた。だが、久遠達は目の前の魔族を知らない。むしろ、魔族に知り合いなどいない。


「誰だ?俺達には魔族の知り合いはいないはずだが?」

「忘れたとは言わせないぞ!!お前達に殺された勇者だ!!」

「私達が殺した勇者?そのような人は知りませんね。」


魔族は自分が前に勇者であることを告げた。しかし、久遠達はすっかり忘れていた。


そう、あのグズ勇者だった。名前すら名乗れなかったあの勇者のである。


そんなことがあったことすら忘れている久遠と華音は魔族に向かって一言。


「「人違いだ(です)。」」

「そんなわけあるか!!」


と魔族は怒鳴るが久遠は冷静に返した。


「じゃぁ、聞くがお前の探している人物には子供が三人も居るのか?神狼(こいぬ)を飼っていたか?」


久遠が返した答えは明らかにおかしい。年数が経っているから環境も変わるはずなのだが・・・。


しかし、魔族は何故か久遠の言葉を信じてしまった。


「いや、居ないな。すまん、勘違いだ。」

「判ればいいのです。出来れば少しお話をしませんか?私達はこの国の状況を知りたいのですが。」

「構わないぞ。今、この国は我々魔族が支配している。そして、街の住人は既に我々魔族の傀儡として生きているだけに過ぎない。与えられた命令にしか聞かない傀儡だな。」

「なら、他の国に宣戦布告をしたのは何故だ?」

「我々魔族が最強であることを示すためだ!!」

「そうですか。色々と教えて頂きありがとうございます。では、私達はこれで失礼します。」


華音が言い終わると久遠はカルディナに念話で神霊国に向かうように指示をした。


「構わない。精々、我々に恐怖するがいい。」


久遠達は何事もなくクロウ王国から離れることができた。魔族いやグズ勇者が馬鹿で良かったと心から思った久遠と華音だった。


まぁ、グズ勇者ぐらいなら瞬殺出来るので問題ないのだが後々面倒になることが分かっていたから出来る限り穏便?にしたかったのである。


結果、グズ勇者が馬鹿で助かったということになる。



そして、クロウ王国領から神霊国領に入ってからカルディナから降り全員で歩いて首都に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ